上がったぜ!エンカイオー!
「え?え?」
「何故亭主殿が勇者に!?」
「おい涼!いつの間にスカウトしたんだ!」
「いやしてないから!」
「じゃあ何で変身してるんですか?」
俺が聞きたいわ!確かルビティラに渡されたチェンジストーンは5個だったはずだ!
「ゴールドってアンタ!」
「まあ、ここは任せとけ!」
信道は宝救丁を引き抜き構える。
「聞いてないぞ!6人目の勇者なんて!」
「貴様ら隠していたのか!」
「いいがかりだ!俺達だって知らねえよ!」
追加戦士が居酒屋なんて絶対居なかった筈だ!
「客を待たせてるからな、鼠は早く駆除しないとな!」
「は!そんな包丁で何が出来るってんだ!」
「者共出逢え!」
溝鼠怪人トリオが兵士達を呼んだ。
「あの飲み屋をやっちまえ!」
兵士達が武器を構えて向かってくる。
「やれやれ…数ばっかりで」
信道はゆっくり近づき宝救丁を軽く横に振りかざす。
すると兵士達は体をいつのまにか真っ二つにされて倒された。
「いっ!?」
「な、なんだと!?」
「な、何が起きたんだブラザー??」
溝鼠怪人トリオも困惑している。
「亭主殿??」
「マジかよ…」
「つ、強いです」
「一体どうなってんだ?」
「あの包丁は一体?どうなってんだ一体?」
涼達も困惑していた、突然現れしかも滅茶苦茶強いときた。
「居酒屋なめるなって言っただろ!」
「ぬかせ!行くぞ!」
溝鼠怪人達は信道に襲いかかる。
「鼠は捌きたくないが…まあしゃあない」
信道の宝救丁から光の剣が出来上がりビームソードに早変わりした。
溝鼠怪人Aは爪を振りかざす、信道は簡単にかわし尻尾を引っ張り溝鼠怪人Bの方に投げ飛ばす。
「うわ!」
「あいてて!」
「スキやり!」
「いや遅いから」
溝鼠怪人Cは背後を狙うがいつのまにか背後にいた。
信道は逆に背後から剣で背中を切り裂いた。
溝鼠怪人Cの背中が爆発し倒れてる怪人達の方へ吹っ飛び覆いかぶさる。
「こら!お前らどかないか!」
「ブラザーこそ!」
「二人共どけや!」
溝鼠怪人達は仲間割れを始めた。
「そんじゃ下ごしらえするか」
信道が卵形のケースに丸い金塊を入れて閉じ宝救丁の持ち手で2回ケースの中心のスイッチを押す。
「ウエポンアップ!」
卵形ケースから徳利とカクテルシェーカーをくっつけた様な銃が出てきた。
「濁酒銃!」
あれって日本酒いれる焼物じゃん!?徳利とか言う奴。
「琥珀、パール投入!」
信道は銃の後ろのカクテルシェーカーの様な金属に宝石を投入し蓋をし回す。
シェイク!シェイク!シェイク!上がったぜ!銃から音楽と声があがる。
「蜂蜜酒いっちょ上がり!はっ!」
引き金を引くと濁酒の銃口から金色の弾が放たれ溝鼠怪人達に当たると爆発し金色の液体がまとわりつき固まる。
「な、なんだこれ!?」
「うごけねぇ!?」
「身体が固まって!」
「さあ、お勘定の時間だ!」
信道は卵形ケースに丸い金塊をはめ込み入れると、シェイクシリンダーに入れて再び回した。銃から音楽が流れてセリフが走る。
シェイク!シェイク!シェイク!〆の一杯!
銃口からバチバチと雷のエネルギーが集まって来た。
「雷酒一撃(らいしゅいちげき)はっ!」
「「「そんな馬鹿な〜」」」
銃口から雷の一撃が放たれ溝鼠怪人達に命中し黒こげに溝鼠怪人達は爆死した。
「つ、強い…」
「何もの何だあの亭主は?」
「あの包丁は一体?」
「俺達より強くないかあのおっさん!」
あの居酒屋のおっさん何者なんだ!?
「あ〜汚い鼠にちょーもったいないし〜」
「あ、ギャル悪魔!」
いつも怪人を大きくする悪魔族!
「うわ、アンタセンスゼロだし〜」
魔人族にも言われた…
ギャル悪魔は嫌そうに黒いダイヤを三つ怪人達に与えた。
「「「復活ちゅー!」」」
「溝鼠がちゅー言うな!キモいわ!」
「やかましいちゅー!」
巨大化した溝鼠怪人Aが踏みつけて来た。
「あーアレが素だったか」
見上げる信道。
「あぶな!」
「逆ギレしてんじゃね!」
「兜とボクサーで蹴散らしてやる!みんな!来い!」
馬車からルビティラと巨大化した宝石獣達がみんな飛び出して駆けつけた。
「お!来たな!宝石獣!」
「おっさんこっからは俺達が!」
「お手並み拝見だ!行って来い!」
「「宝石合体!」」
宝石獣達は光輝きパズルのようにバラけた。
それぞれルビティラ、ワニ爺を中心に合体し、カブト、アンキロがそれぞれの宝石巨人に合体し完了した。
「「「完成!兜ホウキュウオー!」」」
「「完成!ゲーターオー・ボクサー!」」
「行くぜ!」
兜ホウキュウオーが剣を振りかざした時だった。
「オラァ!」
空から急降下してきたカルタノハオーが横やり入れてきた。兜ホウキュウオーに剣を振りかざすカルタノハオー。
「カルタノハオー!!何の真似だ!」
「五月蝿えな!合体しなきゃ勝てないくせによ!」
「だから単体で潰すんですよゲームの常識です」
「片方潰せば後は雑魚だからな!」
やられた事を根に持ってるぞこいつら…だから横やりを入れてやったってか。
「汚ねえぞ!テメー!」
「ゲームプレイはそれぞれだ!」
カルタノハオーの剣をいなして弾く兜ホウキュウオー、だがやはり元々のパワーで負けているせいか踏み込めない。
「涼!」
「おっとお前らはこっちちゅー」
「ちゅーちゅちゅ!」
「喰らえっちゃー!」
三匹の溝鼠怪人が爪で攻撃してくる。
ゲーターオーも三体は流石に相手は出来ない。だあーもう鼠鬱陶しい!!
「あらま、大変だ。」
信道は宝救丁を取り出し、さらに卵形のケースに丸い金塊を入れると持ち手でケースのスイッチを3回叩く。
「出番だぜ!相棒!」
宝救丁から音声が流れた。
おまっとさん!ゴルーケン一丁!
宝救丁が光ると、信道の店の小さな風見鶏が動き出し飛び上がり体を巨大化して本来の姿を見せた。
金色に輝く巨大な始祖鳥だ。
「アーアー!」
「ん?」
金色の始祖鳥は口から火を吐く。
「「「あっちーちゅー!!」」」
溝鼠怪人はお尻が火事になり離れた。
「ワニ!?」
お前は始祖鳥!ワニ爺知ってんのかよ!
「アーアー!」
宝石鳥始祖鳥。
「やれ!ゴルーケン!」
「アーアー!」
ゴルーケンは旋回しながら溝鼠怪人達に今度は雷をお見舞いした。
「「「痺れビレ〜〜ちゅー!?」」」
溝鼠怪人は黒こげにされた。
「でけぇ鳥!?」
「何でしょうかあれ?」
「ワニ!」
あやつは始祖鳥だ!始祖鳥って鳥の先祖の!
「ワニ!」
あやつは先代勇者の一人と消えて行方知らずだった。行方知らずってあのおっさん所にいたのか!
「次はあっちだな!」
信道は次に卵形ケースに水色の光るオパールを入れると、同じように叩いた。
「行って来いイカ子ちゃん!」
おまっとさん!トパーズスクイート一丁!
店の壺から小さいイカが飛び出して一気に巨大化して飛んで来た。
「え?イカっ!?」
「ダイオウイカだ!」
「いや宝石のイカ!?」
涼達は何がなんだが分からなくてなった。
「くーくーくー」
宝石獣トパーズスクイート。
「可愛いよイカ子ちゃん!行ってくれ!」
「くーくーくー!」
行って来ますわノブ様!えメスなのこいつ!?
イカ子と呼ばれた宝石獣は頭を尖らせカルタノハオーに頭突きした。
カルタノハオーは吹っ飛んだ。
「イカなんかに!」
「あんなのも居たんですか!」
「ふざけた連中だ!」
イカ子はイカ墨を吐き出しカルタノハオーの顔にぶっかけた。
「前が見えない!?」
操縦していたカズはパニクる。
「キロ!」
あらイカちゃんじゃない!アンちゃん知り合いなの?
「くーくーくー!」
アンちゃん!会えて嬉しいですわ!コイツ本当にメスなんだ!
「感動の再会を邪魔して悪いが!ちょっとお友達借りるぜ!」
「「え?」」
「行くぜゴルーケン!宝石合体!」
「アーアー!」
ゴルーケンが鳴くとイカ子ちゃんとアンキロとカブトが輝きバラけた。
「え!?ちょ!」
「な、何だこれ!?」
ホウキュウオーとゲーターオーは基本形態に戻る。
ゴルーケンとイカ、カブト、アンキロがバラけると、アンキロが甲羅を前にし胴体を構築し、カブトの身体が両腕になり合体し、ゴルーケンの胴体と羽根が合わさり両足を構築し合体する。ゴルーケンの頭はロボの顔になりくっつき、イカ子ちゃんはカブトの頭とアンキロの尻尾とくっつき尻尾のハンマーが下にイカ子ちゃんが上にくっつき大剣になり装備し合体完了!
今、黄金の鳥を中心に四体の宝石獣が合わさり金色に輝く宝石巨人が誕生するぞ!
信道は金色のコックピットに転送された。
「上がったぜ!エンカイオー!」
えーーー!俺達の宝石獣を奪って合体しやがった!?
「て、おっさん!何勝手に合体してんだよ!」
「ちゃんと断ったろ!」
「だからって勝手に奪ってくな!」
「鼠はやるから!お前らはあっちな!」
「ちょ、オイ!」
エンカイオーは溝鼠怪人に向かって行った。
「あれ?増えてるぞ!」
「まだチートを隠していたか!」
「しかし、変な形の巨人ですね!」
カルタノハオーはようやくイカ墨を落とした。
「ああもう、超宝石合体!」
ホウキュウオーとゲーターオーは光輝きパズルの様に分かれてそのまま合体した。
「完成!ゲーターホウキュウオー!」
「ち!合体したかよ!」
「この際何でもいい!」
カルタノハオーとゲーターホウキュウオーは互いの剣をぶつけ合う。
「寄せ集め何かにまけるかっちゅー!」
「「ちゅー!」」
「鼠はさいならな!」
飛びかかった溝鼠怪人Aをイカ大剣で簡単に真っ二つにしそのまま倒した。
「「ブラザー!!」」
「面倒だ纏めて倒すわ!」
エンカイオーはイカ大剣にエネルギーを貯めるバチバチと雷がほとばしる。
「エンカイオー!ダイオウイカ一閃!」
「「イカは嫌いだーちゅー」」
雷を纏ったイカ大剣横に振りかざし残りの溝鼠怪人達をぶった斬り爆死した。
「おつかれさん!」
「ゲーターホウキュウオー!バスターソード」
ゲーターホウキュウオーもカルタノハオーを倒した。カルタノハオーはバラけて元に戻る。
「ち、まだ無理か…」
「でも、いいデータがとれた!」
「収穫ありましたから早く帰りましょう」
ハンターズは宝石獣達と撤退した。
戦いが終わり馬車に戻った俺達。
「「「「「なんじゃこりゃーー!?」」」」」
馬車が改造されていた、しかも何かおでん屋台が追加されてるし!?
「よ!お疲れさん!」
「皆様お帰りなさい!」
アリシア姫とゴールドこと信道が居た。
「ちょ、これどうなってんだよ!?」
「後、アンタ何者だよ!」
「アリシア姫どういう事何ですか?」
「あの金キラの鳥は一体!?」
「俺達の馬車に何つけてんだよ!」
「はいはい、そこまで!」
信道がぱんぱんと手を鳴らしてねじり鉢巻を巻いた。
「詳しい話は後でしてやるか!まずは食ってくれ!」
信道がおでんを皆んなに振る舞う。
「ささ勇者様方座って座って!」
アリシアに言われるままおでん屋台に座る俺達。
「さ、乾杯だ!」
アリシアが飲み物を持ってきた。
「この状況わからないんだが」
「いいからいから!はい乾杯!」
「か、乾杯」
「「「「乾杯」」」」
まあいいかと皆んなは振舞われたおでんを食べると食べたことないがめちゃくちゃ美味かった。まあ疲れたら説明は次にしてもらうか。