異世界でレッドに!?
遊園地のヒーローショー…誰もが一度は憧れた夢の場所。
俺もその一人だ、猿渡涼はずっとヒーローに憧れていた。
何度もなるために俳優のオーディションを受けるが落選ばかりでまるで叶わない。
現実は甘くない…俺は今…
「うわー」
遊園地のヒーローショーで敵兵士のスーツアクターのアルバイトをしていた。
「はぁ〜」
涼はため息を漏らす。
俳優にはなれずアルバイトじゃヒーローもやらせては貰えないこんな生活もう嫌になってきたな。
「おーいアルバイト。スーツを片付けておいてくれ」
「わかりました」
レッドをやっていたスーツアクターから着ていたスーツを預かる。
そうだ…もう辞めよう…でも最後に一度くらい…
涼はスーツを更衣室へ持って行き着替える。
「最後くらいはやりたかったレッドになりたい!」
涼はレッドのスーツを来た自分の姿を見る。
やっぱレッドかっこいいな〜俺も戦隊のレッドやりてー!
涼はそう思いながらスーツを脱ぎ更衣室を後にしようとした時だ。
「ん?何だこれ?」
涼は赤く光る綺麗なガラス玉を拾う。
「ガラスかこれ?」
涼がそう言いながら着替えると従業員用の裏口から出た。
「え!?」
目の前の光景は見慣れた遊園地ではなく、戦場だった。
「な、なんだこりゃーー!」
古い街並みで爆発が何度も起き、特撮で見るような同じ姿の敵兵らしい奴が武器を片手に人を襲っている。
「な、なんかの撮影か?これ?」
状況がまるで読めない…
敵兵が唸り声を上げながら涼に襲いかかって来た。
「て、おいおい!俺はエキストラじゃないよ!」
敵兵は武器で涼を叩く。
「うわっ!」
涼は吹っ飛ばされ頭を打ち額から血を流す。
え!?マジでコレ現実!!
「うわぁーー!」
涼は声を上げて全力疾走。
嘘だこれは夢だ夢だ!
涼はさっき出た扉に飛び込むが…
「あれ?」
そこは廃棄と化しており元の遊園地のヒーローショーのステージではなかった。
「何だよこれ!」
涼は外に飛び出る。
敵兵はますます増えて周りの家を手当たり次第に壊しまくっている。
辺りには敵兵にやられた人や泣きながら逃げ回る人達で溢れている。
涼は目の前の光景が現実だということを痛感する。
「夢なら覚めてくれ…」
テレビとはまるで違う…本当に人殺しをして回ってる。
「あははは!逃げろ逃げろ狩がいがある!」
うわー怪人まで出てきやがった。
その怪人はまるで恐竜の骨みたいな姿をしている口から火を放ちますますドラマのシーンだ。
逃げなきゃ。でも何処へ??
「助けてー!」
逃げ遅れた子供がいたのか!
女の子は怪人のすぐ近くで泣き叫んでいる。
「ちょうどおやつのじかんか!」
骨の怪人は少女を捕まえてしまう。
どうしよう、このままじゃ…俺はどうすれば…
「助けてー!」
女の子は涙を流しながら必死に助けを求めている。
怪人は口を開けその子を食べようとする。
怖い怖いでも…
「うわぁぁぁ!」
涼は無我夢中で飛び出して怪人の腹にエルボをくらわせた。
「うわっと!」
怪人はよろけて女の子を離した。
女の子を涼はすかさずキャッチして降ろした。
「早くにげろ!」
涼は声を上げ女の子をあげると女の子は逃げる。
「貴様俺様のおやつを逃しやがって!」
「うるさい!人は食いもんじゃない!」
涼は正直何を言ってんだと思うが、何であれあのまま女の子を見殺しにしたら一生後悔するそう思うと体が動いた。
「何だ貴様は?ただの馬鹿か?それとも大馬鹿か?」
「俺は…俺はヒーローになりたいんだーー!」
涼が声を天高く上げた時だった。
グラグラグラ
「地震か?」
「ウガァァァ!」
と雄叫びと共に何かが現れた。
「え?ティラノサウルス!」
地震が揺れると地割れが起きそこから全身赤く光輝く巨大な宝石で出来た体を持つティラノサウルスが出てきた。
「ほ、宝石獣!」
「ウガァァァ!!」
宝石獣と呼ばれたティラノサウルスは雄叫びをあげながら周りの敵兵を蹴散らしこっちに向かってくる。
「こっちに来た!」
涼は逃げた。
宝石恐竜は大ジャンプし涼の目の前で着地した。着地と同時に地面が揺れる。
「ウガァァァ!」
「な、何だよ!?」
宝石恐竜の目が光ると涼が拾ったガラス玉も光り始めた。
「な、何だよこれ?」
ガラス玉は宝石恐竜の目から放たれる光を浴びると砕け散り中から、鍔がなく代わりに丸い形の淵がある剣に変わった。
「剣になった!」
「ウガァァァ!」
宝石恐竜は体から赤く光る宝石を作り出し涼に渡す。
「同じ形の窪みがある…まさかこれ!」
涼は確信したこれは間違いなく。
涼は窪みに渡された宝石を嵌め込んだ。
レッド!ザ!武装!
剣から声が聞こえきた何か音楽まで聞こえて来たメロディが止む。
「武装!」
涼は叫ぶと剣から光が放たれ涼の体を覆い尽くし光輝く鎧とヘルメットを装備した。
「へ、変身しちゃったーー!」
涼は声を上げる。
やっぱ変身アイテムだった。
「な、何だ貴様は?」
骨怪人は指を指し聞いてきた。
「お、俺はえっと…ほ、ホウキュウレッドだ!」
ヤバイ今やってるヒーローショーの名前名乗っちゃった…
「ホウキュウレッド?何だそのふざけた名前に姿は!」
「ふざけてない!宝石戦隊ホウキュウジャーだ!」
涼が名乗ると後ろから赤い花火が放たれた。
ますます特撮だなおい…
「ホウキュウジャー??馬鹿かお前は?やってしまえ!」
「今やってるヒーローショーだ!馬鹿にすんなよ!」
涼は敵兵に突っ込む。
あれ?体か軽い!
涼はスーツアクターだった経験を生かして身軽に動き回る。
「宝救剣!」
涼は変化した剣を引き抜く。
ネーミングまで同じかよ…まあいいや!
「おら!」
宝救剣は軽く簡単に敵兵を倒してしまう。
涼は交わしながらパンチやキックとアクションを決めるスーツアクターで鍛えた経験が役に立つ。
「すげーパワーだ!」
涼は次々と敵兵を倒し全滅させると、骨怪人へと向かう。
「後はおまえだ!」
「抜かせ!」
骨怪人も骨の剣を出し応戦する!
宝救剣と骨の剣が激しくぶつかり合う。
「ラチがあかない」
涼の被っているヘルメットから何やらアイコンが出てきた。今度はゲーム要素か??
宝救剣の図面と宝石を組み込むと技が発動する事を知らせる。
宝救剣
ルビー+フレイムストライク
「これをやるのか!」
涼は宝救剣に自分の宝石をはめ込むと持ち手のグリップを引いた。すると剣から炎が。
「必殺技か!」
涼は骨怪人から離れ高くジャンプする。
「宝救剣 フレイムストライクフィニッシュ!」
涼は宝救剣を勢いよく投げ骨怪人に貫通させる。
「かっ!この俺がこんなふざけた奴に〜」
骨怪人は爆死した。
「勝ったー!」
涼はガッツポーズ。