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転職

「検査部が倉庫を調べたようだね?」
 次長から厭味ったらしく言われた。どうも検査部にも頭取派がいるようだ。やはり詳しいデターを送るのは様子を見てからだ。金庫の現金有り高が合わない。これは故意に作った誤差だ。今日は支店長を含めた幹部が会議と称して夜早く店を出た。今日も引き続き経理の女性と金庫に8時まで入った。なぜか女性の目が異様だった。
 最近は本気で私のベトナムを探し始めている。それである会社の採用募集に応募した。
「晩御飯食べる?カレーだけどね」
「ああ貰う」
 常連の商店主が打ち合わせの流れで5人カウンターを独占している。私は定位置に掛けて鞄から封筒を出して募集要項をを見る。ベンチャー企業の金融子会社だ。まだ2期生の募集だが、始めから明確に上場を掲げている。
「応募したのね?」
「こちらのベトナムの探さないとな」
「ベトナムかあ」
「これ見てみる」
 国際郵便を出してくる。スナップ写真がが3枚入っていて、1枚は子供を挟んだ夫婦でどうもベトナム人と現地結婚したようだ。
「彼女は高校を出てすぐに海外渡航した。この店は5年前に出店した。今は調子がいいみたい。これは店の中」
「結構広いね」
「これは私の部屋よ。今の私の部屋より大きいよ」
「これなら泊めてもらえそうだな」
「宿泊費取るよ」

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