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敵に回してはいけない人物

「えっ!? ルミア様が来られたのっ!?」
「はい、国王夫妻は用事があって参加する事が出来ず、ルミア様が代理として参加されたらしいんです。」
 ルミア様は、この国の第一王女であり、王太子様のお姉様にあたる方で、私も可愛がって貰っていた。
 見た目は美人なのだが、その性格は男勝りで曲がった事が大嫌い。
 王太子様がワガママを言うと鉄拳を振る舞うのは当たり前、何せ騎士団に所属して一部隊の団長を勤めている方です。
 そんな方ですから今回の件を知ったらどういう行動になるのかは明らか。
「ルミア様はお嬢様がいない事に気づいて、王太子様に聞いたそうですが、歯切れが悪いみたいで他の者に聞いて事態を把握したそうです。その後は想像がつくと思いますが、結果としては王太子様以下関わった者は更迭されて、処分を待っているそうです。」
 うん、間違いなく修羅場になっていただろう。
 私も追い出されていたのが遅かったら多分目撃していただろう。
 ある種、見たかった様な・・・・・・。
「そんな事があったのね・・・・・・。」
「えぇ、私を含むメイドや使用人もカトリーゼ家は終わりだ、とみんな密かに転職活動をしています。今までが今までですから、取り潰しは免れない、と。」
 ・・・・・・本当になんで愚かな行動をしたんだろうか。
 妹だって、私が王妃教育に苦労をしていたのは知っていたはずだ。
 王妃だからって、自由に振る舞えると思ったら大間違いだ。
 まぁ、今更言ってもしょうがない。
「まぁ、来てくれて助かったわ、人手が欲しかった所なのよ。」
「お嬢様のお力になれるように頑張ります!」
 とりあえず、人手に関しては当面の間は大丈夫になった。 

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