後悔しても後の祭り
「どうして・・・・・・、こうなったの?」
私『リリィ・ガシュネット』は、今地下牢に入れられている。
理由は、『王子をたぶらかし王国を崩壊寸前にまで追い込んだ魔女』だかららしい。
確かにワガママも言ったし贅沢三昧をさせてもらっていた。
しかし、まさか王子が国のお金に手を出してしかも知らないうちに税金をあげていて国民の生活が悲鳴をあげているなんて思っていなかった。
私はてっきり王子の小遣いから出ていた物と思っていた。
そして、遂に国民の怒りが爆発して暴動が起こり私を含めた王族全員は捕まってしまった。
今はこうして地下牢で待機している状態だ。
「調子に乗りすぎちゃったかなぁ・・・・・・。」
今となっては反省の日々だ。
私が部屋の隅で体育座りをしながら反省の言葉を呟いていると、
「ごきげんよう、リリィ様。」
「・・・・・・『メリー・ランスリッジ』様。」
現れたのは元王子の婚約者であるメリー・ランスリッジ伯爵令嬢。
「どうですか? 地下牢の居心地は?」
「・・・・・・最悪よ。」
「わかりますわ、その気持ち。私も地下牢に入れられた身ですから。」
そう、今を遡る1年前、私はメリー伯爵令嬢から王子を奪い取り『嫌がらせ』を受けた、と冤罪を押し付けこの国から追放させたのだ。
まさか、隣国で商売に成功して舞い戻って来るとは思っていなかった。
「リリィ様、貴女は王族の仕事がどんなに大変かを知らずに王子と婚約してしまった。それがこの様な状況に陥っている事、お分かりかしら?」
メリー様の言っている事は今になってわかる。
私は自分の事しか考えず行動していた。
国を運営する事がどれだけ大変なのかを知らなかった結果がこれだ。
「明日、処刑が執行されるそうですわよ。」
その言葉にビクンッとなった。
明日で私の人生は終わってしまうんだ・・・・・・。
そう思うと涙がポロポロ流れてきた。
なんて私は愚かな事をしてしまったんだ・・・・・・。
「今頃、後悔しても遅いですわよ。しっかりと罪を償いなさい。」
そう言ってメリー伯爵令嬢は外へと出ていった。
そして、翌日多くの群衆が見守る中、処刑は行われた。
私リリィ・ガシュネットはこうして命を終えた。