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 時は戻り。
 現代。

 セロはオトネと共に山の上の小屋にいた。

「ご主人さま」

 オトネがセロの方を見る。

「どうした?」

「もうあれから一週間が過ぎました。
 本当に良かったですますか?」

「うん」

「本当は、護りたいんじゃないですか?」

「護るよ。
 僕はオトネを護る」

「お友だちも護りたいんじゃないですか?」

「あそこにいたらオトネが危険だ」

「私のためなのですますか?」

「うん。
 決めたから」

「じゃ、オトネは助けに行きます」

「え?」

「お友だちを失って泣いている貴方を見たくないから」

 オトネがそういって小屋を出る。
 そして、駆ける。
 空を。
 大地を。
 足早に駆ける。

「オトネ……」

 セロは小さくつぶやく。
 しかし返事はない。
 そこにはセロ以外誰もいないから……


 ――枚方市商店街

「さて……どうしてくれようか?
 ガキ」

 そこにはベルゼブブの部下がなんにんか集まって百道を囲っていた。

「クソが」

 百道は舌打ちをした。

「誰がクソだ?」

 ベルゼブブの部下が百道の身体をけとばす。

「ヒーロー目指しているのか?その程度の強さで?」

 ベルゼブブの部下たちが笑う。

「なれるかよ!お前みたいな半端モンが!」

 ベルゼブブの部下がそういって百道の身体を蹴飛ばそうとした。
 しかし、そこに足はない。

「なれるよ」

 セロがそういって現れる。

「なんだ、戻ってきたのかよ」

 百道が目に涙を浮かべる。

「うん」

「セロか?お前程度の力で俺らに勝てるとでも?」

「勝つよ。
 だって百道はヒーローだから」

「え?」

 百道が驚く。
 それと同時に傷が回復しており。
 力が湧いてくる気がした。

「ヒーローってさ。
 ピンチのときには、強力な助っ人が現れるだろう?」

「ああん?」

 ベルゼブブの部下がセロを睨む。

「全くアンタって人は」

 百道がベルゼブブの部下を殴った。

「それで傷つくたびに強くなれる……
 そうだろ?」

 セロが小さく笑う。

 それと同時にベルゼブブの部下が吹き飛ぶ。

「アンタ、なにものなんだ?」

 百道が尋ねる。

「俺はただの螺子師さ……
 百道の傷を螺子で締めて筋力を増加させた」

「はは。
 ほんとさすが師匠だ」

 百道がケラケラと笑う。

「んで、百道はここで何をしてたんだ?」

「女の子がベルゼブブの部下に絡まれていたから助けた」

「ヒーローだな」

 セロがそういうと百道はいった。

「まだまだ見習いだけどな」

「じゃ、この辺の護衛は百道に任せた」

「セロさんはどうするんだ?」

「ちょっとベルゼブブをぶん殴ってくる」

「そうか」

「あとモトフミも」

「ああ」

「じゃ、またあとで」

 セロはそういってその場を離れた。

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