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03

「はっはっはっは!
 今日もいい日だ!」

 アースロックは今日もご機嫌です。
 なぜならプッペに褒められたと思っているからです。
 ですが、そのご機嫌は一瞬で吹き飛びます。
 それは、トールの存在です。

 トールはプッペのご主人さまです。
 それは、メイドと主の関係なのです。

 トールはギフテッドと呼ばれる天才で、ありとあらゆる魔法を1歳のときに全てマスター。
 2歳のときに全ての流派の剣術をマスター。
 3歳のときに銃火器の扱いを全て覚え、4歳のときに親に捨てられました。
 トールが物心ついたときには、メイドである4歳年上のプッペが側にいました。
 なのでトールからしてみればプッペはメイドでもありますが、姉のような存在なのです。

 なのでプッペはトールにべったり。
 それがアースロックには気に入らないことのひとつでした。

 そんなときアースロックは酒場である噂を耳にします。

「あのトールってガキ。
 相当の悪人らしいな?」

「ん?」

 アースロックは、その酔っぱらいの言葉に耳を傾けます。

「あのガキ。
 12歳の癖に相当女を抱いているらしいぞ?
 んでもって子どももいっらしい。
 殺したやつも数え切れないほどいるらしい」

「それは本当なのか?」

 アースロックが、そう尋ねると酔っ払いが言います。

「ああ。
 俺の弟分が大怪我をさせられた。
 確かな情報だぜ?」

 それを聞いたアースロックは小さくうなずきました。
 それは喜びなのか。
 悲しみなのか。
 それは、わかりません。

 そして次々とあがる声。

「トールを討伐するぞ!」

 酔っ払いがそういうとみんな声を揃えて怒号をあげます。

「トールを倒せ!トールを殺せ!トールの財を奪え!女も奪え!
 全て俺らのもんだー!」

 そして男たちは酒を浴びるように飲みトールを討伐するために館へと向かいました。

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