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プロローグ

足元には血の池が出来ている
痛い……死にたくない……早く逃げたい

そうは思っていても 血まみれの足は動かなかった

助けを呼びたい……叫びたい……
なのに口から出てくるのは声ではなく パンクしたタイヤの空気のように漏れる息と真っ赤な血だった

「クソッ」
やっと出た声は蚊の鳴くような小さな声だった

どんどん目が閉じ意識が薄れていく

かすかに足音が聞こえる
その足音は どんどん大きくなっていく

(ついに追いついてきた……俺はここで死ぬのか)
自分の真横で足音が止まった
そしてシグマは死を覚悟した

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