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 黒い画面の上を這ういくつもの緑色のドット。
 ある4つは四角く固まっている。
 ある8つは口を開けている。
 ある3つは縦並びと横並びを1周期ごとに繰り返している。
 ある48個がまるで銀河のように渦を描いて伸縮を繰り返している。
 いくつもの点の群れが明滅する。
 画面じゅうを、いっぱいに這いずり回る。
 まるで生きているように動くそれらを、私はただ眺めるだけだ。
 それ以外にないのだ。
 パラメータに数値を入力してルールを決める。
 そうしたら、後は見ているだけ。
 ずぅっと、見ているだけ。

 ふと、窓の外に目をやる。
 真っ暗な空間を埋め尽くすいくつものドット。
 まるで死んでいるように動かないそれらを、私はただ眺めるだけだった。




 メソポタミアの都市国家ウルクの王ギルガメシュはウルク王ルガルバンダと女神リマトの間に生まれた神人であった。
 神々はギルガメシュに相対するエンキドゥを創った。エンキドゥははじめ獣のようであったが、神殿娼婦のシャムハトと出会うと人の言葉を解するようになった。
 エンキドゥはシャムハトの言葉に従い、ギルガメシュと腕比べをするためにウルクへと向かった。
-ギルガメシュ叙事詩 第一の粘土板より引用-

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