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第7話 気ままな師弟旅?


 ユリネさんから別れて、3日が経ちました。

 あれから1度も出会う事がなく。僕とエリシアは気ままな2人旅を楽しんでいます。

 最初はエリシアとの共同旅を上手くやっていけるか心配でしたが、なんか上手くいっています。

 2人で居ると残響が無いといいますか。エリシアと一緒に居ると和むんですよね。

 たまにトラブルは起こりますが――――


《ティアラの村》

「お師匠~! 森の道抜けたら村が見えてきた」

「ええ、結構大きな村ですね。あの村なら宿屋もありそうですし、久しぶりにベッドで眠れそうです」

「おぉ、お師匠と同じベッドで寝れるなんて嬉しい」

「違いますけどね」

 一緒に旅が始まってからというもの。エリシアは僕に結構甘えてきます。

 まぁ、スラム街で孤児をしていたくらいですから、僕と出会うまでに色々あったのは察しがつきます。

 心にもかなりの負担があった様ですし、王都に着いたら。僕のお師匠様に精神診療をしてもらいましょうか。

「………かなりのどかな村ですね。村の周辺を囲む柵はあれど門番も居ないなんて」

「なんか怪しいの? お師匠」

「いえ、怪しいというよりも、無用心というかですね。仮にも魔王城から、かなり近い位置にある村にしてはと思いまして……」

「思いまして?がどうかしたんですか? リースさん」

 僕の背後から声がいきなり聴こえて来たと思い、後ろを向くと1人の女性が立っていました。

 その気配に気付けなかった僕は驚き、尻餅《しりもち》をついてしまいましたよ。カッコ悪いですね。

「え?……どわぁ?! その声はナナリーさん? 何故、この村に?」
「ナナリーさん?……お師匠の知り合い? お師匠。どういう事?」

 ……エリシアが鋭い目付きで僕を睨んで来ますね。本当に鋭い目付きです。

「なんですか。エリシア、それがお師匠様である。僕に向ける目ですか?」

「私の知らない女の子が現れたら。そりゃあこんな目にもなる」

 何故、怒ってるんですかね。この可愛いお弟子さんは、全く。

「そうですか。それは失礼しましたね……それにしてもお久しぶりですね。ナナリーさん。数ヶ月振りです」

「は~い! リース君。大きくなったね。やっと私を迎えに来てくれた感じかな?」

 ナナリーさんは首元まで伸びた茶髪に、整った顔立ちの可愛いらしい方で、この村の宿屋の娘さんです。

 数ヶ月前にナーガの討伐でこの村に滞在した時に数日間。宿に泊まってお世話になったんでしたっけ。

「……リース君?!私を迎えに来てくれた?! お師匠。や浮気は張り倒す。お覚悟」

「だから、なんでそうなるんですか。全くもう……エリシアは血の気が多くて困りますね」

「ガルルル!」

 イヤルガルみたいな威嚇をされても困るんですけどね。

「この娘……リース君の娘さん?」

「違います! この娘は僕の弟子です」
「違う! 私はお師匠の弟子のエリシア」

「アハハ! ハモってるなんて面白い~! そうなんだ。師弟関係なんだ! エリシアちゃんかぁ。それにしても。こんな可愛いエルフの女の子がリース君が弟子か~! 面白いね」

 これは完全にナナリーさんにからかわれてますね。凄く楽しそうに笑われてます。

「お師匠が小馬鹿にされてる! 全く! お師匠は女の子の趣味が悪い。だからユリネみたいな女の子に誘惑されてピンチになったり」

 この弟子。ナナリーさんの前でまたなんて事を言うんですかね。話をややこしくしてほしくないんですけど。

「ユリネみたいな女の子?……ユリネって誰の事ですか? リース君」

 そして、今度はなんでナナリーさんまで怒り始めているんですか。なんですかこの状況は、全く……

「……ユリネさんは昔の友人だった方です。今は違いますけどね」

「友人? そうなんだ~! じゃあ、そのお話、家の宿屋で詳しく教えてもらおうかな……なんでエルフの女の子と一緒に居るのも含めてね」

 ナナリーさんの顔が怖い、これは断ったら駄目なやつですね。

 仕方ありません。ここは素直にナナリーさんの言うことを聞くとしましょう。


《一方 その頃 村の近くでは》

「ここはどこかしら?……リースは今、どこに居るの?」

 シェリルは村の近くの森で遭難していた。

 

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