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 今日はなぜか、中々眠れない。俺は布団の中で悶々とする。

 一人になると、頭の中で今日あった出来事と過去あった出来事が連鎖的に化学反応を起こす。

 俺はその思考プロセスをたどるのが好きだ。


 ――遅刻は殺人と同格の罪だ。


 不意にそんな言葉が頭に浮かぶ。

 どこで聞いた言葉だったろうか。確か、何かのビジネス本で読んだ言葉である。

 その心は、遅刻は相手の時間を奪う行為なのだから、寿命を奪うに等しい行為だということだったはずだ。

 俺はいつも相手に気を使う。でも一人の時は、当然ながら誰にも気を使わない。

 なので、その落差が激しい。自己中心的になれるのはいつだって一人のときだ。

 他人はたいてい自分よりも自己中心的だ。

 俺は人といるときいつも振り回されていてばかりだ。つまりは、俺は他人といるとき寿命奪われ続けている。


 ――絶対に人と関わりたくないと思う理由は、そこにある。


 サラリーマンなどその最たるものだ。

 会社都合で会社に振り回され、会社に寿命を奪われ続けられたという実感しかない。

 会社が忙しすぎて家族の側にいられる時間が減ったり、大切な人の大切なイベントに出席できなかったりもした。

 「会社のため」という、よくわからない理由で誤魔化して、自分にとって一番大切なものを失ってから気がついた。

 そして時間はもう巻き戻らない。取り返すことなどできない。


 でもマルゴ、ジュノ、サラサ、エルザはまた別だ。

 互いに振り回したりはしない。実際は振り回されているのかもしれないが、そういった感覚はない。

 ビジネスの関係があるのかもしれないが、俺の場合言ってしまえば、『手芸品をつくったら、たまたま買ってくれた』という程度の感覚でしかない。

 なので、俺の時間は彼らに奪われてなどいない。

 ユリナさんのことを、俺はどう考えているのだろうか? 

 今のところ、少しも振り回されているという感覚はない。人の気持ちを汲んでくれる、本当に優しい人だと思う。


 ――そうか。


 俺はハタと気づく。

 寿命を奪われるんじゃない。

 寿命をお互いに奪い合い、寿命を共有するという感覚をもてる相手こそが、運命の存在なのだ。


 一匹狼を気取っていた自分から、「運命の存在」などというロマンチックな単語が飛び出したことに、俺は思わず苦笑せざるをえなかった。

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