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第2章22話 閉幕 スラム街のその後

中央部の大臣の策略によりスラム街の人と戦うことになった悠。だが、抜群の戦闘センスと膨大な戦闘経験を持つ悠にスラム街の人がかなうはずもなくその戦いは悠の圧倒で進んでいた。

 富豪:
 「どうした!もっと頑張らんか。こっちはお前らに賭けてるんだぞ。」

 富豪:
 「早く攻撃をあてんか!」

会場にいた富豪たちは攻撃を当てられないスラム街の人たちにブーイングや罵声を浴びせた。

 スラム街住人:
 「わかってるよ。くそっなんで当たんねぇんだ。」

 スラム街住人:
 「まるで俺たちの動きがわかるように避けやがる。」

悠はこの戦いで一切攻撃をしていない。相手の攻撃を全て避けてたまに合気を使って相手を転ばす。これを続けていた。

 悠:
 「まだするの?もう分ったでしょう俺には勝てないよ。」

 スラム街住人:
 「うるせぇ!俺等には金が必要なんだよ。だからお前を倒すんだよ。」

 悠:
 「金が必要だから都心部の人にも迷惑かけていいと。」

 スラム街住人:
 「黙れ!政府が何もしないのがいけないんだ。師団のやつらもだわかってるくせに手を差し伸べようともしない。こうしないと生きていけないんだよ。」

 悠:
 「何もしないって師団は何もできないんだよ。」

 スラム街住人:
 「は?どういうことだ。」

 悠:
 「俺ら師団は政治的関与は禁止されている。口出しもな。だから勝手な支援もできないんだ支援には申請を通す必要がある。これは全師団共通。」

 悠:
 「お前らに支援が行き届いてないのは政府が申請を許可してないからだろうな。」

 スラム街住人:
 「そんな、でも金は必要なんだ。」

 悠:
 「じゃあ李と林杏の所で働いてみたら?師団はどこも人手不足だしな。」

スラム街の住人たちは悠の突然の提案に驚きを隠せなかった。

 悠:
 「お前らがまっとうに働きたいなら李たちもいいって言ってたしな。まあまずは迷惑かけたところに謝るところからだけどな。」

 スラム街住人:
 「いいのか、俺らみたいなやつが働いても。」

 悠:
 「何言ってんだ誰がどこで働くかを文句言うやつがいるかよ。戦闘員がいいなら訓練もしてくれると思うし。」

 スラム街住人:
 「お願いします。雑用でも何でもします俺たちを雇ってください。」

 悠:
 「李、これでいいか?」

 李:
 「あぁ、ありがとうナ。」

観覧席で見ていた李がバトルスペースに降りてきた。

 李:
 「お前たちガその気ナラもちろん雇うヨ。だガ、さっき悠ガ言ったよう二まずハ都心部の皆様二謝罪からダ。いいな。」

 スラム街住人:
 「もちろんです。」

これでこの件は一件落着したと思ったら富豪たちが

 富豪:
 「何良い話みたいに終わらせてるんだ。お前たちろくでなしの存在意義は戦って俺たちを楽しませることだけだ。まっとうに生きるなんて無理な話なんだよ。」

と次々と怒号を飛ばし、スラム街の人たちを罵った。その怒号に続くように上から見ていた大臣が

 大臣:
 「何をしている戦え、金が欲しくないのか。」

 悠:
 「もう戦う意思がないらしいので戦わなくてもいいでしょう。それに、こんな暴挙に出た大臣さんとは少しお話しする必要があるようなのでこの戦いは閉幕です。」

 悠:
 「林杏、会場にいる人たちを安全に家まで送ってあげて。」

 林杏:
 「わかりました。」

悠が不満が残る会場にいる人たちを無理やり帰らせて、大臣の官邸へ向かった。

 悠:
 「さて、大臣さん。なぜこのような暴挙に出たのかお聞かせ願えますか?」

 大臣:
 「そんなの貴様が気に入らないからに決まっているだろ。貴様のようなガキが師団員の頂点に立っているなど師団の信用にもかかわる。どんな手を使って総司令に気に入られたかは知らないがそこはお前のような奴がいる場所じゃない。」

 悠:
 「自分に文句があるのはいいのですが、市民の皆様を巻き込まないでください。今回の市民の皆様の被害は相当です。」

 大臣:
 「それはスラム街のやつらが勝手にやったことだ。私は関係ない。」

 林杏:
 「そんなわけないでしょう。スラム街の人たちがここ都心部に降りてきたらこうなることは長年中央部に住んでいるあなたならわかりきっているでしょう。」

 李:
 「そこまでしテ悠ヲ退けたかっタのカ。」

李は呆れて思わずため息が出た。

 李:
 「悠すまない。後ハ俺に任せてクレ。上ト掛け合ってこいつノ処罰ヲ決める。」

 悠:
 「わかったよ。じゃあお願いな。」

悠たちはそのあとのことを李たちに任せて東部に帰還した。そして悠は、数日後の林杏から大臣の処罰とスラム街の人たちについて報告を受けた。

 林杏:
 「あの大臣は市民の被害額の支払いと地方への左遷、降格が決定しました。」

 悠:
 「左遷になったのか。被害額ってかなりあるだろう。」

 林杏:
 「はい、ざっと1000万程度です。流石に全額一度には無理だったので左遷先の給料から天引きで支払われる予定です。」

 悠:
 「そうか、スラム街の人がどうなった?」

 林杏:
 「スラム街の人はまずは迷惑をかけた分として2年間の社会奉仕活動をしています。その間の身柄は第7と第8が預かっています。」

 悠:
 「わかった報告ありがとう。千代さんには俺から報告しておくよ。また何かあったら言ってくれ。」

 林杏:
 「はい、ご迷惑おかけしました。失礼します。」

そして悠は総司令のもとへ報告に向かった。

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