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第2章1話 南部に到着 驚くべき光景

スタークたちが守護する南部から悠宛てに応援要請が届いた。

 悠:
 「第3と第4ってスタークとソフィアですよね?具体的な内容はありましたか?」

 総理:
 「いや、具体的な内容はなく、『早めに頼む。』とだけだったそうだ。」

 悠:
 「そうですか、わかりました。明日には出発します。スタークたちにはこちらから連絡します。」

 総理:
 「あぁ、頼んだ。」

悠は総理官邸を後にし、第1の基地へと帰っていった。

 彩音:
 「師団長、お帰りなさい。」

彩音が悠を出迎えた。

 悠:
 「あぁ、ただいま。早速で悪いが寧々に通信をつないで涼介兄がいるか聞いてくれないか。」

 彩音:
 「わかりました。」

彩音は第2にいる寧々に通信を繋いだ。

 寧々:
 「はい、こちら第2師団綾辻です。」

 彩音:
 「寧々、私彩音よ。氷室師団長はいるかしら。」

 寧々:
 「あら、彩音。師団長ならいるわよ、急用?」

悠は彩音と通信をかわり

 悠:
 「寧々、俺だ。出来れば急ぎで頼む。」

 寧々:
 「!悠師団長。はいわかりました。少々お待ちください。」

通信を一度切り、寧々は氷室を呼びに行った。

 彩音:
 「総理官邸で何かあったのですか?」

彩音が悠に質問した。

 悠:
 「あぁ、ちょっとな。そのことを話したくてな。彩音も聞いててくれ。」

 彩音:
 「わかりました。」

しばらくすると、第2から通信がかかってきた。

 氷室:
 「悪いな悠、トレーニング後でシャワー浴びてて遅くなった。」

 寧々:
 「マイペースですみません。」

寧々が氷室の後ろから申し訳なさそうに誤ってきた。

 悠:
 「大丈夫、こっちも急だったし。早速本題なんだけど。今日、総理のところに行ってきたんだけど。」

 氷室:
 「あぁ、梅谷さんのところか。」

 悠:
 「そう、そこで聞いたんだけど俺宛にスタークのところから応援要請があった。」

 氷室:
 「!スタークのところから ?またなんで?」

氷室は驚いた様子で聞き返した。

 悠:
 「わからない。具体的な内容がなくてとにかく早めにってことだった。だから少しの間涼介兄に東部を任せたい。」

 氷室:
 「それはいいが、1人でいくのか?」

 悠:
 「いや、彩音も連れていくつもりだ。本当は新田隊の連れていくつもりだったけど艮の件からおいていくことにしたよ。こき使ってやってくれ。」

 氷室:
 「わかった。東部は任せな。」

 悠:
 「ありがとう、お願いね。」

 彩音:
 「南部で何があったんでしょうね?」

 悠:
 「わからないけど、俺を指名するほどだからよっぽどのことだろう。」

 悠:
 「今基地にいる団員を集めてくれ、情報を共有したい。」

 彩音:
 「わかりました。出動している新田隊と他の隊の帰りは待ちますか?」

 悠:
 「あぁ、待とう。帰ってきたら第1訓練場に集まるように言ってくれ。」

 彩音:
 「承知しました。」

それから1時間後、魔物討伐やパトロールに行っていた団員が帰還して訓練場に集まった。

 悠:
 「みんな、疲れている中集まってくれてありがとう。少し話したいことがあるから聞いてくれ。」

 悠:
 「明日から急遽、俺と彩音は応援要請があって南部に行くことになった。少しの間、東部を頼むぞ。」

 新田:
 「師団長我々は行かなくていいのですか?応援要請ってことはかなりの強敵の出現が予想されますが。」

 悠:
 「具体的な内容がなくてな、敵の襲来かはわからないんだ。それに、艮の襲撃から大人数いなくなるは避けたくてな。お前たちなら任せられるからな。」

 新田:
 「わかりました、お任せください。必ず守り切って見せます。」

 悠:
 「あぁ、頼んだ。みんなも荒太を中心に殲滅、防衛に励んでくれ。以上。」

団員たちが解散していく中、新田隊のみんなが悠に駆け寄ってきた。  

 新田:
 「師団長、今お時間いいですか?」

 悠:
 「みんなしてどうした?」

 新田:
 「南部へ出発する前に稽古つけてくれませんか。」

 新田:
 「師団長が艮という魔物との戦闘映像を拝見しました。正直自分では適うかわかりません。師団長にここを任されたにはもっと強くありたいのです。」

新田隊のみんなは悠をまっすぐ見つめて語った。

 悠:
 「彩音、先に戻っていてくれ日程の詳細は後で伝える。一応、スタークに通信が繋がるか試しておいてくれ。」

 彩音::
 「かしこまりました。」

 悠:
 「10分後に開始だ。準備して第3訓練場に来い。」

 新田:
 「はい!」

10分後ー-

 悠:
 「みんな集まったな。ルールは5人ずつの制限時間15分。勝敗は俺がさばききるか俺に一撃加えるかでいいか?」

 新田:
 「はい、それでお願いします。」

そして、稽古が始まり、夜遅くまで続いた。

 悠:
 「大丈夫か?」

 新田:
 「はい大丈夫です。ありがとうございました。」

稽古が終わるころには新田隊のみんなはかなり疲弊していた。

 悠:
 「動きはだいぶ良くなっていたし、チームワークも流石の一言だな。前線で経験を積んだだけはある。」

 悠:
 「強くなってて嬉しかったぞ。」

悠はそういうと、笑みをこぼした。

 新田:
 「ありがとうございます。」

 悠:
 「俺は明日の準備があるから戻るな。今の訓練映像を見て復習しとけよ。お疲れ。」

 新田隊:
 「お疲れさまでした。」

悠はそのまま彩音のもとへと向かった。

 悠:
 「すまない、待たせたな。」

 彩音:
 「いえ、大丈夫です。一応、南部に通信をつなげようとしたのですが繋がりませんでした。」

 悠:
 「やっぱりか、しょうがない応援要請を寄こすくらいだ。手が回らないんだろう。」

 彩音:
 「向こうでも、三王の眷属が現れたのでしょうか?」

 悠:
 「それはないと思う。」

彩音の予想を悠はきっぱりと否定した。

 悠:
 「そこまでの強敵が現れたのならわざわざ総理官邸に応援要請を寄こさないし、時間指定も今日中にするだろうからな。」

 彩音:
 「なるほど。」

 悠:
 「出発だが、朝一の飛行機で出発する。大丈夫か?」

 彩音:
 「はい、準備は済んでいます。」

 悠:
 「よし、向こうに着いたらとりあえず、第3師団の基地へと向かう。そこで話が聞けるだろう。」

 悠:
 「質問はあるか?」

 彩音:
 「いえ、ありません。」

 悠:
 「じゃあ、その予定で。お休み。」

 彩音:
 「はい、お休みなさい。」

翌朝ー-

悠と彩音は飛行機に乗り、南部へと向かった。

約2時間のフライト後、車で南部の第3師団の基地がある地域に着いた。そこには多くの人だかりができていた。

 悠:
 「なんだ?」

 彩音:
 「何かのデモ活動のようですが。」

デモ活動をしている人の手にあるボードを見ると『子供の師団長反対』、『すぐにやめろ』の文字が書かれていた。

しおり