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魔法使い、救済、お店

「だ、誰……?」
「驚かせてしまいましたね。私はクリーナ=アリシア。魔法使いです。あなたがアリッサ=アーネストであっていますか?」
「え? どうして私の名前を知っているの?」
「詳しいことをここで話したら寒いでしょう。だから今からあったかいところに連れて行きますよ」

 魔法使い。
 それは「魔法」という奇跡のようなものを扱う存在のことです。
 魔法使いはあまり人前に出ることが少ない上に、魔法使いだけで「魔法世界」という独自の国家を作っているので一般人の前に現れることは滅多にないんだとか。
 どうしてこんなことを知っているかというと、私が数少ない時間を使って図書館に通い詰めていたからです。

「魔法……使い? どうしてあなたのような魔法使いがここに?」
「詳しい話をここで話すには寒すぎます。暖かいところに連れて行きますから、私の手を取ってください」

 そういってアリシアは片手を私にむけて差し出します。
 怪しい人にも見えなくはありませんが、おそらく彼女は魔法使いで間違い無いでしょう。
 私がアリシアの手を取ると、あたりの景色が目まぐるしく変わっていきました。

 ◇

 私は目まぐるしく変わる景色に恐怖を感じて目を閉じていました。
 しかししばらくして、アリシアが優しく声をかけてきました。
 
「もうつきましたよ、目を開けなさい」

 そう言われ、おそるおそる目を開けます。
 その時目に入った景色はこれまでいた住宅街とは違い、ちょっとした商店街のようなところでした。

「アリシア……さんでいいですか?」
「いいえ、『アリシア先生』と呼んでください」
「はい、アリシア先生……それと、ここはどこですか?」
「ここは『カエデメイア』というお店兼宿泊施設です。詳しいことを話す前に、寒いので入りましょう」

 そういうとアリシア先生は私の反応をまたずに目の前の店……カエデメイアに入っていってしまいました。

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