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43 大団円ですよね?

 それから三日ほど予定を延期した私たちは、お世話になった皆さんにお別れを告げて馬に跨りました。
 一緒に乗りたがるルイス様を宥めて、それぞれの馬でゆっくりと進みます。
 途中何度も休憩したので、結局タウンハウスに帰ったのは一週間後でした。

「ルシアちゃん!お帰りなさい!」

 お義母様が駆け寄って迎えてくれました。
 アレンさんもランディさんもノベックさんもいます。
 もちろんジュリアもリリさんもマリーさんもみんな揃っています。

「ただいま帰りました。長い間すみませんでした」

「青春は満喫できたかい?」

 お義父様がいつものように頭を撫でながら言いました。

「はい!とても楽しかったです」

 エルランドのタウンハウスを見上げて改めて帰ってきたという実感が湧きました。
 ジュリアがそっと言いました。

「姉さんも義兄さんも良い顔になったね」

「ありがとうジュリア。あなたもね?」

ジュリアが真っ赤になっています。
疑惑は確信に変わりました。
私は寛大な姉なので、それ以上は勘弁してやりました。

「奥様、ミッションは最終段階となりました。来週早々にニューアリジゴク開店でございます」

「はやっ!」

「気合を入れて一か月で結果を出してしまいましょう。ニューアリジゴクは宿泊施設も備えておりますので、宿泊料でもぼったくれますから。プロの男娼も準備しましたので相当いけますよ」

「えげつないですね」

「ええ、早く結婚式を挙げたいでしょ?」

「よろしくお願いします」

「お任せください。ああ、それとナンバーワンは初日にチラッと顔を見せるだけで、後は熱の方に買い占められているという設定にします。その方が値段も上がりますからね。もちろん買い占めるのはルシア様ですからね」

「そんなにお金無いですよ」

「一生かけて払ってください」

そんな会話をしていたら、黙って聞いていたルイス様に後ろから抱きしめられました。

「お買い上げありがとうございます。人生をかけて幸せにします」

 皆さんが大笑いをしながら拍手をしてくださいました。
 その後、約一か月で予定通り破産してくれたサウザンドの女王はイーリスと一緒にめでたく辺境の地に去って行きました。
 
 ミニアの女王は自分が幽閉した次女と同じ塔に入れられたそうです。
 ハブとマングース状態になるのでしょうか?

 ノースの女王は王配と共に寝たきりですが、皇太子が王位を継承した同日に我が国の属国になる宣言をされました。
 これでノースの子供たちに手が差し伸べられます。
 
 サウザンド国もミニア国も後継者を立てて国としての形は残しますが、王制は廃止して後継者は『象徴』という存在になります。
 我が国は予定通り王制を継続しますが、三つの国を従えたので帝国という形になりました。
 笑えますが、その頂点はあの王配です。 
 まさに裸の王様です。ぷぷぷ!

 いろいろありましたが、傾国級の美人を旦那様にした私の一人勝ちです。

 めでたしめでたし。
  














本編は完結しました

これにて本編は完結です。
後はそれぞれのお話しをぽちぽちと書いていきます。
ニューアリジゴクの様子なども載せていきますので、今後もよろしくお願いいたします。

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