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164. 敵に塩を送る

 164. 敵に塩を送る



「そう言えば先輩?冬花先輩と千春ちゃんはお泊まり旅行に来るんですか?」

「は?お前が誘うんじゃないのかよ?」

「誘いませんよ?」

「オレが誘うのか?」

「だって、私が誘ったら2人とも来ないですよ?もう!そのくらいわかって下さいよ先輩!女心が分からないんだから!また『ラブ☆メモリーズ』やりますか?」

「いや、あの地獄のゲームは二度とやらんからな。」

 確かに夏帆が誘ったら2人とも遠慮してこないか。別にオレは夏帆と2人きりでもいいんだが……別に期待している訳じゃないからな。でも、せっかくだしみんなで遊べるならその方が楽しいよな。

 でも、黒崎はなんかあの件以来学校でもよそよそしいし、千春は夏帆のこと嫌いなのでは?と思ってしまうしなぁ……。あっ。そう言えば明後日は千春の誕生日だ。忘れてた……。

「今、思い出したんだが、明後日は千春の誕生日だ。すっかり忘れてた」

「ならちょうどいいじゃないですか。いとこ同士お出掛けして千春ちゃんを誘ってください。あっそれなら冬花先輩は明日誘わないとですね!」

「お前……オレが他の女の子といるの嫌じゃないのか?いつも騒いでるが?」

「ちっちっち。私ももう大人ですからね。勝ち戦はつまらないです。私は敵に塩を送るくらいの寛大な心を持ってるんですよ!もちろん先輩のこと信じてますし、浮気したら許さないので!」

 勝ち戦とは一体何の話なのか分からんが、こいつはたまに意味深なこと言うんだよな。まあそういうところも含めて好きなのは事実なんだが。

「先輩の腕の見せ所ですね!」

「なんだよそれ。まあ頑張るけどさ……」

 こうして、オレは明日からの週末で黒崎と千春を誘うことになった。

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