102. 見張ればいい
102. 見張ればいい
今日は終業式。やっと冬休みに入る。みんなそれぞれ冬休みの過ごし方について話しているけど、オレには予定なんてない。そんな時、黒崎が話しかけてくる。
「ねぇ神原君?夏帆ちゃんとのクリスマスパーティーは楽しかったみたいね?」
「は?」
なんでそんなことを聞くんだよこいつ。しかも夏帆ちゃんとかいつの間にこんなに仲良くなったんだよ?
……ん?待てよ、夏帆のやつ、まさか黒崎にクリスマスの話しとかしてねぇだろうな!?
「なんでそんなことを聞くんだよ?」
「だってクリスマスの次の日に私のところに電話がかかってきたわよ?しかもなかなか長電話だったわ?」
「そっか……なんか悪かったな」
「別にいいわよ。私も楽しめたから。それにしても……あなたたち2人って……その……付き合ってるのね?」
「何言ってんだお前?」
「いや……何でもないわ!?これからもちゃんとするのよ神原君!」
そう言って微笑むと、教室から出て行った。くっそぉ……なんだあの笑顔……。でもこれでわかったぞ。夏帆のやつ……。
オレは部屋に帰り、夏帆が来るのを待つ。しばらくすると夏帆がいつものようにやってくる。
「あれ早いですね先輩?」
「おい夏帆!お前、黒崎にクリスマスの出来事を話しただろ!?」
「え?話しましたけどダメでしたか?別に先輩としたあつーいキスとかの話しはしてませんよ?さすがに私もそこまでバカじゃないですって!」
いやお前だから心配なんだが……テンション上がりすぎて色々喋りまくったんじゃねぇのか?
「というか。別に私と先輩は付き合ってるんだし、良くないですか?どうせ周りもそう思ってますよ?」
「自分から言うのは違うだろうよ!」
「じゃあ私が言わないように見張っていてくださいよ?それなら心配ないですよね?」
「なんだよ見張るって?」
「だから、いっそのこと私と先輩が一緒に住んじゃえばいいですよね?」
なんでそんな考えになるんだこいつは?それだと今のオレの精神が持たないんだが……?
「とにかく!もうクリスマスにあったことはもう話すな!」
「わかりましたよ〜もう照れ屋さんなんだから!」
本当にわかってんのかこいつ?はぁ……まぁとりあえず、オレは夏帆を信じるしかないのだった。