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42. 気になりすぎて

 42. 気になりすぎて



 今日から8月。とりあえず白石の誕生日も無事祝えたかは分からないが白石が喜んでくれたから良しとするか。

「ねぇねぇ先輩!このマグカップ見てくださいよ!そしてこのマグカップで飲むオレンジジュースは最高ですよね!そう思いませんか!?」

「お前喜びすぎだぞ?」

「だって~彼氏からの初プレゼントなんですよぉ~そりゃ喜びますってぇ!」

「だからオレは彼氏じゃねぇだろ!まぁでも、確かに喜んでくれたことは嬉しいけどよ」

「えへへっ……ありがとうございます先輩!」

 白石の笑顔を見て思わずドキッとする。そんな顔で微笑むなんて卑怯すぎる。その顔は反則だろう。

 最近、白石が気になりすぎて仕方がない……。こいつこんなに可愛かったっけ?

「どうしたんですか?私の顔をじっと見つめて……可愛いから見つめてたんですか?」

「うるせぇ!いいから夏休みの宿題やるぞ!」

「もう、先輩ったら素直じゃないんだからぁ~!」

 やっぱりさっきのは撤回する。こいつはウザいだけだ。うん。

「そういえば先輩は誕生日10月でしたよね?」

「ああ。10月7日だな。」

「そしたらプレゼントは私でいいですよね?先輩は?」

「言いわけねぇだろ!なんでお前を貰わないといけないんだよ!」

「えぇーっ本当に?私じゃなくていいんですかぁ?んん?」

 うぜぇ。まったく……相変わらず人をイラつかせる天才だなこいつ。

「まぁ冗談はこのくらいにしておいて、先輩の誕生日は、私が今までで一番幸せな誕生日にしてあげますからね!」

「はいはい。期待しないで待ってるよ」

 オレは適当にあしらうように返事をする。今年一番幸せな誕生日になる。ほんの少しだけ期待するオレもいるのだった。

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