27. もう既に放課後デート中
27. もう既に放課後デート中
今日も変わらず、学校が終わって真っ直ぐ家に帰ってくる。端からみれば模範生徒だろオレは。まぁ白石もいるんだがな。
「ねぇ先輩。私やってみたいことあるんですけど?」
「なんだよやってみたいことって?」
「いつも真っ直ぐ家に帰ってくるじゃないですか?一度放課後デートしたいなって!先輩やりましょうよぉ~!放課後デート!」
「絶対に嫌だよ。誰かに見られでもしたらオレは学校にいけなくなるぞ?オレの人生終わりにするつもりかお前は」
「そんな大袈裟な……もしかして先輩って私と付き合ってるの恥ずかしいと思ってるんですか?」
「付き合ってねぇからな?恥ずかしいに決まってるだろ、白石と一緒にいるところを誰かに見られたら。」
白石は可愛いとは思う。だからこそオレなんかが一緒なのが恥ずかしいんだよ。周りからの目線だって気になるし。というかそもそも付き合ってねぇし。
「えぇ!?なんでですかぁー!いいじゃないですか!別に誰もいない公園とかでお喋りして帰るだけですよ!」
「それもう完全に放課後デートじゃねーか……というかおしゃべりとか、それはいつもこの部屋で行われてるだろ?」
「そっか。それもそうですね。それなら既に放課後デートをしてるなら私たち付き合ってますね!」
「だから付き合ってねぇって言ってんだろ!いい加減その妄想やめろよ!」
ほんとこいつは……あぁ……疲れた。何でこうも毎日のように振り回されないといけないのか。でも、こういう日常にも慣れてしまったオレがいるのだった。