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第16話 総理の説得に挑戦!

「総理の大切な友人が亡くなった?
 誰が亡くなったんですか?」
俺は尋ねた。

「ウソア財務大臣です」
ダーキシ官房長官は答えた。

「えっ!?」

ウソア財務大臣が死んだ…!?
スーパーインフルエンザで…!
マジかよ……

2月1日に国会でやった会議中に漫画を読んでいたウソア大臣の姿が思い浮かんできた。あの強そうな元冒険者のウソア大臣がスーパーインフルエンザにやられてしまうとは。改めてスーパーインフルエンザの恐ろしさを再認識させられた。

「寝ている間に
 発症、重症化してしまったんです。
 目覚めた時には手遅れでした」

ダーキシ官房長官は悲しそうに言った。

なんてことだ……
最悪のタイミングだ…
親友のウソア大臣が死んで
ベア総理の機嫌が悪い時に来てしまうとは…
そんな状態の総理を説得できるだろうか?
……どうする? 日を改めるか?
……いやダメだ!
1日放置するだけで
感染者が数万人も増えてしまう!
明日になればベア総理の機嫌が良くなるという
保証もない!
今日決着をつけるんだ!

「ダーキシ官房長官、
 ベア総理に会わせてください。
 今すぐ総理に動いてもらわないと、
 首都トキョウは滅んでしまうんです」

「首都トキョウが滅ぶ!?
 どういう事ですか!?」

「首都トキョウにはスーパースプレッダーが
 100人もいるんです。大変危険な状態です」

「スーパースプレッダーとは?」

「普通の感染者の数百倍もの数の
 スーパーインフルエンザをまき散らす
 特別な感染者のことです」

「数百倍!? そんな危険な存在が
 この街に100人もいるんですか!?」

「そうです。
 その危険な存在をベア総理のスキルで
 隔離しなければいけません」

「シュージさんはベア総理の
 印象操作のことを知ってたんですか!?」

ダーキシ官房長官は失言した。

「印象操作?
 それがベア総理のスキルの名前ですか?」

「あっ……」

ダーキシ官房長官は失言した事に気づいて動揺の色を見せた。これは仲間を得るチャンスだと思った。

「ダーキシ官房長官、
 俺と一緒にベア総理を説得してください。
 印象操作を使ってスーパースプレッダーを
 止めないと、
 首都トキョウはスパフルの町のような
 死の町になってしまいます。
 もう首都トキョウを救えるのは
 ベア総理だけです。
 ベア総理を説得するには
 あなたの助けが必要です。
 一緒に来てください」

「……」

ダーキシ官房長官は思案している様子だ。
もうひと押し必要なのか。

「ダーキシ官房長官! お願いします!」

俺はそう言って、深く頭を下げた。

「……私の言葉など…
 総理には届かないと思いますが…
 わかりました。一緒に行きましょう」

ダーキシ官房長官が仲間になった。




首相官邸の中はメチャクチャだった。壁には穴があき、床は陥没し、家具はひっくり返っていて、じゅうたんやカーテンなどあらゆる布がビリビリに破かれていた。親友のウソア大臣を失ったベア総理が昨夜暴れたためらしい。熊の獣人であるベア総理のパワーを再確認して、俺は恐怖に震えた。
40畳はあろうかという広いリビングの真ん中で、ベア総理は床に寝っ転がって眠っていた。総理の周りにはソファーやテーブルや棚や本、食器、その他いろいろな物が散乱していた。ここが昨夜最後に暴れた場所だろうか。ダーキシ官房長官は総理のそばまで歩いていった。俺は総理から5mほど離れた場所で立ち止まった。近づきすぎるのは危険と判断したためだ。

「総理、起きてください、総理」

ダーキシ官房長官はベア総理の体を揺すった。

「ん……んが…あ……ダーキシ…」

ベア総理は目を覚ました。
そしてゆっくり体を起こして、目をこすり始めた。

「総理、あちらにいるシュージさんが
 総理にお話があ

「あー!! ウソア! ウソアー!!」

突然ベア総理が叫んだ。
俺は驚いて1歩後ろに下がった。

「ウソア! ウソア! ウソアー!!
 ウソアが死んだ!
 スーパーインフルエンザ!
 スーパーインフルエンザのせいで!」

ベア総理は立ち上がって叫び、地団駄を踏んだ!
石の床が陥没した。

「総理、落ち着いてください」

ダーキシ官房長官は必死にベア総理をなだめようとしている。

「ダーキシ! ウソアが死んだ!
 スーパーインフルエンザのせいで!」

「知ってます。
 総理、あちらのシュージさ

「ダーキシ!
 スーパーインフルエンザを全滅させろ!
 今すぐだ! 早くしろ!」

「私には無理です。あちらのシュー

「じゃあ誰ならできるんだ!
 スーパーインフルエンザを
 全滅させられるんだ!?
 そうだ! ラムーニだ!
 ラムーニならできる!
 ダーキシ! ラムーニはどこだ!?」

「ラムーニ大臣は投獄されました。
 総理の命令です」

「そうだ!
 オレがラムーニを牢屋にぶちこんだんだ!
 あの役立たず!
 何がスーパーインフルエンザ担当大臣だ!
 あいつのせいでウソアは死んだんだ!
 ウソア! ウソアー!!」

ベア総理はソファーを蹴り飛ばした!
ソファーは壁にぶつかり天井にぶつかり、床に落ちた。

「そうだ!
 チカだ! チカならできる!
 ダーキシ! チカはどこだ!?」

「チカ厚生労働大臣は
 キャバ嬢のメロンちゃんと田舎に逃げました」

「なんだと!? あの野郎!
 オレのメロンちゃんを!
 オレのメロンちゃんをぉぉおおお!」

ベア総理は部屋の壁を殴り始めた!
壁に次々と穴があいていった。

話ができる状態じゃない!
やはり今日はダメなのか?
日を改めるべきなのか…?

「そうだ! ミオマカだ!
 ミオマカならなんとかしてくれる!
 ミオマカは首都トキョウで
 ナンバーワンの医者だからな!
 ダーキシ! ミオマカはどこだ!?」

「ミオマカ先生は演説の報酬を受け取ると
 すぐに海外旅行へ行かれました」

「あのジジイ! あのジジイ!
 金返せ! 金返せ!
 オレの金だぞ! 国民の税金だぞ!」

ベア総理は床に散乱している本を1冊ずつ食いちぎっている!
分厚い辞典も軽々とバラバラになった。

「そうだ! あいつだ!
 有識者ボルシンクだ!
 あいつならスーパーインフルエンザを
 なんとかしてくれる!
 なんと言っても有識者だからな!
 ダーキシ!
 有識者ボルシンクをつれてこい!」

「有識者ボルシンクは長年の夢だった
 手こぎボートで世界一周の旅に出ました。
 しかし出港直後にクジラとぶつかって
 ボートは沈没。溺死しました」

「なんだそれは!?
 ずさんな計画を立てて!
 どこが有識者だ!
 ただのバカじゃないか!」

ベア総理は石のテーブルに頭突きした!
石のテーブルが2つに割れた。

「いてぇぇえ! 頭、いてぇぇえ!」

「総理、大丈夫ですか。
 頭突きはやめてください。危険です」

頭を押さえてのたうち回っているベア総理をダーキシ官房長官が心配している。さすがの熊の獣人も無敵ではないようだ。硬いもので頭を殴ればダメージを受けることがわかった。

「総理、そろそろ話を聞いてください。
 あちらのシュージさんが総理に
 お願いしたいことがあるそうです」

「誰だあいつは!? 初めて見る顔だ!」

ベア総理はやっと俺の方を見た。

「シュージさんです。
 以前国会で会ってますよ」
 
「シュージ!?
 生まれてはじめて聞く名前だ!」

どうやらベア総理は俺のことを完全に忘れているようだ。
かまわず俺は総理に話しかける。

「ベア総理、俺の話を聞いてください。
 現在首都トキョウは大変危

「身分の低い者の話など聞かん!
 オレは総理大臣だぞ!
 あー!! ウソア! あー!!」

ベア総理はその場で何度もジャンプした!
地震のように建物が揺れた。

「総理、落ち着いてください。
 シュージさんは
 あのエルナース先生の右腕です」
ダーキシ官房長官は言った。

「エルナース!
 あの風の魔法の達人エルナースか!
 本当か!?
 お前はエルナースの右腕なのか!?」
ベア総理は俺に聞いた。

「は、はい!
 俺はエルナース先生の右腕です!
 名前はシュージと言います!」

右腕なんて大げさだが…
まあいいだろう。

「なかなかの身分じゃないか!
 よし! 話を聞いてやろう! 話せ!」

やったぞ!
ついにベア総理と話し合える!
エルナース先生の名前が効いた!
先生、ダーキシ官房長官、
ありがとうございます!

「ベア総理、
 現在首都トキョウは大変危険な状態です。
 スーパースプレッダーが
 100人以上もいるんです」
俺は真剣な表情を作って言った。

「スーパースプレッダー!?
 なんだそれは!?」

「大量のスーパーインフルエンザを
 まき散らす悪い奴です。
 そんな悪い奴が100人以上も
 首都トキョウに潜んでいるんです」

あえて悪い奴と言った。
ベア総理の正義感を刺激するためだ。

「なんだと!?
 そんなとんでもない奴が
 100人以上もいるのか!?
 そんな奴らは全員捕まえて
 牢屋にぶちこんでしまえ!」

「おっしゃる通りです。
 スーパースプレッダーは全員牢屋に入れて
 隔離しなければいけません。
 それができるのは
 ベア総理、あなただけです」

「オレだけだと!? なぜだ!?」

「スーパースプレッダーは強いのです。
 エルナース先生よりも、自防隊よりも強い。
 ですがベア総理、あなたはもっと強い。
 あなたは世界の誰よりも強い偉大な人です」

「そうだ!
 オレは自防隊より強い!
 そしてオレは王族より偉い!」

「強くて偉大なベア総理なら、
 スーパースプレッダー100人を
 捕まえる事もできると思うのです」

「簡単なことだ!
 オレのスキルを使えば簡単なことだ!」

「お願いしますベア総理。
 スーパースプレッダーを
 全員捕まえてください。そして
 この世界の救世主になってください」

俺はそう言って、深く頭を下げた。

「救世主だと!?
 オレは救世主になれるのか!?」

ベア総理は大声で言った。
俺は頭を上げた。

「そうです。偉大なベア総理大臣が、
 偉大な救世主ベア総理大臣になるのです。
 偉大なベア総理の名声はさらに高まり、
 その名は永遠に輝き続けるのです」

「それは良いな! どうすればいいんだ!?
 シュージ! 話せ!」

やったぞ!
説得に成功した!
これで首都トキョウの
爆発的な感染拡大を止めることができる!

「まず俺が首都トキョウの人々を検査して、
 スーパースプレッダーを見つ

「検査はするな!!」

ベア総理が怒鳴った。

「検査はするなと言ってるだろ!
 検査をしたら首都トキョウに
 たくさん感染者がいることがバレて
 オリンピックが中止になるだろうがぁ!」

ベア総理は木製の本棚を殴りつけた!
本棚は粉々に砕けた。

しまった!
ベア総理は「検査をする」という言葉に
敏感に反応するんだった!
前の会議でもそうだった!
忘れてた!

「お、俺が魔法でスーパースプレッダーを
 見つけ出しますから、ベア総理はスキルで
 彼らを牢屋に入れてください」
俺は言い直した。

「魔法で見つけるだと!?
 それならいい!
 検査をしないならいい! やってやる!」

やったぞ!
ベア総理が引き受けてくれた!
問題の1つが解決した!
あともう1つだ!

「ベア総理、もう1つお願いがあります」

俺は真剣な表情を作り直して言った。

「なんだ! シュージ! 言ってみろ!」

「たくさんの医者が必要です。
 総理の権力で全国各地にいる医者を
 首都トキョウに集めてほしいのです」

「なぜ医者がたくさん必要なんだ!?」

「感染者の治療のためです。
 現在首都トキョウには、
 スーパーインフルエンザ感染者が
 30万人以上います。
 治療魔法が使える医者が
 圧倒的に不足しています。
 ですから緊急事態宣言を出して、
 全国の医者をこの首都トキョウに集

「緊急事態宣言だと!?
 ふざけるな!!
 そんなもん出せるわけ無いだろうが!!」

ベア総理は怒鳴り散らした。
飛沫がメチャクチャ飛んできた。

「な…なぜです?
 なぜ緊急事態宣言を出せないんです?」
俺は恐る恐る聞いた。

「そんなもん出したら
 他国にジャホン国は危険な場所だと
 思われるだろうが! そしたら
 他国のアスリートが来なくなって
 オリンピックが中止になるだろうが!
 そんな事もわからんのか! バカが!」

ベア総理は床を何度も踏みつけた!
床に次々とヒビが入っていった。

「でもベア総理! 医者が必要なんです!
 本当に今首都トキョウは緊急事態なんです!
 ですから緊急事態宣言を出してください!」

「出さないと言ってるんだ!
 オリンピックを開催するんだ!
 オリンピックを見るんだ!
 オレはそのために総理大臣になったんだ!
 苦労して総理大臣になったんだ!
 絶対に中止になどさせるものか!
 オリンピックを見るんだ!
 オリンピックの100m走を見るんだ!
 100m走!100m走!100m走!」

ベア総理は部屋の中を走り回り始めた!
俺はだんだん腹が立ってきた。

「ベア総理!
 オリンピックは中止にしてください!
 首都トキョウの人たちの命を救うために!」

俺が大声でそう言うと、ベア総理は走るのをやめて、俺を睨みつけた。

「ふざけるな!!
 ゴミみたいな一般人を救うために
 オリンピックを中止にできるか!
 アスリートの心はどうなる!?
 アスリートの人生はどうなる!?
 4年間オリンピックの金メダルを目指して
 厳しいトレーニングを続けてきた
 アスリートの気持ちがお前にわかるのか!」

「それはわかりますが、これは命の

「わかるだと!?
 アスリートの気持ちがわかるだと!?
 ふざけるな!!
 お前みたいな女が腐ったような
 ヒョロヒョロの男に
 アスリートの気持ちがわかるものか!」

「そういう意味で言ったんじゃありません!
 とにかくベア総理、これは命の問題なんです!
 何よりも大事な人間の命がかかってるんです!
 人の命に比べたら
 オリンピックの金メダルなんて、そこらの
 石ころくらいの価値しかありません!」

「金メダルをバカにするな!
 お前金メダルをバカにするな!
 オリンピックの金メダルは最高の宝石だ!
 金メダルを目指さずダラダラ生きてる
 一般人の命こそ、そこらの石ころだ!
 そんなゴミどもを救うために
 オリンピックを中止にしてたまるか!」

「一般人はゴミじゃありません!
 アスリートも一般人も同じ人間なんです!
 同じ価値なんです!
 同じ首都トキョウの住人なんです!
 その首都トキョウの住人がこのままでは
 何十万人も死んでしまうんですよ!?
 オリンピックはもう諦めてください!」

「死ねばいいんだ!
 一般人なんてみんな死ねばいい!
 弱いから死ぬんだ!
 弱いから病気に負けるんだ!
 弱い奴が悪いんだ! ゲホッ
 自業自得だ! ダラダラ生きて
 体を強くするのをサボったからだ! ゲホッ」

「強い弱いは関係ありません!
 スーパーインフルエンザによって
 死んだアスリートもいます!」

「いない! そんなアスリートはいない!
 強い奴は死なない! ゴホッ強い奴は
 スーパーインフルエンザなんかに負けない!」 

「じゃあどうして
 ウソア大臣は死んだんですか!?
 ウソア大臣は強い人だったんでしょう!?」

「そうだ! ウソアは強かった!
 最高の冒険者だった!」

「その強いウソア大臣でも死んだんです!
 スーパーインフルエンザに負けたんです!」

「それは! ゴホッ それは! ……ゲホッ
 そうだ! ウソアは別の原因で死んだんだ!
 スーパーインフルエンザによって
 死んだのではないんだ!」

「現実逃避はやめてください!
 強い人でも死ぬんです!
 ベア総理、このままでは
 総理の好きなアスリートや冒険者も
 たくさん死んでしまいます。
 ですからオリンピックを中止にして
 緊急事態宣言を出してください」

「黙れ! ゴホッ ゲホッ
 黙れ黙れゴッ 黙れ!
 絶対に中止になどさせるか!
 緊急事態宣言など…ゴホッ 出すものか!
 ゲホッ ゲホッ ゲホッ」

様子がおかしい…
まさか…!?

絶対検査レベル1を発動した。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
名前  ベア
年齢  62
血液型 O
持病  胃炎

スーパーインフルエンザ 陽性
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ベア総理、落ち着いて聞いてください。
 総理はスーパーインフルエンザに
 感染しています」

「はあ!?」

ベア総理は寝耳に水といった表情と声を出した。

「本当ですか!? シュージさん!?」

ダーキシ官房長官が久しぶりにしゃべった。

「はい。たった今検査して確認しました」

「検査はするな!! ゴホッゴホッ」

「ベア総理、今すぐ病院に行って
 治療を受けてください。
 総理は発症しています。
 いつ重症化してもおかしくありません。
 重症化したら100%死にます。
 それがスーパーインフルエンザなんです」
俺は簡潔に説明した。

「病院になんか死んでも行くか!
 オレは強い男だ!
 感染したとしても死なない! ゲホッ
 重症化してもゴホッ死なないんだ!
 死なない! ゲホッゴホッ
 死なない! ゴホッゴホッゲホッ」

ベア総理は床を何度も踏みつけた!
しかし今回は床にヒビが入らなかった。

俺は土下座した。

「ベア総理! お願いします!
 病院へ行って治療を受けてください!
 総理は首都トキョウにとって
 最後の希望なんです!
 総理が死んでしまったら
 首都トキョウは終わりです!
 お願いします! お願いします!」

俺は額を床に押し付けて哀願した。プライドなんかどうでもよかった。ベア総理を含めて首都トキョウの人たちを救いたかった。

「オレは死なないと言ってるだろ!
 情けない奴め! ゴホッゴホッ
 お前の土下座など何の価値も無いわ!
 ゲホッゲホッ ゲホッ
 もういい! シュージ!
 お前はとっとと田舎へ帰れ! ゴホッ」

「帰りません! 総理が病院に行くと
 約束してくれるまで帰りません!」

俺は顔を伏せたまま大声で言った。

「……」

ベア総理が黙って部屋が静かになった。

……どうしたんだ?
なぜ総理は何も言わないんだ?

俺は恐る恐る顔を上げた。
ベア総理は俺を指さしてプルプルと震えていた。

「……シュージ…お前…ゴホッゴホッ
 なぜオレの印象操作が効かないんだ…?
 ゲホッ ゲホッゲホッ」

なにっ!?
印象操作のスキルを使ってたのか!?

「お前…ゴホッ…シュージ…ゲホッゲホッ
 お前はゴホッ……お前は異世界転移者だな!」

バレた! マズい!

しおり