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2話・ぶっちゃけた

「では...皆様の賛同を得られたという事でよろしいのでしょうか?」

「あ、あの女神様...もし賛同を得られなかったとしたら、そ、その俺達は
一体どうなるんでしょうか?」

光牙院君がもしも賛同しなかった場合の事を女神様に問う。

「そうですね...。すいませんけど、あなた方を元の世界に返す訳には
行きませんので...そうなったら、私のギフトはなしという形で普通に
どこかへ転移となりますか?」

......なっ!

そんな土地勘もない場所に放り出されたら、それってどこかで勝手に
死ねと宣告されたのと同じじゃんか!

それになんで、元の世界に帰れないんだ?

あ!

光牙院君も僕が思った事と同じ事を、女神様に問い詰めている。

「......それはですね。元の世界に帰れない、その訳はあなた方の
世界の大神様との契約が理由でして、私ではどうする事もでき
ないんですよ。そして私のギフトなしでの転移は、私のギフトの力を
持った人間を今から行く召喚場所...ランスロッド国で保護をしないと
なると、その力を使って悪用されてしまう場合があります。もしそう
なってしまった場合、私の与えたギフト...勇者の力をあの世界の
住民では抑え込むのはほぼ無理ですので」

「......だから力を貸さない者は、どこかで野垂れ死んでいろっと?」

「う~んそうですねぇ...言い方が悪くなりますけど、そうなりますか?
でもそうしないと私が大女神様から罰を食らってしまいます。ですので、
ホントすいません♪」

......うわ。

女神様が本音をぶっちゃけてきた!

それに女神様のあの表情、さっさと進めたいんだけどオーラが
ハンパなく出てるなぁ。

「ふふ♪それでどうしますか、みなさん?私からのギフトを受け
取りますか?それとも否ですか?」

「くう...し、仕方がない。みんな!今、女神様の話を聞いていたと
思うが、そういう事らしい。だからここは一先ず、女神様から
ギフトを得る選択をした方が俺はいいと思うんだが...みんなの意見は
どうだろ?」

「この女の発言は正直めちゃくちゃムカつくけどよ、かと言って
野垂れ死はゴメン被る。チッしょうがねぇ、女神さん、あんたの頼み
受けてやるぜ!」

「わ、わたしだって、こんな訳のわからない世界で死ぬなんて
ゴメンだからその申し出を当然受けるわっ!」

「そ、そうだよね。何もない状態で放り出されるよりはマシか!」

「だね!だから今、女神様の言っていたランスロッドとかいう国で
保護を受けた方が絶対にいいと思う!」

「嗚呼~チートかぁ~!なんて素晴らしい響きの言葉なんだぁ~~っ!
ハァ~早くチートを得たいっ!」

「俺もそのチートを得れば、アーチとかいう世界で人気者になれるかも!
よし、俺もやってやるぞぉ~っ!」

どうやら、殆どのクラスメイトが光牙院君の意見に賛成のようだな。

「うふふ。皆様、私の願いを聞き入れて下さり、誠にありがとうございます。
では早速ではありますが、神託の儀を始めたいと思いますので、あちらの
部屋に一人ずつお入りになられて下さい!」

「よ、よし!じゃあ...まず、俺が最初に行ってくるよ!」

みんなへ光牙院君がニコリと微笑んだ後、女神様の指差した部屋へ
女神様と一緒に歩いて行く。


―――それから数分後。


光牙院君が神託の儀を終えて、僕達の元に戻って来た。

「おい、隼人!神託の儀ってのはどんなんだったんだ?」

「えっと。あの部屋に入った後、女神様が俺の頭に手を置いた
その瞬間、俺の体に何かが入ってくる様な感覚があって...
それを不思議がっていたら、神託の儀はもう終わっていたよ」

「それだけか?意外と簡単なんだな?そ、それであのギフトとか
いう力...ちゃんと授かっているのか?」

奥村君が疑いの眼で、特に何も変わらない光牙院君の事を、ジロジロと
調べる様に見ている。

「ああ。それは間違いないはずだ。何故なら今、こうしていても
わかるくらい、いつもは感じない、何かの力をビシビシと感じて
いるからなっ!」

「そ、そっか!隼人がそう感じるってんなら、ギフトってのは本当に
あるんだなっ!よしゃあっ!次は俺がその神託の儀ってのを受けて
くるぜぇっ!」

光牙院君の言葉を聞いた奥村君が鼻息を荒くし、どしどしと足音を
鳴らして女神様の元へ歩いて行った。

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