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第14話 鎌倉討伐編



藍原は姉御に会うのも、麗華に会うのも初めてだ。3人がハチあう前に、藍原と駅前のカフェで待ち合わせ。

そういえば会社以外で会うのは久しぶりだな。

僕は家をでてカフェに向かう。自動ドアが開き「いらしゃいませ!」

店内を見渡すと、奥の窓際に藍原が
「先輩たまには、私より早く来る気ないんですか?」

いつも僕はギリギリ、藍原がいつも先
性格の差を感じる。

「同じのお願いします。」

「同じのって、もう空なのにわかるんですか?」

「お前はいつもアイスカフェラテ、お子ちゃまだから、ガムシロ2つだろ?」

「あってますけど、よくおぼえてましたね」

「何気にお前のこと見てんだょ」

「髪の色も先週変えたし、色気ついたか、ネイルに小細工もして」

「先週。左の中指にバンソウコウしてただろ、今してないから浅かった、料理中に切ったんだろ?」

僕はこの何気ない発言が火種になったことに気づかなかった。

「何照れてんだ?」
「違います!」

「私だってみてましたょ!」

「何を?」

「色々です。」

「そういえば、そんな小細工してたり、最近研究室来なかったけど、好きな奴でもできたか?」

「まぁ寂しい、20代だな」

「失礼な、好きな人くらいいますよ」

藍原とはこういうやりとりできるから楽だな。姉御や麗華とはこうはいかない。

「でな、今回、藍原にとって初めましてが2人いる。まずはドクのねぇちゃんで京子だ。
京子はイギリス帰りの祓魔師だ。
いわゆるエクソシストだ。

人の名前を野菜で例えるから気をつけろ。

僕=ネギ 中島=キノコ アスカ=モヤシ

お前はなんで呼ばれる楽しみにしてな(笑)」

もう1人は麗華、呪伝師といって、悪霊、怨霊、もののけなどを自分に宿し、他人に取り憑かせることができる。18歳の女の子だ。」

「わかりました、今回はドクさんの希望で悪霊を宿すのを手伝いにいく感じですかね?」


「わかりやすくいうとそんなところだ」

「もうすぐ麗華が来るはずだ」

カフェに麗華が、やってきた。

「よっ!麗華、こいつが藍原、俺の会社の後輩だ。」

「こんにちは、お会いするのは初めてですがオーナーから藍原さんについては伺ってます。」麗華

「カフェのオーナーか?」僕

「カフェってもしかしてNAOTOさんの?」藍原

「そうです」麗華

NAOTOと藍原は昔東京に来た時に知り合っていた(サイドストーリー藍原楓に登場)

なんとなくだけどこれもご縁てやつか。

「麗華さん宜しくね」

「はい」

「それじゃ研究室に向かうか」

16:00 ドクの自宅に到着。

「何してんだ中島?」

「見ればわかるだろ餅つきだよ。」

「ミコちゃんまで」

「こんにちは久しぶりです」ミコ

どうやら京子の命令で雑煮に使う餅をついてたらしい。

「姉御とドクは?」僕

「あそこで火おこししてるよ」中島

10mくらい先で兄弟でしゃがみ込んで作業中。

「学(ドクの本名)もっと回転させろ」京子

「はい、姉上!」ドク

どうやら火おこしさせられているようだ。。。

「お前らもつったてないで手伝え」

「ドクダミ(麗華)そこの野菜切れ」

「お前は初だなナス(藍原)」

「藍原ナスでよかったな(笑)、麗華のドクダミよりましだろ」

「。。。。」藍原

「姉御、中島とミコちゃんに麗華紹介してくるからまってて」僕

僕は麗華の手を取り餅つき隊のもとへ向かった。

麗華へ向けられた、ふたつの殺気に気付かずに。。。


「中島、ミコちゃん、こちらが麗華」僕

「宜しくお願いします」麗華

「ドクからどんな子かは聞いてるよ、宜しく」中島

「こちらがミコちゃんで中島」

「おっさん、あの2人さっきからずっとこっち見ながら作業しているけど。。。」中島

「どの2人?」僕

「京子さんと藍原さんです」ミコ

「あれおっさんに嫉妬してねぇか?」中島

「なんで?」僕

「その子(麗華)とずっと手つないでるよ」

「わっ!ごめん」僕

「宜しい!皆さん食事しながら、今夜の作戦会議です。」

みな席に着いた。

「それでは麗華さん今回の流れをご説明お願いします。」


今回は呪伝の依頼者、被害者ともに生存している為、被害者の怨霊は使えない。

その為、鎌倉に潜む、怨霊、もののけいずれかを宿しにいくという流れだ。

ドクがここでモニタリング、僕、藍原、ミコ、京子、中島が現地にいくが範囲が広く、
今回感知能力が優れているアスカがいない為。

分散してそれらを探すという作戦だ、あくまでも主役は麗華なので麗華を中心にフォーメーションを組んでいく。

腹ごしらえもしたので、22;00に鎌倉入りする予定だ。


※クロスオーバー作品 呪伝師も愛読していただけると幸いです。



僕たちは22:00衣張山を中心に

二手に分かれてふもとに到着した。

僕、藍原、京子の南側チーム

麗華、ミコ、中島の北側チームだ。

最終的に山頂で落ち合う予定だ。

鎌倉といえば腹切り櫓など有名な心霊スポットは沢山あるが、鎌倉の落武者などの霊はほとんど浄化されているとドクは解説する。

怨霊の寿命は500年くらいまでといわれていて、かつて鎌倉幕府があり、戦場と化していたのは1000年近く前の話だ。

ここ近年落武者の霊をみたなど聞いたことがない。
ただ、鎌倉という土地は5mくらい掘ると人骨がゴロゴロうまっているというくらい戦死者を出した土地でもある。
その浮遊霊や怨霊のエネルギーを狙って、もののけや、妖などがかなりいるといわれている。

いわゆるそれらの餌場といえば話は早い。
今回の目的はその霊ではないものを捉えに行くのが目的だ。

この山は昼間はハイキングコースになっていて、狭い道ではあるが歩ける山である。

「ドク、南側配置についた」僕

「北側もオッケーだ」中島

「宜しい!崖など、自然の危険もあるのでゆっくりでいいので山頂で目指してください。」


「じゃあ藍原、姉御いこうか!」

「なんでナス女が先に呼ばれるの? 」京子

「いや、たまたまですょ」
くだらないことでつかっかるなぁ😔

「じゃあ、姉御、藍原行こうか」

「。。。」

無視かよ😅これは先が思いやられるな。

山は漆黒の闇に包まれ、月明かりと手持ちのライトが頼りだ。

この山の特徴としては、櫓いわゆる横穴などが多く、寺院、遺跡などが多数ある。

ドク曰く、横穴などに今回のターゲットが潜んでいるのではないかといっていた。

麗華に宿すのが目的なので僕のチーム発見したら、麗華を呼ばないといけないのである。

きり通しと言って岩山をぶった斬ったような道があり、鎌倉の旧道が沢山ある。

「何が良くてこんな土地に幕府つくったんだろうなぁ」僕

「ネギお前はつくづく馬鹿だな、この地形見てみろ。」京子

「先輩、鎌倉は攻めにくく、守りやすい地形になってます。進む道にはきり通しがあるので頭上から攻撃されます。南側に海、3つの山、大軍が攻めにくい土地なのです」藍原


「ナスお前やるな、あとは八幡宮だ、源氏の氏神を祀る場所だからな。」京子

「2人とも歴史詳しいなぁ」僕

「でもさぁそれって、僕たちも待ち伏せされやすいってことじゃない」僕

「お前本当に鈍感だな、さっきから下級霊をナスが浄霊してんの気付いてないのか?」京子

「え?」僕

「藍原くん、本当?」

「はい、念じるほどではないので、3人分くらいの結界を張ってます。」藍原

「中島みたいな?」僕

「中島さんとは、基本的なものは違いますが、そんなところです。」藍原

「私はいざという時のために温存しておくぞ!」京子

その頃 山の北側中島チームは。。。


💫204号線

中島 ミコ 麗華チームは国道204号方面から山頂をめざす予定だ。

ミコはいつも通り、憑依されないようにあまスーツを見にまとう。

※あまスーツ 暑さ5ミリのゴムでできた
ウエットスーツのような形状。電気絶縁効果ありbyドク🤟

3人は山頂目指し歩き出した。

「あなた獣神をまとってるの?」麗華

「あぁ、犬神ってやつだ🐶」中島

「ミコさんは、守護霊すらついてない」麗華

「ちなみにミコさん、何故守護霊がついてないか自分で理解してますか?」

「部長が言うには生命力が強いから守護を必要としてないって言ってたけど。。」

「貴方には私のように霊体を宿す器がある、だけど呪伝とは違うタイプみたい」

「えぇ!そうなの⁉️」ミコ

「然るべき時に理由がわかるかと」麗華

「あんた霊視できるんだ」中島

「ある程度は、生まれつきなのでどれくらいの力があるかは理解してません。」

「ドク、おっさん、聞こえるか?」

「宜しい!聞こえてますよ!今暗視カメラ付きのドローンで両チームを追跡してます。」 ドク

「相変わらず器用だな」中島

「無線の電波を追尾するよう設定してるので、心配ご無用です。」ドク

山頂までの道は人1人通れるほどの道幅で
行く道行く道、地蔵や祠が多数点在している。

その頃僕のチームは「腹切り櫓」のもっと上の遺跡周辺にいた。

「先輩ちょっと待ってください!」藍原

この遺跡周辺のただならぬ、空気。
北条家の邸宅後地。

「ネギ、ナス気をつけろ、ただの霊体じゃない。結界を張って出方をみるか」

姉御は懐から、15センチくらいの十字の杭を取り出し5本地面に打ち込む、直径2メートルくらいの五芒星をかたどるような結界だという。

これ以上幅をとると効力が薄れてしまうようだ。

「普段は封じ込める時に使うやつだが、野外だから仕方がない。」京子。

周囲の茂みからは、木々の折れるような音、枯れ葉を踏み締めるような音が所々聞こえてくる。

右の森の木々が揺れだす。
「先輩あれ?」藍原

僕たちの目の前に現れたのは白い毛で覆われた2匹の猿だった。

「あの猿は嫌な感じはしないな」京子

猿たちは、周囲を気にしながら、匂いなどを嗅いで何やら探している。

そのまま、僕たちに気づくことなく左の茂みへと消えていった。

「ドク今の猿見えた?」僕

「ドローンカメラでは確認できませんでした。」ドク

「姉御、そろそろでても大丈夫かな?」

「ちょっと待て❗️」

「ナスわかるか?」

「はぃ、かなり強力な霊気があります」

「まずいこれは、悪魔級の力だ、結界が効かないかもしれない。」京子

「中島、遺跡付近で危険な霊気を感知した!山頂に行かず、回ってこれそうか?」僕


「おっさん、いけないことはないけど、この暗さで険しさだ、時間は掛っちまう、こっちも、下級霊が次から次に押し寄せてきて思うように進まない」中島

迫り来るただならぬ霊体らしきもの
禁足地に踏み入れてしまった僕たちは
どう切り抜けていくだろうか。


💫夜の鳥

五芒星を1メートル、縮め打ち直した。

「これなら、気付かれないかもしれない」

この中に3人って、、、
いいかもしれない、藍原と京子が、密着して
ハーレム状態。

「先輩、もぞもぞしないでください!」藍原

「ネギ真ん中にいるんだから、私たちを支えろ!」京子

僕は2人の腰に手を回し、最高の気分になるはずだった。

地響きがする。

「ドスンっドスンっ」

森の中はから光った目玉のようなものが2つ、いや4つ

月明かりに照らされそれは姿を現した。

顔は猿、体は茶色の毛て覆われて、手足は虎柄、尻尾には大蛇。。。。


「これってキメラ⁉️」僕

「ここは日本だぞ、あれは鵺(ぬえ)だ、馬鹿」京子

「鵺って、関西の妖怪じゃないのか」僕

源氏に退治されたという言い伝えはあったが、それは言い伝えに過ぎず、源氏ゆかりの地、ここ鎌倉にいてもおかしくはない。

鵺は周囲の気配を嗅ぎ回り、五芒星周辺を
ウロウロしついる。

「姉御もうちょっとこっちに体重かけてくれないと、そっちに倒れちゃう」僕

「先輩そんないやらしい顔で京子さん見ないでくださいよ、こんな時に」藍原

「ナスお前が結界から出れば問題解決するぞ」京子

「京子さん、もう一個、別に結界を作ればよかったじゃないですか?」

この状況で僕が必死にバランスをとっているのに、くだらないことで2人は揉めていた。

僕は小さな声で
「中島、こっちに鵺が現れた」

「鵺が出たってさ、鵺でもいいのか?」中島

「かまわない、そいつに罪人を襲わせる」麗華

「おっさん、そいつでもいいみたいよ」中島

「中島くん、君はこの場にいないから気安く言えるけど、かなり危険そうだよ」僕

「中島くん、あの木の上みてなんかガサガサいってるょ」ミコ

「どこ?」中島

ミコは指を差し「あそこです」

「白猿」麗華

かつて日蓮が逗子で遭難し白猿に助けられたという伝説があるがその白猿なのか?

白猿が木から降りてこちらに寄ってくる。
ミコには、見えていないようでこの世のものでは、なさそうだ。

💫白猿

白猿が少し警戒しながら、中島チームのもとへ近づいてくる。

「大丈夫だ、ワンコ🐕の気が立たないから敵意はない」中島

「そうなんだ、分かった案内して」麗華

「お兄さんチームの居場所わかるからついてこいって」麗華

「お前猿と話せるのか?」中島

「霊視を利用して話した、テレパシーみたいなものだと思う」麗華

「ミコもお猿さんみたい」ミコ

「霊感ゼロだから仕方ないな」中島

「ドク予定変更しておっさんのところ行くけど大丈夫?」中島

「宜しい!話は聞いてましたがこちらのカメラにも白猿は映ってません。」


道なき道を白猿についていく3人であった。

その頃僕たちは。。。

「姉御、やばいっす」

「どうしたネギ」

「おしっこしたくなってきちゃった」

「こんな時にふざけてるんじゃねえ」京子

3人でおしくらまんじゅうの体勢になることを提案した。

「これなら2人からは見えないから
おしっこしていいですか?」僕

「先輩、妖怪いる前でよくできますね?」藍原

「ちょっとチャックおろすから腕組みはなすなよ」僕

僕は森の方に向かって勢いよく遠くへおしっこを飛ばした。

「ジョボジョボー」

「本当にデリカシーのない男だな」京子

おしっこ飛ぶほうの森がザワメキ始めた。

「ジョボジョボ あっちの茂みになんかの気配が ジョボジョボ」

「あぁどっちだよ」京子

「2体⁉️」藍原

「いえ4体の霊体以上の霊体が向かってきます」藍原


「こんな時に限って水門がひらきぱなしです」僕


鵺の他に4体の霊体が接近してくる、窮地に立たされた。
僕たちの運命はいかに!

「きゃーっ」

「ちょっ」僕

4体の正体は中島、麗華、白猿2匹と
感知できない、ミコだった。

「風間さん、それしまってください」ミコ

「それを今しまったら、大変な事に」僕

ミコの悲鳴に鵺が気づいてしまった。

「なにやってんだ、ボケ!😡」京子

鵺はこちらサイドを睨みながら攻撃の機会を探っているようだ。


「麗華どうするっ?」中島

「捕獲するには充分な殺気だ」

「結界から出るぞ」京子

ザッザッ

「中島!ミコちゃんと藍原を安全な場所へ」

「僕と麗華と姉御でなんとかする」

鵺の体長は約3メートルくらいの巨体、この遺跡の地形をうまく利用できれば。

「麗華!明王出すのにどれくらい時間必要だ?」僕

「お前みえないのか?もう5体目の前にいるぞ」京子

「えっ⁉️」

僕はグローブを外すのを忘れていた。。。

グローブを外すと、あれ?いつもとちがうぞ。

(ブオォオォーっ)🔥🔥🔥🔥🔥🔥

「先輩手が燃えてますょ!😅」藍原

僕の両手から青白い炎が。😭

「ネギ。自分の能力理解してなさすぎ。。😡」

「ドクダミ(麗華)私が気を逸らすから
捕獲しろ」

京子は結界に使っていた、十字の杭を2本抜き、何やら唱えながら十字に構える。

「妖怪も悪魔も同じだ!狩れないわけがない」

鵺は京子の挑発にのり、襲い掛かる。

鋭い爪を持つ、鵺の攻撃と京子の攻防が始まった。

「ガァぉ💨💨💨」

「うりゃーっ⚔️⚔️」

(キンっキンっ⚔️⚔️) 京子の杭と、鵺の爪が

激しくぶつかり合う。


「姉御大丈夫か?」僕

「ぼさっとしてないで、尻尾のヘビ🐍どうにかしろ!」京子

「ええぇっどうにかしろって言われても、、、」

僕は鵺の背面に周りを、ベビの視線をこちらに向けた。

「かかってこいょ、ベビやろう」

威嚇したがために、ものすごい牙をむけて飛び掛かってきた。

(シャーッシャーッ🐍⚔️)

(ガシッ)

なんとか上顎と下顎を掴んだ。

(グッグッグッ)

「やばい、あごの力はんぱないっす。」

その時、僕の手の炎が勢いをましてきた。

(ブオォオォブオォオォっ🔥🔥🔥🔥🔥)

炎がヘビ頭を丸焦げにし、鵺は炎が体に浸透しないように、尻尾を食いちぎった。

(ブチっ)

「おっさん、やるじゃん」中島

「風間さん、ナイっす」ミコ

その隙に、京子が両前足に杭を打ち込む

(グサっ☦️  グサっ☦️)

「ドクダミ仕上げろ!」

「鵺よ、お前に勝ち目はない、我に従うか」

「ガァっ」鵺は麗華を睨みつける。

またまた京子が後ろ足にも杭を打ち込む。

(グサっ☦️  グサっ☦️)

「抜けるもんなら抜いてみろよ」

鵺は暴れて杭を抜こうとするがびくともしない。

「純銀で聖水に10日も浸した杭が、お前如きに抜けるわけがない!」京子

「姉御かっこいぃ!」

「トドメのボインミサイルお願いします」僕

「んなぁもんあるかい。トドメは額に最後の一本打ち込むだけだ。」京子

「鵺よ、お前の復讐心を私が満たしてやろう、我に従え」麗華

五大明王を従え、鵺に徐々に近づく麗華。

麗華が宝具ヴァジュラを取り出す。

4本の足の杭に、4体の明王が一撃づつ
拳を振るう!

「ギャァ、😱ギャァ😱」

静かな鎌倉の山中に鵺の悲鳴が響き渡る。

戦意を喪失した鵺はしゃがみ込んでしまった。

麗華は宝具を鵺の額に当て最後の明王が宝具に吸い込まれていく。

「わかった、お前の復讐は必ず叶えてやる、〇〇という男を八つ裂きにしろ」麗華

麗華の腕に4本の傷が刻まれた。

4日鵺を宿すことが可能になった。

「今回は4日みたいだな」僕

「この傷が、宿せる日にちなんですね」ミコ

「ドク封印完了したぞ!」僕

「見てましたよ、今回は新発見ばかりで
明日から忙しくなりそうです!」

なんとか、鵺の捕獲ができてほっと一息付きつく僕らであった。


💫源氏の亡霊

一息ついていた、僕らだったが

「先輩わかりますか?」藍原

「何が⁉️」

「グローブ外してください」

僕はグローブを外した、炎は失火していた。

「あれ?もう消えてるし」

「周り見てください!」

ザッザッ  ザッザッ ガシャ カジャ

落武者の亡霊が遺跡一帯を取り囲んでいた。

「みんな集まれ」中島

中島は浄化領域を展開した、直径5mの光の輪が張られた。

「この状態で山下りするのは難しいな」中島

「これって鵺を捕獲したから源氏の落武者が出てきたんじゃない?」藍原

「鵺がこの山を徘徊していたから山神のような役割だったのかもしれないですね」ドク

源氏の亡霊が一歩一歩近づいてくる。

ザッザッザッザッ 

「1000年くらい前の怨霊だから、霊体としてはそんなに強くないはずです。」 

300m下ったところに腹切り櫓があり
もう300m下れば、鶴ヶ丘八幡宮があります。八幡宮では落武者はおそってきません。

姉、銀の杭を2本このドローンに乗せてください。

そして2本の杭を1m幅でその場に打ち込んでください。

(グサっ☦️ グサっ☦️)

京子はドローンの向かう方向と平行に杭を打ち込む。

しばらくすると

「八幡宮に杭を2本打ち込んできました。姉上、結界術を」京子


「学のやろう、殺す気か、600mの長方形の結界なんてはったことないよ」京子

京子は念じ始めると、僅かだが、一直線に1m幅の道がほんのり光を浮かばせている。

「姉御このまま、あの森の中を突っ切るって事ですよね。」僕

「準備はいいか?例え道があっても、この結界からはみ出るな、はみ出た奴は置いていくから覚悟しろ」京子

僕、藍原、京子、ミコ、麗華、中島の順番で並ぶ、登山用に持ってきたロープで囲い
まさに大人の電車ごっこ。。。。

「シュッシュポッポ🚂 シュッシュポッポ」

「おっさん最後尾は任せろ!遠慮なく突っ走れ」中島

「お前ふざけてんのか」京子

「いや、気持ちを高ぶらせているだけです。」

「シュッシュポッポ🚂 シュッシュポッポ」

「いくぞ、ファントムトレインだ!」

僕の両手から再び、炎が。。。

ブオォオォブオォオォ🔥🔥🔥🔥

ロープ全体に火が回る。

「栄光に向かって走る、あの列車に乗っていこう、裸足のままで飛び出してあの列車に乗っていこう!」


「誰の歌だ⁉️」

「ブルーハーツのトレイントレインですね30年くらい前の歌です」ミコ☝️

「トレイントレイン走ってゆけ!GO」


「シュッシュポッポ🚂シュッシュポッポ」

僕は光の道筋にそって走り出す、ヤブが邪魔をすると思いきや、青い炎が退ける。

100m.200m.300m

「なんで止まる?」京子

「姉御、若者もたちが尻もちついてる。。」

おそらく腹切り櫓に肝試しに来ていたのだろ、男2人、女が2人が落武者に囲まれて尻もちをついている。

若者も達はこの道筋から5mくらい離れていた。

「お前たち、こっちにこれるか?」

僕の声に4人が気づく、落武者は少なくとも50体くらい。

「行きたくても、腰が抜けて立てない。」

「シュッシュポッポ🚂シュッシュポッポ」

「ちょっ」

僕は道筋からはみ出し若者たちの元へ。

「中島、彼ら中心に領域展開できるか?」

「だいぶへこたれてるが、やるしかないな」

「えぃ!うぉぉ」

中島の浄化領域でなんとか、落武者の接近を止めた。

「先輩、私が浄霊してみる」

「まて、藍原、力が、」僕

「どんどん、溢れ出してくる。」僕


「先輩から光のオーラが。。✨✨」

「あれはまさか、光背。。。」ドク

さらに赤い炎🔥がオーラを縁取る。

「迦楼羅炎と言って、煩悩を焼き清める為のものです。火焔光と呼ばれるこの光背は、天部や明王のみが背負います。」

僕はロープから出て、落武者たちの前に

ブオォオォ ブオォオォ🔥🔥🔥🔥
炎が勢いを増す。

落武者達はひざまづきだした。

徐々に、姿がうすれ、消えていく。
最後の一体も消えて、腹切り櫓周辺は鎮まり返った。

何故か仲間達もひざまづいていた。。。

💫八幡宮

「みんなどうしたの。。。?」僕

「あれおっさんにもどっちまってる」中島

「なんだ、ただのネギだな」京子

「先輩さっき、まるで仏様のような姿になってたんです。」藍原

「マジですか!ぜんぜん分からなかった」僕

藍原の話によると50体ほどの落武者は浄化され
たようだ。

「あーあ日本有数の心霊スポットをただの祠にしちまったよ」中島

「立てますか?」藍原

僕たちは4人組とともに八幡宮に向かうのであった。

八幡宮に一台のライトバンが停まっている。
NAOTOだ。

「オーナー鵺の確保完了しました。」麗華

「あれれ楓ちゃんじゃないの?」

「NAOTOさん?」

「なんだ麗華が知り合ったオカルト友達って楓ちゃん達か?」NAOTO

「取り敢えず乗って」

僕たちはNAOTOのライトバンに乗り込む。

「風間さん、この前はありがとうございました。」NAOTO

「先輩、NAOTOさんと知り合いだったの?」藍原

「うん、まぁ」

「この前私が森で手伝ってもらっ時、お兄さんに渋谷におくってもらってその時オーナーに紹介しました」麗華


「おいネギ、ナスの元カレか?」京子

「しらねっす」

「なんだ、やきもちか?」京子

「ちがうっす」

「イケメンだから勝ち目はないな」京子

「どうでもいいっす」

僕たちは疲れ果て眠りについた。

「こんな遠まりしてありがとう」藍原

「こちらこそ、大物の捕獲を手伝ってもらったからな、お互いさまってことで」NAOTO

「おぃ起きろネギ」

「ここは?」

「我が家だ」

こうして僕らの鵺捕獲作戦は幕を下ろしたのであった。

「みなさんお疲れ様です、さっそくですがある人物から依頼がありまして一休みしたら
依頼内容を案内しますよ」ドク


「。。。。。」



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