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第12話 『平和』

アナザー



著者:ピラフドリア



第12話
『平和』



 ダークネスの倒したことで、タワーは壊れ、世界に平和が訪れた。
 各地のヒーローたちの奮闘により、被害は最小限に収まり、今回の騒動は無事に解決することができた。



「ふふふ、またしても俺がテレビに映っているぜ!!」



 テレビに映った自分の姿を見て、興奮するイナズマ。
 それを温かい目で見守るのは、石崎とウィング、そしてグラビティだ。



 石崎とウィングはお茶の飲みながら、煎餅を齧っている。
 グラビティはファンから送られた色紙にサインを書いているみたいだ。



 お茶を飲みながら、石崎は疑問に思ったことを言う。



「でも、なんで現実世界の人間がこの世界に紛れ込んだのかしら。今までこんなことはなかったのに……」



 そう、今回の騒動の原因は、ダークネスの現実世界での本体がこの世界にやってきてしまったことから起こったのだ。



 彼は現在、ヒーローに保護され、事情を話している。



 だが、元に帰る方法も分からなければ、どうやって来たのかも本人は分かっていないようだ。



「まぁ、今回の事件は解決したわけだし、良いじゃないか」



 イナズマがそうやって悩んでいる石崎にテレビを見ながら答えた。



「それはそうなんだけど……」



 石崎は何か今回の事件で引っかかることがあるようだが、それがなんなのかは分かっていない。



 だが、まだこれは騒動の一つに過ぎない。



 これからこれ以上に大きな事件が起きるのではないかと、そんな予感がしている。



 そんな中、事務所の電話が鳴る。石崎が電話に出ると、それは出動の連絡だ。



「さぁ、ヒーローたち!! 事件よ!!」



 石崎の号令でイナズマ達は立ち上がる。



「よし、行くぞ!!」



 ヒーロー達は今日も戦う。世界の平和のために!!






 病院にある喫茶店。そこでコーヒーを飲みながら新聞を読む男がいた。



 その男の前に病院服を着て、車椅子に乗りながらある人物が近づく。



 男はその人物が近づくと、新聞を閉じる。



「やってきたか。中村……」



 新聞を読んできた男が立ち上がると、とても身長が高く2メートル以上ある。



 その男を車椅子から中村。



「久しぶりだな。何年ぶりか」



「そうだな。現役ぶりってところか」



 二人は知り合いのようで中村の車椅子を男は動かして近くのテーブルに寄せる。



 そして店員を呼ぶと適当に注文した。
 店員が注文を受け取り、戻って行くと男は中村に言う。



「世界の崩壊」



 それを聞いた中村は真面目な表情になる。



「…………それは冗談じゃない。みたいだな」



「俺は見てしまったんだ。世界の崩壊を」



 男の手は震えていた。






 山の奥にある川。人里から離れたこの地に、一人の釣り人はやってきていた。



「この辺で良いかな」



 釣り人は川辺で座ると、釣りを始める。



「もう時期、暇はなくなるなぁ〜」



 そしてそう呟いた。



【後書き】


 最終回です!!



 なんだか続きがありそうな感じですが、ここまでになります。
 読んでくださり、ありがとうございます!!



 今後もよろしくお願いします!!






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