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順応力と会話{済}

 ここはユリナシアの屋敷。

 翌朝になりユリナシアと涼香たちは、朝食をすませると大広間で大きなテーブルを囲み話をしていた。

 ユリナシアの右側に涼香が座り、ユリナシアと要の間にガディスが正座をし黙って話を聞いている。

 現在ガディスは鎖をはずし首輪だけをしていた。

 そしてクルテルの隣にはゲラが座り、要はゲラの隣に座っていて、涼香の隣にはクルテルが座っている。

 シルヴァは、まだ起きあがるのが困難なためベットで休んでいた。

 ガディスはすでに正座に慣れてきたため、背筋をのばし話を聞いている。

(何で、また正座をしなければならない!だが、これはこれで身が引きしまり、慣れれば大したことないな)

 ユリナシアは横目でガディスをみる。

(ガディスは、正座に慣れてきたみたいですね。さて、次は何をしようかしら?)

(へぇ〜、ガディス。意外とやるなぁ。俺なら即ギブだけどな)

(ねぇ、バルロス。まだガディスを、このままにしておくの?)

 “うむ、そうだな。そろそろ頃合いかと思っていたが。正座に慣れてしまったようだし。もう少し様子をみようと思う”

(そ、そうなんだね。バルロスがそう言うんじゃしょうがないか)

「それでは、これから街に行きたいと思いますが」

 ユリナシアはガディスをチラッとみた。

「街かぁ。何があるのかなぁ。楽しみだなぁ〜」

 涼香はそう言いワクワクしている。

「そうだな。街に行くなら、ついでにこれからのために色々と買っておいた方がいいよなぁ」

 要はガディスを横目でみた。

「ユリナシア様、申しわけありません。私はシルヴァ様のことが心配ですので、今回はご遠慮したいのですが?」

 ゲラは機嫌を伺うような上目づかいで、ユリナシアにそう言った。

「ゲラ、分かりました。そういうことでしたら致し方ありませんね」

 ユリナシアは少し寂しそうな表情を浮かべる。

「私も心配なのですが、側にいても何もできませんし。ゲラ、シルヴァのこと、よろしくお願いしますね」

 ユリナシアがそう言うとゲラは、心の中でホッと胸を撫でおろす。

(よかったぁ〜納得してくれて。このままユリナシア様について街などにいったものなら。間違いなく荷物もちは確実ですからね)

 ゲラはユリナシアに一礼をし部屋をでると、シルヴァが寝てる部屋に向かった。

「そうなると、クルテル。貴方はもちろん一緒にきてくれますわよね?」

 ユリナシアは、何かを訴えるような目でクルテルをみる。

「ユリナシア様。もちろんお供させていただきます。それに、涼香たちのこともありますので……」

 クルテルはガディスをチラッとみた。

 ガディスは目を閉じ話を聞いていたが、3人の視線を感じ辺りを見渡した。

(ん?気のせいか。何か突き刺さるような視線を感じたのだが)

 しかし、ユリナシアと要とクルテルはすでに視線を別のところに向けている。

「それでは、このあと支度が整いましたら向かうとしましょう。あっ!そうそう、もう1人ここにいたのでしたわね」

 そう言いながらユリナシアは、手にしていた手錠を要の目の前に差しだした。

「要。この手錠をこのガディスの左の手首にかけておいてくれませんか?」

 ユリナシアはそう言うと部屋をでていった。

「……あっ、えっと。ガディス、大丈夫か?」

「要。それは本心か?それに、言いたいことはそれだけか?今は何も口にだしたくない。それとも、これ以上、俺に何かをしろと言うのか?」

 ガディスは鋭く冷たい目で要をみる。

「ガディス……ごめん。だけど、あの時は他に何も思いつかなくて」

「まぁいい。要。その手錠を俺にかけるんだろう?」

 ガディスは左手を要の目の前に差しだした。

 申しわけないと思いながら要は、ガディスの左の手首に手錠をかける。

「ガディス……」

 すると要は、心苦しくなり下を向いてしまった。

 涼香とクルテルは、その光景をみていたたまれなくなるが、ガディスを尻目に自分たちの部屋へと向かった。

 そしてガディスは、要に引かれ自分の部屋へ向かった。

 その後、要は部屋につくとガディスが着替え終わるまで部屋の中で待つことにした。

 そして2時間後。ユリナシア達は、準備が終えるとエルラスタの街に向かったのだった。

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