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1話

          今から話すことは、私に起こった面白い出会いと恋のお話








コロナ禍でいろいろ恋とか悩んでる人がいたら、勇気づけられる話かもだから、よかったら聞いてほしい。







まずは自己紹介から。


私の名前は佐藤カナ。



24歳。




ある会社の事務職をやっています。都内で。




ま、いわゆる、ふつーのOLです。



高校まで、兵庫の神戸市に住んでたけど、大学からはずっと東京。



時々、関西弁がでるって、いろんな人から言われます。

もしかしたら、今書いてるこの文章にも関西弁混じっちゃうかも。
それでなんかへんな感じになったらごめんね。



え? 気にしないって? 

ありがと。





むしろ関西弁好きって?
超うれしいんだけど。




身長は、165くらい。




体重? それは、絶対に教えません!





趣味は映画鑑賞。




特に好きなのは『ラ・ラ・ランド』。

エマ・ストーンとライアン・ゴズリングが主演で、とっても素敵な映画。

何度も見てる。


それと『無情な愛』って映画。本当にラストでは泣いたなぁ。

ヒロイン役の人もとても演技がうまかった。
こっちは邦画なんだけど。
結構ヒットしたと思うんだけど、知ってる人は知ってる映画かも。




性格はお転婆だって高校時代の友人から言われました。

そういえば、ユカちゃん元気かなあ。。。



あ、あと三毛猫のミーくんを飼ってます。

雨の日に捨てられたっぽい、子猫を救助して、ずっと飼ってます。

可愛いんだ、この子。




それで本題なんだけど・・・・・・




コロナの話から。


コロナって最悪。

当たり前のことだけど。



私は感染したわけじゃないけど、国の経済はめちゃめちゃになるし、仕事を失ってしまった人もたくさんいる。もちろん亡くなった方も。

アメリカでは、毎日千人以上の方が亡くなっているらしい。

おかげで、今私はこのせまいアパートで・・・・・・





                リモートワーク!!!




でもこれといって問題はないんだ。

長い通勤時間はなくなったし、何といっても!


1時間長く寝れるのは、寝るのが好きな私にとったらすごくいい。



そして化粧をしなくていいこと! これはでかい!!!


男の人にはわからないだろーな!



スーツを着なくてもいいってのも、うれしい。

実はここだけの話、一度パジャマのまま仕事したことあります。。。




仕事の内容はね、会社の受注発注業務とか、電話対応とか、細々としたもの。

上司との会議も何度かあります。リモートで。

もちろん、その時はスーツ着て、化粧もするよ。




何回か会社でしかできない仕事をしに行くこともあるけど・・・・・・
あとはほとんど家!


うん、大丈夫! 
つまらない仕事の話はこの後しないから、もう少し待ってて!


リモートワークのために先月は奮発して、2万円もする椅子も買っちゃいました。


息抜きは、外に昼食を買いに行くこと。
最近、いいサンドイッチ屋さんを見つけたんだ。


でもね、一番の不満は、、、、、


恥ずかしいけど、言います。

 


彼氏がいないってこと!!!



ていうか、どうしても彼氏がほしい!


餓えてるって思われるかもしれないけどさ、本当のことだからしょうがない。



今この話を聞いてくれてるキミもわかってくれるかな?
この気持ち!笑





大学の時も彼氏はいたし


職場の男の人とも飲みにいったことはある。





でもね!




もうコロナ禍が始まってからだいぶたつ!




             私はもうこの生活に飽きた!


             コロナ禍でも恋愛したい!




それで、マッチングアプリを使って私の「彼氏」を探す前に、久しぶりに「男」と話したい。

しかもとびっきりのイケメンと。



職場の友人、橋下ミカコとこの前話してたら、なんと!!!




「リモートホスト」!!!




なるものがあるらしい!!!


ホストに行ったこともないけど。





今コロナ禍だから。



私、挑戦してみたかったんだ。



いつも明るく振舞ってるけど、臆病なとこがある。



自分の中の何かを変えたかった。


それで、勇気を出して、やってみることにしたんです。




運命の日はやってきた。


仕事が終わった夜。




机の前に座って、パソコンを起動。



化粧はすませた。

余所行きの、ちょっといい服も着てみた。

緊張した。 




コーヒーを一口飲んで、深呼吸。




エンターキーを押して


「ZOOMホスト」を開始した。


パソコン画面の向こうから現れたのは、ZOOMホストの店長さん。40代くらいの、優しい顔つきをした男性。こちらの緊張も和らぐ。




「どうも。私、ホストクラブ店長の古賀と申します。本日は当クラブ『ガイア』に来店いただき、誠にありがとうございます」

「いえ・・・こちらこそ・・・・・・」



平然を装おうとしたけど、緊張が声に出ちゃったかも。

彼の後ろに大きなシャンデリアと、壁一面の金色の装飾が見える。

まさに、豪華で、夢のような場所。

実際に私はそこにいないのに、画面いっぱいに映ったホストクラブの映像に、自分がそこにいるような錯覚を覚える。


なんか、さらにドキドキして来た!!!


なんて素敵な場所なんだ!




「いらっしゃいませ。ご予約いただいてた、佐藤カナさんですね」

「はい、そうです」


「ご指名のホストなど、いらっしゃいますでしょうか?」


「えと、じゃあ・・・・・・ナオキさんを・・・?」


私は事前に公式ホームページを覗いて、下調べをして来ていた。


たくさんのホストの人の写真をみて決めた。


ナオキ、って人、すごく私のタイプだったんだ。


「お客様、誠に申し訳ございません。今ナオキさまは接客中でして、対応できかねます」と、とても申し訳なさそうに返された。


「あ、そうなんですか・・・」


うわーーー! しまったー! ミカコに聞いてたんだ!


人気のホストはつかまえにくいって!!!


「ご心配なさらないでください、カナさんにぴったりのホストがいます」


ウソ! 



しかも、なんかこんな丁寧に、まるで貴族のお嬢様のように扱ってもらえて、なんかうれしい!


なんで今まで私ホストクラブ行かなかったんだろ!


「そのホストは一週間前に入って来たばかりなんですが、かなりかっこいいですよ。実はバタバタしていて、ホームページにもまだ載せてないんです。ぴったりかと存じますが、いかがいたしましょうか?」


断る理由なんか、なかった。


ていうか、じゃあ私の知らない人なんだ。


なんか、もっと緊張してきた・・・・・・!


机の上にスタンバッテるコーヒーを飲む。


なんでコーヒーなんかチョイスしたんだ、私! 
全然ホストクラブとあってない!


「えと、じゃあ、その人で、お願いします!」


言っちゃったーーーーーー!


「かしこまりました」


古賀さんは、ぺこりとお辞儀をすると、画面外から消えた。



そして・・・














1・・・・・・


そこに現れたのは




銀髪の貴公子だった。


細くて、流れるような目。


全身を白スーツでかためていた。


まるで・・・王子様?

だれ?

この世の人?

身長は170以上はある?

だんだん画面に近づいて来て、胸から上が画面に広がる。いつものZOOM会議でみる光景だけど、
全然違う!

背景も

私はパニックになった。

汗が止まらなくなった。




「彼」はゆっくりと私に微笑みかけると、こう言った。





「はじめまして、楓といいます。あなたの名前は?」


彼はどこからか金色の名刺を取り出して、見せてきた。

そこには一文字 楓

そしてお店のマークである半月の模様が。



私は自分の体ごと床に溶けそうになるところだった。





美しい声だった。



まるで春のそよ風のよう。



それでいて、男らしい、低い声。


宝塚歌劇に出てくる美麗な男役のようでもあった。



か・・・


か・・・・・・・


かっこいい!!!



なんと表現すればいいかな?


「クールイケメン」?

いや、違う!

「微笑みイケメン」だ!




「あ、えっと、佐藤カナで、です。よろしく」




緊張で噛んじゃった! 恥ずかしい!





それが私と「彼」、楓さんとの初めての出会い。

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