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8話〜城の中にて{改}

 ガルドは皇帝マグドに呼ばれて城に来ていた。

 そしてガルドは、城の中の客室にいた。

(何なんだ!?人を呼び付けておいて……。それにしても、これは何かおかしい)

 部屋の中を、ウロウロし始めた。

(もう何時間も、待ってるってぇのに来ねぇって。どうなってるんだ?)

 そう思っていると扉が開き、侍女が飲み物とお菓子を持って来た。

「申し訳ありません。ガルド様、お待たせしてしまいまして。陛下は、急なお客様がおみえになり、もうしばらくお待ちくださいとの事です」

「それは構わねぇが、急な来客じゃ仕方ねぇしな」

 侍女は、ホッとしたような顔になり、会釈をしてから部屋を出て行った。

(何かおかしい。考えたくはねぇが。でもなぁ、あのマグドが人を呼びつけておいて……)

 一呼吸おき、

(……これは一度、村に戻った方がいいかもしれねぇな。だが、どうやって、ここから気づかれずに出る?)

 そう考えながら、窓から外を見ると、今までにないくらいの数の、衛兵や傭兵が整列していた。

(やはりこれは、俺をここに留めておく為って、考えた方がいいみてぇだな)

 窓から離れテーブルの方に来ると、

(ここで、こうしているうちにも、ブラットの身に何かあったら)

 どうここを抜け出そうかと、模索していたが、

(あー、仕方ねぇ。クソっ!!マグド。もしブラットの身に何かあったら、お前の事を、一生恨んでやるからな!!)

 ガルドは、このまま考えていても、時間の無駄だと思い、強行手段に出る事にした。



 一方、皇帝マグドはというと、やはりガルドが思っていた通りだった。

 マグドは部屋にいた。

(申し訳ないガルド。いま村に、お前が居ては困るのでな)

 そう思いながら、マグドは紅茶を飲んだ。

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