8
「助かったぁぁぁぁ!!!」
アルザス兵たちの声が、平原に響いた。
キバもようやく肩の力を抜いて、息をついた。
「キバはやはりさすがだな。この絶体絶命の危機を、切り抜けるとは」
ルイーズがそう褒める。
「いや、これくらい全然だよ。実質ルイーズたちに助けてもらっただけだからね」
「謙遜するな。七王国の国王を味方につけて、利用して見せたのだ。なんたる策略家ぶり。恐れいった。これはますます、我が婿になってもらわねば!」
ルイーズは豪快に笑った。
「……いや、流石にそれは……」
キバはルイーズの勢いにタジタジになる。
これからラセックスとは密に連携をとっていくことになる。そうなれば、ルイーズからの猛アタックが続くことだろう……。
キバはそれを想像して少しだけ滅入ってしまうのであった。