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第6章-1 時空境界突破。交渉。そして冒険

「ジン様、お嬢様を止めなくてもよろしいのですか?」
《ダメそうだよ、ゴウ兄。七福神ロボ・モード2だけでなく、大黒天/弁才天からも全く反応がないんだよね。そうそう、困ったことにシマキジとトウカイキジも同様みたいでさぁー。宝船から発進させたら、コントロールが効かなくなったんだよねー》
 シマキジとトウカイキジは、宝船に搭載している大気圏宇宙兼用の輸送機である。
《ゴウにぃ~、宝船でアキトくんを助けようよ。ねぇ、早く行こうよ》
「構わぬ。彩香よ、風姫と共に一緒にセンプウの回収に赴け。それとアキトの状態は伏せておくのだ」
《どういう事だ?》
《まさか・・・アキトくん・・・》
 声が小さくなる。
《ゴウ兄、宝船はいつでも発進OKさ》
《よおぉーっし、往くぞ!》
「待て、お宝屋。汝らは輸送機の回収を急ぐべきではないのか? 早くしないと追いつかなくなるがな」
《アキトの命と、輸送機じゃ比べるまでもない》
「バイタルデータを送ってやろう。まずアキトの状態を確認するが良い」
《どうだ、千沙?》
《う~ん・・・もしかして眠ってる? それも安らかに・・・》
《良かった良かった。僕のお陰で、アキトが安らかな眠りについたという訳かな》
《どうしてアキトの状態を伏せたのだ。俺たちが納得のゆく説明をしてもらうぞ》
「うむ、説明ぐらい構わぬが、汝らの輸送機は構わないのだな」
 宝船からシマキジとトウカイキジが順調に離れていく。
《なるほど、それは構うな・・・翔太っ!》
《了解、ゴウ兄》
「まずは一つだけ教えてやろう。アキトの乗るセンプウから離れれば、リモートコントロールが可能になる」
 ジンは腕を組み威風堂々とした佇まいで、お宝屋に告げたのだった。
 ディスプレイに視線を送っている。
 しかし実際には、オリハルコンを通してディスプレイに表示されていない風姫の様子を注意深く観察していた。
 風姫が慌てるのは、想定内。彩香が風姫の安全を確保するのは、当然至極。さて、風姫は自分とアキトの安全を確保しながら、ユキヒョウに戻ってこれるか?
 宇宙空間での事故は一瞬で命を奪う。時間は必要となるが、体は再生医療によって大部分が元通りになる。
 しかし脳は、今の再生医療をもってしても、表面上の治療しかできない。脳に負ったダメージによっては経験や記憶、思考方法、体の使い方などは、2度と元通りにならない。
 コンピューターであれば、バックアップから情報を戻す方法がある。
 しかしジンや彩香のように、脳の情報をコンピューターの記憶領域に移植しても、脳に戻す方法は存在しないからだ。
 我が叩き込み、全身に染み込ませていった危機回避の準備と事前行動を漏れなく行使できるかな?
 慌てても良いのだ。焦っても良いのだ。ただし行動は正確無比に、思考には余裕がなければならぬ。
「ジィーーン! あれは何だ、何なのだぁあああああ。宝船とやらの外装は一体何なのだぁああああああーーー」
「我が知る訳なかろう。後でお宝屋に訊けば良いだけのことだ」
「なーらーばっ、ユキヒョウの測定機器と分析用AIを借りる。どれだ?」
 測定機器と分析用AIに接続できる端末を、ジンは顎でヘルに示し許可を与える。
「好きにせよ。我は、しばし別の作業を行う」
 そう告げると、コンバットオペレーションルームにあるジン専用シートに、目を閉じ身を委ねた。
 ただ、ジンは目を閉じたまま、ヘルが余計なことをしないよう釘を刺しておくことも忘れていなかった。
「緊急事態が発生してなら、ユキヒョウが我に伝える。汝は何が起きたとしても、我の邪魔をするな」
 実のところ、ジンにとって目を開けていようが閉じていようが、どちらでも問題ない。しかし目の焦点が何処にもあっていない上、ジンが瞬きもしないため、その姿見た者の殆どに恐怖を与えた。
 故にジンは、このシートに座る時、目を閉じることにしたのだった。
 この専用シートの中央には、高純度のオリハルコンが埋め込まれている。座ると、ジンに埋め込まれているオリハルコンの約半分が集中している位置になるのだ。つまりジンは座りながらにして、周囲の情報を誰よりも知ることがきる。
 そして風姫の行動を観察しながら、アキトの評価を始める。
 アキトは起床してから18時間後に、5時間連続シミュレーション訓練を実施した。その後、仮眠3時間でワープ準備に入り、お宝屋と遭遇。2時間後に、お宝屋の次男と模擬戦闘。その模擬戦闘1時間前からは、センプウの機体に通信装置と手打鉦を装備させ、神経を摩耗させるレベルの調整を実施。
 軍隊で訓練している訳でもないのに、サムライの操縦士として、この成長速度。悪くないな。ルリタテハ王国王家守護職五位としても恥ずかしくないレベルになった。
 しかし・・・だ。
 我がアキトを導く方向性はどうするか?
 風姫にとって、ルリタテハ王国にとって、好ましいアキトの将来は?
 ジンにとってアキトの意志は関係なく、風姫とルリタテハ王国の利益に沿って目的を決定している。その目的達成の為に、己の趣味や遊びの要素が加わるので、ジンの所業を第三者が理解できないのだ。
 そして、説明する気も理解される気も全くないのが、ルリタテハ唯一神”ジン”なのである。

「ならぬならぬならぬっ! 良いか貴様、耳の穴を貫いてでも良く聞けぇええ」
《ふむ、良く聞こえてくるぞ。狂人の戯言がなぁああああ》
「科学の発展に犠牲はつきものだ。人的被害でなければ、どうでもよいだろうがっ! 我が輩は七福神ロボを操縦し、分解し、隅々まで知り尽くしたいのだぁああああああ」
《人的被害がでるとしたら狂人1人だけなのだ。ならばぁあああ、俺達お宝屋は、七福神ロボをとぉーっる。さあ、早く自爆すればイイ。俺は一向に構わぬぞっ!!!》
「貴様、愚かにもほどがある。しかし、我輩は冷静にして理論的な科学者である。かなぁーり譲歩してやろう。宝船の外装を全て我輩に献上するのだぁあああああ」
 ユキヒョウのコンバットオペレーションルームで、ヘルが理不尽な要求を突きつける。お宝屋側ではヘルに対応しているのがゴウであり、理性的な会話になり得ない組み合わせだった。
《どこが譲歩で、誰が理論的な科学者だと? 俺達お宝屋と共に、長い間トレジャーハンティングしてきた宝船を渡す訳ないと何故わからないのだっ!!!》
 新造
「良いか大量のダークエナジーになればなるほど、封じ込めが難しくなる。しかしっだぁあ。宝船の外装は、ダークエナジーを貯蔵できるダークマターなのだぁああああ。つーまーりーっだ。その外装は、ダークエナジーの斥力を無効化してしまうのだぁあああ!」
《ふっはっはっははーーー。この宝船の装甲は、ヒヒイロカネを採用したのだ。宇宙広しといえど、恒星間宇宙船の装甲全部にヒヒイロカネを使っているのは宝船1隻。どうだぁああああああああああ》
「我輩がヒヒイロカネを研究すれば、100年は技術革新が進むだろう・・・。まさか、人類の未来の可能性を奪うというのか? そうか、貴様は人類の敵か? いや敵なんだなっ。良し、殺してやるぅううう!」
 ゴウとヘルの2人にジンの叱責が飛ぶ。
「喧しいっ! 汝らは理性的に理論的な議論をできないのか?」
 模擬戦闘終了から1時間近く経て、ゴウとヘル以外は漸く落ち着きを取り戻していた。
《理論的な話ができないのは、そこの禿頭だぞ》
「我輩は研究に全てを捧げている。全身脱毛は、その証であるのだぁあああああ」
 ジンは専用席から立ち上がり、ゴウの正面に映像が映るよう移動した。
「ヘルよ、汝は輸送機の準備をしておけ。ただし、持込は常識的な範囲内にするのだ、良いなっ!」
「無論だとも、我輩に間違いなどなーっい」
 ジンの顔が鉄面皮に覆われているかのように表情がなくなり、視線は物理的な攻撃力を有しているようだった。それは踵を返して、格納庫に向かおうとしていたヘルの行動を停止させた。
「ひとつ確認しておこう。汝の常識的な範囲とは何処までだ?」
「恒星間航法は保証する」
 ジンは視線でヘルに、まだまだ話しをせよ促す。
「我輩は船内の重力制御、環境維持機能関連に興味ない」
「訊き方を変えようか・・・汝は宝船で何をする気だ?」
「七福神ロボの操縦、機能調査、分解。無論、格納庫にある機器類も同様だ。そして、特に重要なのが宝船の外装の組成調査に強度確認。他にも興味を引く物のが見つかれば、実験し・・・」
「却下だ!!! 彩香、ヘルに輸送機の準備をさせる。武器弾薬以外のものを搭載せぬよう監視の任あたれ」
 彩香に通信を繋げ、ジンは指示を出した。ユキヒョウ船内にいれば、オリハルコンを通してジンと彩香は意思疎通が可能である。しかし、ヘルとゴウに聞かせる必要があるため、声に出して連絡をとったのだ。
『了解しました。ジン様』
 ヘルの話しの内容も問題が満載だったが、ジンの台詞には聞き捨てならない言葉があった。
《武器弾薬も必要ないぞ。俺たちを海賊とでも勘違いしてるのか?》
「人型兵器と戦えるコウゲイシを積んでおいて、ただのトレジャーハンティングユニットだと?」
《いいや、俺たちはルリタテハ王国一のトレジャーハンティングユニットだぞ。さあ、それより説明してもらおうか。アキトが勝利した理由とやらを、なっ》
 ゴウはお宝屋の代表として、勝敗の判定に誤りがないか、説明を求めていたのだ。それで勝敗が覆るとか、不正が発覚するとかを考えている訳ではなかった。ただ敗北の原因を想像するのではなく、確定しておき、今後に生かそうとしているだけだった。
 そして、その種の向上心をジンは好ましいと考えている。故に快諾したのだが、尊大な態度と勿体ぶった言い回しにより、お宝屋は多少誤解をしているようだった。
「まあ、落ち着くが良い。無論、説明してやる。しかし、汝だけで良いのか? 質問も受け付けてやるのだ。お宝屋全員で聞いた方が良かろう」
 少しだけ考えてから、ゴウはバリトンボイスの無駄に良い声でジンに対して不遜な返答する。
《ふむ、それで良いぞ》
 翔太と千沙にオペレーションルームへと来るようゴウが連絡しているのを、ジンは愉し気な表情で眺めていた。

 5分後。
 お宝屋3兄弟がオペレーションルームに揃った。ユキヒョウから送られてきた戦闘データの分析をメインディスプレイの半分に表示させ、あとの半分にジンを映していた。
 ゴウは宝船からユキヒョウへの映像の中央に映るよう、腕組みをして屹立している。翔太は分析装置の席に座り、ユキヒョウのディスプレイでは左端に映っている。千沙はゴウを挟んで、翔太の反対側にいる。
《分析結果に詳細が記載されているから、記載されていない内容を、語ってやろう》
 ジンがあたかも人の上位者として振る舞い、天の意志を告げるかのように偉そうな口調で話す。
 珍しくもゴウが口を挟まないので、翔太と千沙も大人しく耳を傾ける。
《汝らは徹頭徹尾、掌の上でアキトの策略に踊らされていたのだ。アキトの狙いはシンプルだった。七福神ロボの全機体を操縦するには、宝船にある専用機器が必要であるな。ならば、リモートコントロールを不可能にすれば良い。ユキヒョウには備え付けの通信装置と別に、高出力高機能の移動式通信装置がある。それを使用して指向性のジャミングを実施したのだ。無論、通信装置に装甲などないので、センプウの背中に括り付け手打鉦で防御することにしたのだ。背中にあるメイン推進装置が使えない分、4本のオプションスラスターで推進力を補ったのだ。使い古された言い方をすれば、戦いは始まる前に終わっていた。七福神ロボに対して、何時でもジャミングを実行できたのだからな。我によるアキトへの特訓の成果を確認したいが為、可能な限り戦闘で片をつけるよう指示したのだ。何より最大の失策は、未熟なスキルしか持たぬのに7機ものコウゲイシを同時稼働させたことだ。ただ、コウゲイシ7機を合体させた判断は良かったがな》
 一呼吸空いた瞬間に、ゴウはジンに尋ねる。
 ジンに呼吸する必要はない。しかし、お宝屋3兄弟は、呼吸の合間と認識していた。
「妨害電波によりリモートコントロールが機能しなかった・・・。それだけでは七福神ロボと”輸送機”以外の通信が可能であった理由が理解できぬぞ。ルリタテハ王国の標準周波数帯域の全体にわたる妨害電波では、通常通信も不可能になるはずだ。なぜリモートコントロールだけ通信不能になったのだ」
《ほう、良いところに目をつけたな。トレジャーハンティングユニットお宝屋の代表なのは伊達ではない、というところか。普段から真面目に生きれば、周囲からの評価が上がるだろうに・・・。まあ良い。知っているだろうが、アキトは憎たらしいほど悪知恵が回る。初見の相手でも、2手3手ぐらいなら先読み可能だ。知っている相手であれば、戦う前に、あらゆる局面での手を検討しつくしているのだ。今回の戦闘において、無差別で広範囲へのジャミングを実行しては、戦略戦術コンピューターが勝敗判定できなくなる。その状況を避けたかったというだけだ。もし撃墜されそうになったら、即座に無差別でのジャミングを実行しただろうな》
「なるほど、アキトは性格が悪くて、世の中を斜に構えて見る癖がある。その性格は先が見えすぎている故なのだな。俺は身を持って知っているぞ。それとな、確かに周囲からの評価は重要だと考えているぞ。評価が高ければ、契約金額も上昇するからな。だが、実力と評価が乖離している身の程知らずは、すぐに死神との対面が待っているぞ。トレジャーハンティングの世界は命がけだからな。それに俺には、評価以上に重要なモノがあるのだ」
《うむ、汝とって評価以上のモノとは何なのだ?》
「お宝屋の誇りだ。それとな、お宝屋にとって周囲とは、ルリタテハ王国全域でなく、クライアントからの評価だ。クライアントから適正な評価が貰えれば、別に構わないぞ」
《お宝屋の価値向上に、汝ら興味はあるか?》
「当たり前だろう。俺たちお宝屋は研鑽を怠ったりしていないぞ。常に時代と向き合い、情報を集め、貪欲に技術や技能、知識を身に付けている。ただな、仕事を楽しめねば命はかけられない」
 ゴウは口角を上げ、邪気だらけの満面な笑顔で嘯いた。
 お宝屋は仕事を楽しむ。
 その姿勢の所為で他人からの評価が落ちても、全く気にしない。クライアントには、実績をもって実力を示せば良いのだ。
《それならば、我の言う通りにせよ。もう一段階上の世界をみせてやる。その世界をみれば、汝らの問題点が明らかになる。どのスキルをレベルアップすべきか、分からせてやろう》
「何をするつもりだ」
《まず、能力不足のパイロットから訓練してやろうか。確か翔太だったな》
「いやいや、いやいや。能力不足の意味が、全く理解できないんだけどさ。ジンさんは、僕の能力の何を知ってるのかなー? 僕の問題は、僕自身が一番良く知ってるさ。だからジンさんの訓練は必要ないね。トレジャーハンターですらないジンさんには、トレジャーハンティングに必要な訓練メニューを用意できないよね?」
 軽薄な口調の中に、微かなイラ立ちが含まれている。
 親しい人たち・・・それこそ親兄弟、アキトでなければ分からないぐらいの微かなイラ立ち。
 つまり、翔太は相当イラついている。
 だがゴウは、翔太がイラつこうが、反発しようが全然構わないと考えている。お宝屋代表として、お宝屋の価値向上の機会を捨てるようなマネはできない。本当にお宝屋の価値向上に繋がる提案であれば、ムリヤリにでも翔太に訓練を受けさせるつもりでいる。
 無駄な提案には全力で断るつもりでいるが・・・。
「翔太のマルチアジャストは、能力不足なの~?」
《人類で唯一といって良いぐらいの強力なスキルだな》
「良かった良かった、それなら訓練の必要はないね」
 ゴウは静かにシンの真意を知ろうと、
《使い方と使いどころを汝は心得ていないのだ。マルチアジャストというスキルの特性を、汝は全く理解していないようだな。愚かとしか言いようがない》
「どういうことかな? もちろん証明してもらえるんだよね?」
《まずは、その思い上??りを訂す必要?????るようだ》
「思い上がりだって? ・・・どこに思い上がりあるっていうのさ」
 ジンは傲岸不遜な態度でほくそ笑み、翔太は精神的な余裕を失っていた。
「大体さ、マルチアジャストのスキルを持っていないヤツに・・・」
 途中で翔太の台詞が、ゴウの豪快な笑い声に遮られた。
「ふっはっはっははーーー。まったくもって珍しいことだぞ。言葉遊びで翔太が負けるのはな」
 ゴウはディスプレイに正対していた体を横にし、翔太に視線を向けていた。
「ゴウにぃ~、あのね・・・」
 とりあえず場を落ち着かせようと、千沙は口を挟んだ。しかし、ゴウは止まらない。
「さあ、翔太。刮目し、一段上の世界とやらに飛び込め。タダで人から教えてもらえるのだぞ」
 ゴウは、わざわざ”タダ”と”人”という言葉を強調し、翔太に向けて言い放った。その意図がキチンと伝わったようで、翔太は落ち着きを取り戻していく。
「ゴウ兄。・・・ジンさんは、人じゃないらしいけどね」
 もちろん、あんな衝撃的な発言を忘れるわけないぞ。だが、忘れたかのような台詞を吐く。
「なにっ、そうなのか?」
「惑星コムラサキでの本人の言が、正しければさ」
「うん。そう言ってたよ~」
《無料だとは一言も発した覚えがないな。しかし感謝するが良い。無論、無料で訓練してやろう。翔太、汝の問題はマルチアジャストによる反応速度に頼り切り、精密精確な操作ができないところにある。トライアングルやオリビーの操縦なら、機能が少ないため問題にならない。しかしだ。コウゲイシのように機能の多い機体を乗りこなせていない。それは段取力が足りないからだ。まずは身を持って知ってもらおう。弁才天で出撃するが良い。今すぐにだ》
 宝船と七福神ロボの見学を後回しにして、何故か翔太の訓練が先になった。この決定に異を唱えるような命知らずは、ヘルだけであった。
 しかし、ヘルがどんなに騒ごうとも、ジンが気まぐれに決めた事でも、”神”の意志は絶対であった。
 ジンは”ルリタテハ王国の唯一神”であり、現ロボ神である。ただ、一条家と高級官僚の間では、死神とか疫病神の類だと断定されているのだが・・・。

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