• エースの背中  外部URLを開く

    滝川 誠

    テレビを見る僕の後ろで、通りすがりの誰かが言った。

    「お、今年は最下位じゃないね」

    テレビには『全国高校駅伝大会』の中継が流れている。今、僕らの県のチームがゴールした。他人事のように言ったその人はもういなくなっていた。僕らの県は45位だった。47チーム中の45位・・・・。
    僕らの県は大体がその辺りの順位だ。僕はそんな県の、本島から離れた小さな島で、毎日駅伝の練習に明け暮れている。あのテレビに映し出された憧れの舞台に立つ事を夢見て。
    でも、同志は少ない。僕と3年間ともに練習してきたのは1人だけ。この島で、本気で駅伝だけをやっている人は希だった。
    そんなこの島に1人のランナーが東京からやってきた。速かった。その人はとんでもなく速かった。僕と同い年で、彼は出場する駅伝大会で次々と記録を打ち立て、遂には全国大会で区間新記録まで打ち立ててしまった。
    そんな彼が島の高校に進学する。
    その噂を聞いた僕は、即決で彼が進学すると噂される高校への進学を決意した。
    憧れの舞台、『都大路』で走るために・・・・

    2クル

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