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きょうのきのう

たっくんは、最近お母さんんかから買って貰ったフラフープに夢中です。

何回練習しても、4回で輪っかが落ちてきます。
輪っかがまわるタイミングに合わせて腰を回したり、
足を大きく広げて、輪っかを回しながら反対方向に腰を回したりと、
たくさん練習するのですが上手くいきません。


とうとうたっくんは怒って、フラフープをほうり投げました。
「こんなのインチキだ、何回やってもすぐ落ちるし、
こんなの使えるやつは、きっとタコタコ星人なんだ!!」
手とおなかにタコのようにすいつく吸盤があるに違いないと想像しているのです。

最期にもう一回だけ回しておくか、この僕に出来ないことは
無いんだ!!!
出来ないのに、たっくんは強気な男の子なのです。



1回、2回、良し、3回、良いぞ、やっぱ僕は天才だ!!!
にやにやしていると、フラフープから声が!!!

「さっきはよくも投げたな、イタかったぞ、サービスはここまでだ!!
時間の中に閉じ込めてやる。」


たっくんは、気づけば昨日の黄色い服を着ていて、昨日遊んでいたナオちゃんがいます。

昨日、ナオちゃんに、「たっくん、ださーい、もっと何でも出来るんだと思ってた」
と言われ、たっくんのプライドはずたずたでした。

ナオちゃんは可愛いくて、たっくんは将来のお嫁さん候補だと思っていただけに
ショックでした。

が、今は、ナオちゃんが目の前に、そして、今は3回、回せたのです。

よし、今の僕ならいける!!!

たっくんははりきって、足をふんばり、フラフープをおへそに合わせ回し始めました。
1,2,3,ドキドキ、よし、良いぞ、僕。
4,5,6・・・よっっっし!!!やっぱり僕は天才だ!!!

ナオちゃんが「たっくんすごーい」と褒めてくれました。

そのとたん、フラフープは「くそ、生意気に俺を使ってモテやがって、おもしろくねー」
と、気づけば、今日の青い縞模様の服に戻り、一人っきりです。

あーーー!!!!
このフラフープ!!!!、ナオちゃんからほっぺにちゅうされたかも知れないだろ!?
と怒りたかったのですが、オンナはみんなこんなことで態度をかえるんだなっとしって
しまいました。

たっくんは、またいっぽ大人に近づきました。

                                おしまい。






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