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「じゃ、歌うよー」

 僕のそれを合図に僕と瞳は手をつなぎ一緒に歌った。

「はっぴばーすでぃとぅゆー
 はっぴばーすでぃとぅゆー
 はっぴばーすでぃとぅゆーはまぁなー
 はっぴばーすでぃとぅゆー」

「愛おめでとぉー」

 僕と瞳は声を合わせてぱちぱちと手を叩いた。

「ありがとー」

 僕と瞳は、買ったばかりのケーキを口に含んだ。
 だけど、愛は見ているだけ……

「愛は、ケーキ食べないの?」

 僕の言葉に瞳が言葉を続ける。

「モンブラン嫌いだった?」

 愛は、静かに首を横に振る。

「うんん。
 お腹、いっぱいなんだー」

「そっかぁ。
 じゃ、冷蔵庫の中に入れとくね」

 瞳は、愛の分のケーキを冷蔵庫の中に入れようとした。

「あ、よかったらお兄ちゃん食べていいよ」

「え?」

「私、実は今日退院出来るんだー」

「何?そうなのか?」

「うん!」

 愛は、嬉しそうに笑った。

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