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 僕が、先生と一緒に愛の部屋に戻ったとき……
 愛は、血を吐いていた。

「愛!愛!愛!」

 瞳は、涙を流しながら愛の名前を何度も呼んでいた。

「愛ちゃん、大丈夫?
 すぐに救急車呼ぶからね!」

 先生は、携帯を取り出すと救急車を呼んだ。
 救急車が来て、愛が病院に運ばれるのを僕と瞳は、大人しく見ていることしか出来なかった。

 愛が、乗った救急車が見えなくなった。
 僕は、怖かった。

「僕のせいだ……
 僕がらくがきなんてしないで、すぐに布団を掛けていれば……」

 僕は、悔しくて悔しくてつらかった。
 瞳は、ただ黙って僕のことを抱きしめてくれた。

「泣いてもいいよ?」

「泣くもんか……」

「じゃ、私が代わりに泣くね……」

 そして瞳は、声を出して涙を流した。
 大きな大きな声だった。

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