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「そう言えば、去年のバレンタインのチョコの数も俺より少なかったもんな!」

 菊池のことばが、僕の胸をえぐる。

「チョコなんて、瞳以外から貰ったことないな……」

「そうなの?
 じゃ、今年は、私があげるね」

 澪が楽しそうにそういった。

「私もあげます」

 水谷さんもそう言ってくれた。

「ありがとう」

 でも、嬉しいような悲しいような。

 そんな、感じで昼休みは終わり放課後があっと言う間にやって来た。

「今日の昼休み、楽しかったです」

 水谷さんが、楽しそうに言った。

「そっか、それは良かったよ」

「あんな大勢でお弁当を食べたの初めてかもしれません」

「そっか……」

「ものすごく楽しかったです」

「うん。
 友だちは多いにこしたことはないね」

「……うん
 でも、その友だちを失ったとき……
 その悲しみは大きいはずです」

 水谷さんは、何を言っているのだろう?

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