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106

「乙女って誰?」

「私よ。
 わ・た・し」

「大丈夫ですか?」

 水谷さんが、心配そうに俺の顔を見た。

「大丈夫じゃない……」

「奈々ちゃん、そんなヤツ無視してお弁当を食べようよ」

 そっか、僕の分は無いんだった。

「はぁ。
 じゃ僕は、食堂に行ってくるね」

「あ、待って……」

 僕が、起き上がると水谷さんが僕の制服を掴んだ。

「私のお弁当食べませんか?」

「え?」

 僕は、耳を疑った。

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