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17話 飛んでます


 宇宙空間に小型ジェット機が姿を現した

「よし、着いたぞ何とか成功だ」

 窓から外を見るとそこに惑星があった、南極北極は白く陸地は惑星のほぼ全域を覆っている、その陸地はほぼ均一な緑に覆われていて森林地帯が大部分を占めていると思われる、海の青い色は陸地の隙間に所々点在している、海が多い地球とは違いここは陸地が多い、さしずめ緑の惑星と言ったところか。

 彼女たちを見ると一瞬の出来事に理解できていない様子である、前回の光速移動は気絶していたので、実質今回が初めての体験だ。

 34年の時間が過ぎているが時間が止まっていたのでほんの一瞬の出来事である。

 麻衣が窓際まで移動したいのかシートベルトを外し立ち上がる、しかし立ち上がる事は出来ず、足はそのまま床を離れ座ったままの姿勢で天井に激突した。

「い、いたい」
「言い忘れたが無重力だからな、勢いをつけて立ち上がるとそのまま飛び上がるぞ、そして笑える行動と絶景をありがとう。
 と言っておこう」

 そう言いながら俺は円錐形状で広がりフワフワしているスカートと中身を見ている、この無重力状態でのスカートがフワフワしている姿は相変わらずの絶景である。
 麻衣は俺の言葉で気がつき両手でスカートを抑える、するとその反動で体が回転を始め飛行機前方に移動していく「わぁああああああ」と可愛い声を出しながら。

 瑠偉を見ると右手で座席をつかみ左手でスカートを抑えている。

「そんなに、気にするならスカート履かなくても…」

 と俺は瑠偉の見ながら言った

「足がみじ・・・いえ、何でもないです」

 と瑠偉は途中で言いかけてやめて右手で口を押えてる、胸は若干残念だが腰からのお尻の形はいいのにな、脱がしてみたいな・・・

「絶対にありえませんから、ホントに刺しますよ?」

 と瑠偉はこちらを睨んでいる。

「え? な、なんおことかな?」 うっ、かんだ・・・
「わ~、浮いてるよ~、凄い凄い!」

 美憂は手で座席のつかみ足は平泳ぎをするように動かし座席の上を器用に飛び回っている、そして窓際に移動した。

「あれ地球? 帰ってきたの?」
「美憂、陸地の形違うだろ? 海も少ないし・・・」
「そう言われてみるとそうかもしれない・・・宇宙から地球を見たことないし」

 美憂は両手で窓枠にしがみついて外を見ている。
 なるほど、瑠偉が成績を聞くなと言ったのはこう言う事か、宇宙から地球を見たのは限られた人しか見れてないが、写真とかで見たことあるだろうに?
 しかしよく高校に入れたな・・・まぁ、運動部の推薦枠だろうな。

 瑠偉を見ると彼女は外を見ている、しばらくして俺の方に振り向く。

「地球に似ていますね・・・陸地がほぼ緑なのが引っかかりますが?
 大丈夫ですよね、兼次?」
「大丈夫だよマックスパワーの8割ほど使ったが失敗はしていない・・・
 はずだから場所はあっている・・・と思う」

 自信なさげの俺の言葉を聞いて瑠偉は眉間にしわを寄せ再び窓から外を眺め始めた。
 麻衣はスカートを抑えながらまだ回っていた、壁にぶつかりそうになると足や手で衝突を防ぐ、しかしその反動でまた反対側に飛んでいく、それを何度も繰り返していた。

「なんとかしてよー、止まらないよー、戻してよー」
「よーし、では手をスカートから離したら座席に戻してやろう」
「いじわるぅー、さっき見たでしょ、もぅ・・・」

 そう言いながら麻衣は天井に頭がぶつかった

「い、いたい・・・戻してよ・・・うぅ」

 力で麻衣の体を捕獲するとそのまま窓際の座席まで移動させ座らせる。

「ほらよ、座ったらシートベルトしとけよ」
「おおおおお、すげーーーーーーーーー、すごいって、すごいってば」

 麻衣は座ると同時に顔を付け外を見て奇声を発しながら狂乱を始めた。

「よく見とけよ、二度と見れないからな景色だからな、ではこのまま近づいて大気圏のすれすれまで移動するぞ」

 彼女たち声をかけるが気づいてない様子で窓から外を無言で眺め続けている。

「これが、初体験と言うやつか・・・」

 反応は無しか、まぁ、いいか・・・進もう

 俺はその惑星に向けて飛行機を移動させると飛行機が徐々に加速してく、手ごろな速度になった所で力を解除する、すると飛行機はそのままの速度を保ったまま惑星に接近していった。

 飛行機はその惑星に近づくにつれ、惑星の輪郭が少しづつ大きくなっていった。

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