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パンだ君の受難

ちなみに、ゆうとパンダ君は、コンビニのお弁当を作る仕事をしていた。

生活がかかっていたので、時給1000円の深夜のアルバイトをしていた。

仕事はシフト性で、二人とも週3~5回入っていた。

時間は22時から翌朝の5時までだった。たまに残業もあった。

彼らの安アパートの家賃は、一か月50000円だった。

かなり築が立っていたが、2Kのいい部屋だった。

二人はつらいこともあったが、それでも協力して、たのしい日々を過ごしていた。

家賃、光熱費、食費、雑貨、こずかいを計算すると、いつもギリギリの生活だった。

しかし、それは、猫のカウカウさんも同じだった。

彼もいつもギリギリの生活をしていた。

カウカウさんの場合は、朝8:30分からデパートの掃除の仕事5時間をしていた。

後はパソコンで、イラストの仕事をしていた。

これは高い報酬を得られたが、先月から、今月にかけて、あまり多くのイラストの

仕事が入ってこなかった。

そのため生活がかなり困窮していた。

そんなときたまたまあった、ゆうが、宝くじをあたったからと言って、いきなり友達かもしれ

ないが、200万円も上げるというだろうか・・・・・・

最初はもらわないつもりだったが、ゆうたちの温かい心に触れて、感極まって、泣いてしまっ

たのだ。

ゆうとパンダ君とカウカウさんは、笑顔になりいろいろな話をした。

そして、カウカウさんも食事の後、ゆうのうちに行き、宇宙旅行に一緒に行くことを約束し

た。

そうしているうちに、三人分のカレーライスをペンギンさんの定員が持ってきた。

店員は言う。

「お待たせしました。お客様、甘口カレー一つ、野菜カレー一つ、辛口カレー一つ、

はい、お待ちどうさまでした。

注文は以上でよろしいですか・・・・・・」

と言った。

パンダ君が「ハイ」と笑顔で言った。

店員は「ごゆっくり」と言い、笑顔で一礼してから厨房に戻っていった。

カレーの美味しそうな香りが、三人の食欲を注い満たしていた。

三人は「いただきマース」と言ってスプーンでカレーをいただいた。

ゆうが「ほう」といって「うむ、これはなかなかの味だ。うん、いゃ、おいしいね、カウカウ

さん、このお店あたりだね、このお店に来てよかったよ、本当にありがとう」

と言った。

カウカウさんは喜んだ。

カウカウさんは言う。

「ゆうくん、この野菜カレーも本当においしいよ、町で結構噂されててさ、いやよかった、

おいしいね」と笑顔で言った。

そんな中、一人、パンダ君だけが、額に冷や汗をかき、スプーンを持った手が、微妙に

震え、動きが止まっていた。

目が怖く、血走っていた。

ゆうとカウカウさんがそれを見ていると二人は思った。

「あーやっぱしな」

パンダ君の目はそのあまりにも辛いカレーのため、涙を少し浮かべていた。

まあ、甘口、大好きなのにむりして、辛口カレーなどだ食べたからだった。

パンダ君は言う。

「う、うん、このカレーすごくおいしいね、大人の味だ。」

そういって、左手で、目をぬぐう。

ゆうがばつの悪そうに言った。

「パ、パンダ君、おいしいかね、で、でも、この甘口のカレーも絶品だょ。少し食べてみない

かね」

パンダ君は二人に作り笑顔をしながら言った。

「か、カウカウさん、ありがとう。このお店に来てよかったよ。それとゆうくん、ぼ、僕は、

このカレーが気に入って、味わっていたいから、いらないよ。ありがとう。」

カウカウさんは言う。

「う、うん、おいしそうだね、でもさ、この野菜カレーもとってもこくがあっておいしいから

少し食べなよ。辛口カレーばかりじゃ、飽きるでしょう」

パンダ君は首を横に振り、いいよ、と言った。

カウカウさんはパンダ君の表情を見て、いかにも無理して食べてるなと思い、少し罪悪感を感

じてしまった。もっと、あの時、甘口カレーが絶品なんだよと言っておけばよかったと思っ

た。

カウカウさんの額に冷や汗がにじんでいた。

ゆうとカウカウさんはそれ以上何も言えず、かたずをのんで見守ることにした。

下手になんか言うと、キレそうな顔をしていたからだ。

パンダ君は店員さんを捕まえて、水の入った、大きなボトルをくださいといった。

店員さんは、たまにいる、こういう無理するお客さんにたいして、今度から看板に本当に辛い

ので、辛口が大好きなお客様専用、と書き直したほうがいいなと思い、あとで、店長にいって

おこうと思った。店員さんは、苦笑いをしながら水のは言ったボトルを持ってきて、置く。

「ああ、うちのカレーは本当に辛いからなーと思いながら、ご愁傷様と思って、去っていっ

た。

三人は、会話もせずに、静かに食べることになった。

パンダ君は言う。

「ち、ちよっと、トイレに行ってくるね」

と言って、席を立つ。

途中の通路に設置してあるジュースの自販機で、甘い桃のジュースを買った。

トイレに入ると誰もいなかった。

パンダ君は、カンを開けて一気に飲んだ。甘いジュースがこれほどおいしいと思ったのは久しぶ

りだった。

パンダ君は泣きながら思った。

「こんなことならば、無理して食べるんじゃなかった。か、辛いよー、ゆうくんとカウカウさ

んのカレーを食べたいよー」

パンダ君は心の底から思った。

「二度と辛口カレーなんか食べるもんか」

パンダ君はついでにトイレをして戻ろうと思った。

ゆうとカウカウさんは話していた。

ゆうが言う。

「カウカウさん、どうやら本当にここのこのカレー辛いみたいだね」

カウカウさんは言う。

「うん、本当に辛いらしい。ちょっと失礼して一口食べてみるね」

カウカウさんが、パンダ君の頼んだ辛口カレーを一口食べてみると、顔が歪んだ。

カウカウさんは言う。

「うん、僕はこのカレー絶対無理。パンダ君これ食べるつもりかなー」

ゆうは言う。

「パンダ君、今日はテンション高いからなー、たぶん無理して食べると思うよ。」

そんな話をしていると、パンダ君が帰ってきた。

瞳は泣きはらしたように赤くなっていた。

パンダ君は無理して笑顔を作っていう。

「さ、じゃあ、このおいしいカレーを全部いただくか」

手が心なしか震えていた。

ゆうとカウカウさ難はもうカレーを全部食べ終わっていた。

そして二人は煙草を吸いながら、ゆうはパンダ君に言う。

「ま、時間はたくさんあるしさー、ゆっくり食べなよ。もしもお腹がいっぱいなら残して、そ

ろそろいこうか」

と心配そうに言った。

だがパンダ君は言う。

「な、何言ってんの、残したら持ったないじゃないか、とりあえず元は取らないと」

とわけのわからないことを言った。

ゆうたちは、煙草を吸いながら見守ることにした。

パンダ君は辛口カレーを少しづつ、食べながら、水を大量に飲んで、間食した。

目が死んでいた。

パンダ君は言う。

「あー美味しかった、ごちそう様〛

パンダ君は煙草を吸いながら右手で、胃のあたりをなでていた。

そして[じゃあ、そろそろ行こうか」と言った。

三人はレジに向かう。

レジで、清算していると、店員さんが、割引のチケットを三人分くれた。

こうして、三人の昼食は終わった。

店員さんが、「ありがとうございマース」といって、見送ってくれた。

早くここを出たかった、パンダ君が扉を開けようとすると、やけに重たく感じていた。

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