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一瞬即発、楽しい仲間

ゆうは考えた末、総支配人に言う。

「ありがとうございます。ただ今日は本当に忙しいので、後日改めまして、いろいろな投資な

どを検討してみたいと思います。

今日のところは、普通貯金にしていただきたいと思います。よろしいですか」

総支配人にさっきが走った。彼は心の中で考えた。

「くそ、このガキめ、たまたま宝くじに当選したくせに、この俺の提案を飲めないというの

か、まさか、俺がこいつらをだまして投資させようとしていることに気付いたのか。

いゃ、見たところ、年も若いし、そんなに身振りもたいそうなものじゃないな・・・・・・

からくりを知っているとは思えんし、ここは一気に押してやるか、このくそガキどもめ、

だいたい、お前らみたいなやつらがこんな大金を持つこと自体許せん。よのきびしさをおしえ

てやるか・・・・・・」

そう考えながら総支配人は、笑顔で言う。

「いゃ、お客様、どのようなご用事があるのかわかりませんが、今、投資の株を買っていただ

かないと、もう売り切れてしまいます。あまりお時間はかけませんので、投資の話だけでも聞いて行ってください。お願いします。」

総支配人とゆうの中で殺気が走った。

それを見ていたパンダ君はやっと冷静になった。

パンダは思った。

「あ、ゆうくんが本気で怒り狂っている、なんだろう、この支配人もなんか怖いし、

どーしょー。あ、そうだ。」

パンダは機転を利かせて二人に話した。

「ゆーくん、もう友達の結婚式に行く時間だょ。これ以上時間に遅れたら大変だ。

支配人さん、今日は、友達の結婚式があって、もう時間に遅れている状態なんです。

ま投資の話は、また、後日ということで、そろそろ失礼します」

パンダの話に総支配人は心の中で、舌打ちした。

だが、あくまでも笑顔のままで言う。目が魚と化が死んだような目をしていた。

「そうですか、結婚式ねー、わかりました。では、このお金は普通預金で預からせていただき

ます。後日、来られることをお待ちしております。

そういい、頭を下げ、一礼した。

そんな二人を見ていた、女子社員やガードマンは息をのみ、安堵した。

女子社員は強引な総支配人が本当に嫌いだったし、ガードマンのくまさんたちも、自分たちを

見下して使う総支配人をよく思っていなかった。

パンダ君の機転で、ゆうたちは難を逃れた。

ゆうたちは部屋から出て、とりあえず普通貯金の手続きをした。

そして、そこからお金を800万円ほど引出してお金の入った封筒をカバンに入れる。

ゆうたちは銀行を後にした。

ゆうは言う。

「パンダ君、ありがとう、君が機転を利かせてくれたおかげで、難をしのげたよ。」

と笑っていった。

パンダ君は不思議な顔をして夕に聞いた。

「なんかさ、さっき二人のまで、殺気が走っていたけど、いったいどうしたの」

「ああ」とゆうは言った。

「あのね、パンダ君、彼の話は全部ウソだよ。もしも話を聞いていたら強引に投資されただろ

う。しかしね、今のご時世の中、旨い話はないな・・・・・・」

「なるほど」とパンダ君は言いゆうのことを改めて感心した。もしも、あの時話を聞いていたらと思うとゾッとした。


とりあえず、お金も入ったし、何かおいしいものでも食べようか」

パンダ君は笑顔になった。

「うん、なんかおいしいものを食べたいな、何を食べようか」

二人は何を食べようか考えていた。

そのとは二人に声をかける人物がいた。

「おー、ゆう君にパンダ君、ひさしぶり、なにしてんの」

二人の友達である猫の飼カウカウさんだった。

ゆうが言う。

「あーカウカウさん、久しぶりだねー、今ちょうど何を食べようか決めかけていたんだ」

カウカウさんは笑顔で言った。

「そうか、僕も何を食べようか考えていたんだ、あのね、近くに新しくできたカレー屋さんが

あるんだけど一緒に行かない」

パンダ君が言う。

「ふーん、カレーか、おいしそうだね、僕は食べに行きたいけど、ゆう君はどうする」

ゆうは少し考えてから言った。

「うむ、カレーかね、そういえばこの頃食べてなかったな。いいよ、三人でカレーを食べよ

う」

カウカウさんは笑顔で言った。

「そう、じゃあ行こうか、何でもおいしいらしいよ」

こうして三人はカレーを食べることになった。

ゆうは定員に言う。

「甘口カレーが一つと野菜カレーが一つ、最後に辛口カレーが一つください。」

ペンギンの定員は笑顔で言った。

「ご注文は、甘口カレー一つ、野菜カレー一つ、辛口カレー一つ,以上でよろしいでしょう

か」

パンダは言う。

「はい、お願いします」

定員が言う。

「お水はセルフサービスとなっていますので、あちらでどうぞ」

カウカウさんが言う。

「わかりました」

定員は一礼していった。

「では、ごゆっくりどうぞ」

そういって去っていった。

ゆうは席を立ち「水を三人分持ってくるよ」と言った。

二人ともありがとうと言った。

パンダとカウカウは煙草を取り出して吸った。

カウカウさんが言う。

「いゃーしかし、こちらの状況はギリギリだよ」

カウカウさんのお仕事は小説やいろいろなもののイラストレーターをしていた。

知名度こそなかったが、その絵は確かなの絵だった。

ただ、インターネットで仕事を募集しているので、なかなか仕事の依頼が来なかった。

パンダは言う。

「イラストレーターてすごい仕事だと思ったけど、やっぱり難しいんだ。」

カウカウさんは、上を見ながら言った。

「まあね、僕だけがイラストレーターじゃないしね。それに機材を集めるのも大変なんだ。

僕のパソコン古いしさ」

「そうか」とパンダが言った。

そんな話をしていると、ゆうが水を持って帰ってきた。

席に着き、彼も煙草を取り出して吸う。

ゆうはなんの話をしていたのと聞いた。

カウカウさんが説明すると、ゆうは少し考えてからしゃべった。

「なるほどね、確か前から新しいパソコンを欲しいって言っていたもんね」

カウカウさんは頭をかきながら言う。

「んーでもねー、僕さ、あんまり貯金ないしねー、それに僕の欲しいパソコンは高くてさー、

60万円くらいするんだよー、あのパソコンがあればなー。」

パンダは思った。

「そろそろ、ゆう君が動き出すな・・・・・・」

ゆうはまた考えてからしゃべった。

「カウカウさん、そのパソコンさー、何とかなるかもしれないよ」

カウカウさんは目を輝かせていう。

「どういうこと、どこかで、セールでもしているの」

ゆうは「いや」といいニヤリとした。

カウカウさんはゆうの話に興味津々だった。

カウカウさんは考えた。

「ゆうくんの事だから何かいい方法でもあるのかな、例えばくじ引きとかで、高価なパソコン

が当たるお店を知っているとか」

カウカウさんは目を輝かせていた。

ゆうは話を切り出した。 パンダは息をのむ。

「カウカウさん、今から話すことを冷静に聞いてほしい。いい」

といって、カバンからペンとノートを取り出した。

ペンで紙に書き始める。

「カウカウさん、実はね、今日の朝新聞を見ていたら宝くじが一等六億円当たった。

だから私がカウカウさんに、資金援助する。

とりあえず、今、八百万円あるので、二百万円ほど援助したいのだが、それでいいかね」

さすがにカウカウさんは驚きを隠せなかった。

この非現実な話についていけない。

しばらく頭を抱えていると、やっと冷静になって、ペンで紙に書いた。

「いゃ、本当に驚いた、だっていきなりだもん、しかし、ゆうくん、ありがたいけどその申し

出だけで充分だよ。僕はお金はいらないよ、だってそういうものは自分で稼いで買ったほうが

嬉しいもん。」

と書いた。

なるほどと、ゆうとパンダは思った。

今度はパンダ君が書いた。

「でもさ、カウカウさん、別にカウカウさんの悪口でもなくてさ、ゆうくんは、ほら、

あんましお金に興味ないでしょう。彼の考えではお金は手段の一つで、たまたま当たった

お金が大金過ぎたので、使い道に困っているだけなんだよ。確かにカウカウさんは正しいけど、助けると思って、お金を受け取ってくれない。」

と書いた。

ゆうも「うん、うん」と頷いた。

三人は顔を見合わせると、カウカウさんが紙に書いた。

「本当にもらっていいの」

ゆうが書く。

「ああ、もちろんだとも、というか、こんなにお金があっても使えないよ」

と書いた。

カウカウさんは涙がにじんできた。

右手でなみだを拭う。

そして笑顔になって、紙に書いた。

「本当にありがとう。実はかなり今月ピンチだったんだ。助かった」

三人とも笑った。

ゆうは紙に書いた。

「では、お金はここで上げるのは無理なので、食べ終わったら私のアパートに来てほしいのだが、いいかね」

カウカウさんは嬉しそうな顔をしながら書いた。

「わかった。君のうちにお邪魔するね」

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