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 何もない白い空間。
 そこには、その子と大好きな人のふたりしかいない。

「ねぇ
 ゆびきりをしようか?」

「ゆびきり?」

「私が死んでも強く生きるって約束の指切り」

「ヤダ!お姉ちゃん死なないで!」

 大好きな人は、震える手で小指を差し出した。

「ゆびきりげんまんしよ…?」

「君は、もっと強くなることをお姉ちゃんと約束して」

「うん」

 その子は、涙を流しながら軽くうなずいた。
 その子は、涙を拭いて小指を差し出した。

「ゆびきりげんまん、嘘ついたらハリセンボン飲ます。
 ゆびきった」

 大好きな人は、ニッコリをほほ笑むと動かなくなった。
 先ほど触っていた手から温もりと言うのが消えていく。
 消えていく温もり……
 それが、何よりも怖かった。

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