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「わかってるよ……」
本当に、心配性な奴だな。
僕は、素早く服を着替えると部屋を出た。
そこには、顔を赤面させた瞳が待っていた。
「早いね」
「男だからね」
「じゃ、下に降りよう。
お母さん、玄関で待ってるよ」
「うん」
僕たちは、玄関に向かった。
「寝坊助やっと、起きたわね」
「あはは……
まだまだ眠たい年ごろなんで」
「じゃ、母さん今日から半年ほどアメリカ行っちゃうけど、喧嘩しないで仲良くしなさいよ」
「はい」
瞳が返事をする。
僕もそれに合わせて返事をする。
「お金は毎月通帳に振り込んでおくからね。
瞳!真白の事をよろしくね」
「任せて!」
瞳は、胸を這って言った。
「お仕事、頑張ってね」
「ありがとう」
僕がそう言うと母さんは、そう言うと玄関を出て車に乗り去って行った。