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 あいうは、思った言葉を口に出す。

「恋愛禁止って、アイドルみたいですね」

「何を言っていますか?
 地球のアニメも魔法少女のほとんどは、恋愛していないでしょう?」

「そんなことないよ!
 セーラームーンとか恋しちゃっているよ!」

 するとブリ男が、ニッコリと微笑む。

「そのセーラームーンのタイトルをフルで言ってみてくださいな」

「美少女戦士セーラームーン」

「そうです!
 彼女たちは魔法少女ではありません!
 戦士なのです!」

「せ、戦士なんですか?
 じゃ、レイアースは?」

「それも正式名称にヒントが隠されています」

「|魔法騎士《マジックナイト》レイアース……
 魔法がついているよ?
 この人たちは魔法少女だよね?」

「ノンノンノン違います。
 彼女は|魔法騎士《マジックナイト》。
 つまり騎士なのです!
 魔法が使える騎士です!
 しかも、ロボットに乗って戦ったりもしているので魔法少女とは、ちょっと違うかもしれませんね。
 あ、ちなみに魔法少女でもロボットに乗って活躍していらっしゃる方もいますので、あいうさんにも用意しますね」

「えっとえっと……」

 あいうは、魔法少女の中で恋をしている女の子を探す。
 しかし、思いつかなかった
 そして、最後の力を振り絞って答えを出す。

「ウェディングピーチ!」

 するとブリ男の目が丸くなる。

「さっきから古いアニメばかり言いますね。
 ウェディングピーチの正式名称は、愛天使伝説ウェディングピーチ。
 天使ですね、そして職業は花嫁です」

「わ、私も可愛い花嫁さんになりたいです!」

「花嫁さんになるのは、大人になってから……ですよ!」

 ブリ男は、ビシっと人差し指を向けた。

「うわぁぁぁぁん!」

 あいうは、声に出して涙を流す。

「とりあえず、最初の試練です。
 スライムが12匹ほど現れるので倒しちゃって下さい」

「12匹?
 そんなに!」

「大丈夫です。
 あいうさんなら、やれます!
 そこで、あいうさんの適性を見抜きますので死ぬ気で戦って下さい」

「えー。
 失敗したら、死ぬのですか?」

「もちろんです。
 でも、死なないようにしてくださいね。
 貴方は、魔法少女ブリキュア……
 いえ、魔法少女あいうです!
 存分に戦うのです。
 魔法は自然に心から湧き出るものをそのまま唱えて下さい!」

 ブリ男は、そう言うとあいうの後ろに回った。
 それと同時にスライムが12匹現れる。

「ニンゲン、オンナ……チソウ……」

 スライムがカタゴトの言葉で話すとあいうが驚く。

「え?しゃ、喋った!」

 スライムは、あいうに向かって口から酸を吐き出した。
 酸は、あいうに命中した。

「熱い!」

 あいうが、悲鳴を上げた。

「さぁ、早く倒さないと骨ごと溶かされますよ!」

「それは嫌です!」

 あいうは、拳を構えた。

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