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第10話ー社長ー

久しぶりの風呂を終え、服装も着替えた。
これで面接?に臨めるだろう。
着替えた洋服を自宅に置き、第1階層西へと向かう。
途中でブランチにふさわしい、パンケーキ屋に立ち寄った。
そういえば、ここの所アサシンさん達見てないな。どこかに行っちゃったのだろうか。
2カハ支払い、パンケーキを食べる。

中世だと砂糖は至高品だが、ここではそうでも無いらしい。
3時間余ってしまった。
近くの刃物の爺さんに欲しい武器種を教えてくれって言われてたな。
刃物屋でどんな種類があるか見るかー。
この国は、武器携帯率が91%だそうだ。かなり高いようだな。
持っていないのは子供達なのかな?
所詮武器屋の広告だ。正しいとも限らんだろう。
しかし、武器は持っておきたい。今後何があるかわからないしな。
普通に包丁でも良いのだが、どうせなら良い武器を持ちたいじゃ無いですか。
この国には銃刀法という法律は無いし、ロマンだよ。ロマン。
ジャパニーズ・カ・タ・ナはあるだろうか。いや、普通に西洋風の剣もいいな。
あーでもなー、レイピアも悪くない。短剣もいいな。

刃物屋にやって来た。
この都市での1番の刃物取扱店だ。
入り口近くの樽に無造作に剣が突き刺さっている。
あ、剣にもステータスあるのね。

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鉄製の剣
持ち手は地下産の木で出来ている。
特に効果は無い。
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効果が無いのに武器なんですか?
ゲームだと攻撃力上昇とか付いている筈なんだけどな。
ん?これここに置いてあって良いのか?

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勇者の罪
3代目勇者が製作した剣。
あまりに強過ぎるために勇者以外には使えない。
敵が使用者より強い場合又は、所有者の精神を脅かす場合のみ使える。
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製作者は厨二だったのかな。勇者本人が作ったらしいけど……ね。
本当に勇者が作ったならプレミア価格が付くんじゃない?
これが全品、1ウニケだって?安くない?1個1万円って事だろ?格安じゃないか。
流石に面接(謎)に剣を携帯するのはどうかと思うが、服装自由だ。大丈夫だろう。

即時購入した。残り42ウニケだ。
店員に「こちらの商品は鞘から刀身が抜けませんが本当によろしいのですか?」
と聞かれたが、使えない事はないだろう。

ちょうどいい時間になったな。
剣を背負ってメカニストラ社に向かう。
メカニストラ社。名前だけ聞くとメカメカしい機械の会社だけども翻訳会社なんだなー。

さて、会社にやって来たのだが、どうすれば良いかわからない。
受付の人に手紙を見せると、『2回階段登って突き当たりの会議室へ行ってください』と言われた。
役員面接なのだろうか。

緊張しているのか心拍数が上がっているのが分かる。
会議室に到着した。
扉をノックするも反応が無い。勝手に入ってしまおう。
「失礼します」

部屋に入ったが、誰も居ない。あるのは椅子が2つあるのみだ。
こういう時は上座に相手を座らせるものだが……上座ってどっちだ?
面接の時は普通、受験者に出入り口側に座らせるだろう。
もういいや、出入り口側に座ろう。

椅子に座って……おっと、剣が背中にあったな。剣を椅子の側に立て掛けながら待とう。

ドーーン!!

背中側のドアがいきなり開いた。
「いやー待たせて悪かったね。君には僕が個人的に興味を持っているんだ。おっ、以外に若いんだね。君、15才以下?まぁ年齢は仕事に関係ないけどね。剣を持ってるね。本職は冒険者かな?さて、君はどうして古代語が読めるんだい?」
うん。いきなり何言ってるかわかんない人が来た。
古代語が読めたら不味いのか?

「普通に読めますけど?何か問題が?」
うん。こう言うしか無いだろう。

「問題も何もこれは大問題だよ!ネタで書いたのにまさか本当に読める人が普通に居るなんて!しかも普通に読めるだって!言語学者のジジイ達に聞かせてやりたいよ!それじゃ、これからよろしく頼むよ!そうだ!晩御飯はまだかい?良ければこれからご飯に行かない?奢るよ?あぁでも親御さんに説明しなきゃ行けない?大丈夫?」

普通に食事に誘われた。なんなんだこの女性。齢30歳位か?この人がアニーさんなのかな?
自己紹介くらいしろよ。

「はじめまして。ヤシロ イツキです。これからよろしくお願いします。お食事のお誘いありがとうございます。この服装でよろしければご一緒させて頂きます」
よし、掴みはどうだ?当たり障りも無い感じにできたのだろうか?

「そんなにかしこまらなくていいよ。これから私達は取引仲間というだけでなく、友人としてやっていこうじゃないか。そうだね。酒飲める?飲みに行こうよ。先人達に習って2人で新人会をしようじゃ無いか!」

飲み屋に連れて行かれるようだ。
別に酒はダメでは無いが……この世界では飲酒年齢どうなんだ?
あ、制限は無い。さいですか。じゃぁ飲みましょうかね。


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