猫の重さ
猫は、夜、寒くなると人間の掛布団の上にこっそり来てその掛布団の上で寝ることがある。猫にとって、人間ほど身近な暖房器具はないのだ。その夜も、また猫が来たのかと思いふと掛布団に重みを感じて目が覚めてしまった。すると、見知らぬ白髪の婆さんが俺の上にちょこんと座っていた。恐怖は感じず、眠たかったので、俺は、そのまま、寝た。朝起きるとそのお婆さんは居なくて、家で飼っている真っ白い猫が丸くなって俺の上で寝ていた。そう言えば、うちの猫って人間の年齢に換算するとお婆さんだよなとなんとな思いながら、俺は布団から出た。もちろん、掛布団の上の猫を起こさないようにそっとである。