第79話 ねぇねのお名前
ママと家妖精さん達ががんばってくれたおかげで、にぃにたちのお名前が決まりました。
「にぃに、よびかちゃ、おにゃまえがいい?」
『ん?のんちゃんは今まで通り、「にぃに」でいいよ』
『『『きゅんっ(ぼくたちは?)』』』
『ちびちゃんたちも今まで通りで大丈夫だよ』
『ぼくたちも気に入ってるからね♪』
「あい♪」
『『『きゅんっ(うん♪)』』』
良かった♪あとは、ねぇねのお名前だけど
『う~ん、どうしようかしら?』
ねぇねはまだまだ悩み中。
〖のんちゃんや、待ってる間これも食べるかの?〗
「う?ぐりゃんぱ、のんちゃん、おにゃかいっぱい」ぽんぽん
ほら、もうぽんぽん、ぱんぱん。
〖そうかの。じゃあ、後で食べると良いぞ〗ぱらぱら
そう言ってグランパがくれたのは
「こ、こりぇはっ」
薄い包み紙から透けて見える、この色、この艶、この感触!これはもしかしてっ
〖生キャラメルじゃよ。ミルク味の物で迷っとるアイスタイガーを見て、持っておったのを思い出してのぉ。ワシの友人の元牧場主の特製品での。口に入れた途端にとろけるんじゃよ〗
「ふぉぉぉ!こーきゅーひん!いいにょ?」キラキラ
一時期お取り寄せも難しかったアレが、のんちゃんの手の中に!
〖良い良い。そんなに喜んでもらえたら、友人も喜ぶじゃろ〗
「あいがちょ!んんん~」
どうしよう?おなかいっぱいだけど、がまんできないかも~っ。前におじいちゃんにもらってとってもおいしかったんだよ!
〖ふふ。今すぐ食べたいと顔に書いておるの。どれ、それじゃあこうしようかの。ほいっ〗すぱっ
グランパは魔法でスパッと、生キャラメルを半分にしてくれて
〖ほれ、のんちゃん。グランパと半分こじゃ。これなら良いじゃろ?〗
「ふぉぉ!ありがちょ!ぐらゃんぱ!」
それじゃあ~
「あい!あ~ん♪」
グランパに半分たべさせてあげるね!
〖ほっほ。嬉しいのぉ。それじゃ、のんちゃんにはグランパが食べさせてあげようかの。ほれ、あ~んじゃ〗
「あ~ん♪」ぱくっ
食べさせっこだね♪そして
〖「んんん~♪」〗
二人でほっぺたおさえちゃいます。落っこちたら大変!
「おいち♪とけちゃっちゃ」
もったいない~もう無くなっちゃった~
〖うんうん。今日はのんちゃんに食べさせてもらったから、また格別じゃ。このミルキーな感じがたまらんのぉ〗
「あい。のーこーみりゅく♪」
あま~い♪ふわっと抜けるミルクの香りもたまりません。舌に残るミルキーな感じ⋯も?
じーっ『⋯⋯⋯』
「ほああああ?ね、ねぇね?」
〖な、なんじゃ?みんなも?〗
気づいたら、ねぇねのお顔がドアップ!その後ろにはにぃにたちも!
『のんちゃん、それはなぁに?』くんくん
「えっちょ」
なんかとってもお口の辺を匂いをくんくんされてる?お口の中もうないよ?
〖これは、生キャラメルといっての?日本のお菓子じゃよ。材料は意外とシンプルで牛乳とバターと砂糖じゃったかの?ワシの友人の自信作なんじゃよ。とってもミルキーでの?クセになるんじゃよ〗
ねぇねのただならぬ雰囲気に気圧されながらもグランパが答えると
『⋯ふぅん?それ、私にももらえるかしら?』
〖まあ、良いぞ。ほれ〗ぽい
ねぇねのリクエストにこたえて、お口の中にぽいっとグランパが生キャラメルを投げ込むと
『んんんん~っ!おいしい!これおいしいわ!すぐなくなっちゃた。残念!このミルクの濃厚な風味!たまらないわ!』
〖そうじゃろ?そのミルキーな感じが癖になるんじゃよ。抹茶や苺味もおいしいんじゃが、ワシはこのシンプルな味が一番じゃの〗
「いちごあじ」じゅるり
おいしそう。
〖ほっほ。のんちゃんは他の味も食べたそうじゃの。次来る時のおみやげにしようかの〗
「ほんちょ?」きらきら
いいの?いいの?
〖約束じゃ。指切りでもするかの?〗
「あい!」
〖「ゆーびきりげんまん♪うしょちゅいたりゃ(嘘ついたら)はりしぇんぼん(千本)にょーましゅ(飲ーます)♪ゆびきっちゃ(切った)♪」〗
絶対だからね!
〖ほっほ。分かったぞい〗
『ねぇ、グランパがさっきからちょこちょこ使ってる〖ミルキー〗ってどういう意味?』
ねぇねがお口の周りをペロリってしながら聞いてきました。
「う?みりゅき~は♪ま⋯」ぱしっ
〖だめじゃよ。のんちゃん〗
「うにゅ」
分かったよ。ぐらんぱ。お口チャックされちゃいました。
〖ミルキーと言うのはの、乳のようなとか、牛乳を沢山使ったとか、そんな感じかの。お主がミルクの味が好きなようだから思い出したんじゃよ〗
そうなのか~。のんちゃんはてっきりママの味~♪の方かと思ったよ。
〖のんちゃん?〗
なぁに?
『ミルク、ミルヒ、ミルキー⋯』ぶつぶつぶつ
「うにゅ?ねぇね?」
なんか、ぶつぶつ言ってるよ?怖いよ?
『なんか、呪文でも唱えてるみたいだね~』
『グランパ、それ僕たちにもください』
『おいしそう♪ちょうだい♪』
『『『きゅんっ(食べた~い)』』』
黙って見てたにぃにたち、ねぇねが一人の世界に入ったのを見計らっておねだりをはじめました。それなら
「ぐりゃんぱ、たくしゃんちっちゃくちて?」
〖ん?小さくかの?〗
「あい」
だってね?ほら
〖ああ、なるほどの。のんちゃんは優しいの。どれ、お皿の上にだそうかの〗ぱらぱらぱらぱら
のんちゃんのやりたいことが分かったグランパはたくさん小さく切ってくれました。
「ありがちょ」にぱっ
〖良い良い。行っておいで。転ばないようにの〗
「あい」ぽてぽてぽて
のんちゃんはお皿をもって
「はなうしゃちゃん、ようしぇいしゃん、きちぇ~」
『『『なんだぴょん』』』
『『『『『なになに~』』』』』
「あにょにぇ⋯」こしょこしょ
のんちゃんは小さい声で説明。ちゃんと花うささん達にもひとつずつプレゼント。花うさちゃんたちも
『『『『『うわぁ~』』』』』
『『『感動ぴょん』』』
うっとりしながら食べてます。
「いいでしゅか?」
『『『わかったぴょん』』』
『『『『『てつだうよ』』』』』
「あい!おにぇがいちましゅ」にぱっ
ミニ会議が終わったのんちゃん達が向かった先は
「あい。まま、あ~ん♪」
『おや、私にもくれるのかい?』
「あい。とくべちゅ、おっきいにょ」
ママには丸ごと一個だよ!
『ありがとね。⋯うん。甘くておいしいね。元気が出てくるよ』
「あい!」にぱっ
疲れた時は甘いものだよね!ママにママの味~♪
〖のんちゃん?〗じと~
グランパなんですか?ぷひゅ~♪
『う~ん、やっぱり本物はコクが違うね。以前レシピを見ながら作ったものより何倍もおいしいよ。悔しいねぇ。作り方伝授してほしいねぇ』
「ふお?」
ママ作れる?
〖はは。職人気質じゃからのぉ、聞き出せるかわからんが聞くだけ聞いてみよう〗
『頼むよ』
「ふぉぉ」
もしかしたら、いつでも食べられるようになるかも?
そして、
『『『はい。みんなにもぴょん』』』
『『『『『あ~ん♪してぇ』』』』』
『『『『『あ~んですぅ⋯』』』』』ぱく
『『『『うう、おいしいよ~ですぅ』』』』
『『『『癒されるですぅ』』』』
花うさちゃんたちは、お疲れの家妖精さんたちのお口に次々に入れていきました。
グランパはちゃんと家妖精さんたちのお口に入る大きさに切ってくれたよ!
「ひまちゃんみょ、あ~ん」
たべて~
『ぴよ~(ぼくにもくれるの?ありがとう)』
「あい!」にぱ
だってひまちゃんは、みんなのクッションになってくれてるからね。
疲れた時には甘いものだよね!
そんなことをのんちゃん達がやっていると
『⋯決めた!』
「うにゅ?ねぇね?」
『名前よ!私の名前!』
あ、そうだったね。
『のんちゃん、忘れてたの?』じとぉ
ソンナコトナイヨ?
『まぁいいわ。私の名前、ミルキーにする!』
「ふぉぉ、みりゅきー。かあいい」
『そうでしょ?いい名前よね』
「あい」
ようやく決まったんだね。グランパのおかげだね。もちろん、ママたちのおかげもあるよ。
『やっぱりミルク味が好きってことだよね?』
『やっぱりそう思うよね?』
『ぼくも思った!』
にぃに達からつい本音が
『なにか?』ギロ
『『『なんでもないよ』』』
にぃに達も弱っ
というわけで、無事に神獣さん達のお名前が決まりました!拍手~ぱちちぱち
☆。.:*・゜☆。.:*・゜
お読み頂きありがとうございます。
更新遅くてすみません。昨日は自分の病院の日だったので少し書けました。一人になれるのが病院だけというのが何ともあれですが⋯
次回もお待ちいただけたら嬉しいですそ(
今後ともよろしくお願い致します。