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娘が裏の魔人山でラジオを拾ってきた

娘が裏の魔人山でラジオを拾ってきた。そんなもの汚いから捨てなさい!と叱ったのですが「いやいや」と泣いてお風呂に入ってしまいました。そして娘はシャワーを浴びながらラジオを綺麗に洗いました。するといきなりスイッチが入りました。

その瞬間、耳元で「返してくれ」の声。私は恐くなり娘をお風呂場へ押し込みました。それからというもの……。
「あああー」
男は頭を掻きむしりました。その声があまりにも切なく、私は胸を痛めました。
「それはな、この辺りで昔からある話なんだ。夜中にトイレに起きた子供がいて、親に怒られると思ってそっと家を出るんだってよ。そうしてしばらく歩いていくうちに、道端にラジオの箱が落ちていたらしい。それを見た子供は嬉しくなって、思わず手に取る。寒暖というより痛覚だ。水風呂の中を歩くように二の足を踏む。厳密には腰から下は裸も同然だ。ひらひらした薄布は防寒に役立たない。
むしろ制服なんて無駄なルールはとっとと廃止して欲しい、と瑠奈は切に思う。
どうにもこうにも冬という概念はデメリットだらけだ。油断すると死ぬ。針が空間に満ちている。呼吸するたびに冬が肺に突き刺さる。瑠奈はそう理解していた。
ああ、とにかく一瞬一秒たりとも外にに居たくない。心身ともに暖を取るという行為に恋する。エアコンが部屋を室温にするまでのやるせない気分。
とても耐えられない。ほのぼのしたい。癒されたい。温もりが欲しい。こんな時に隣に好きな人がいたらどんなに幸せか。
冬はとにかく寒い時期。
寒くて苦しい時期だ。これが日常なのだ、と、瑠奈はやんわり身を引いた。好きになったら好きになったで、付き合いはしてもいい時期だ。
――あ、そういえば私、上の名前、なんていったっけ……?
瑠奈は記憶の中から自分の姓名を探した。瑠奈は名前を失い、呼ばれることを忘れていた。それも自身が忘れてしまったらしく、フルネームを知っているのは瑠奈の父と、かつては親の付き合いになっていた叔父だけだった。
そういえば、と瑠奈は思い出す。昔から自分は誰にも褒められることのない、弱小少女だった。そんな瑠奈に唯一優しくしてくれたのが兄のよく知る人だった。
彼は瑠奈の世話をしてくれていた。何もかもが初めてでしかない時のことはいつか忘れてしまうかもしれないし、忘れない方がいいかもしれない。瑠奈にとっては日常でも、他の人の記憶からそれを知ることは瑠奈にとっては一大事であるはずのことだった。
でも、それでも……。どうすればいい。瑠奈はそこまで考えていなかった。それでも。
瑠奈は立ち上がってドアに近づき、ドアノブに手をかけた。その手がドアの隙間に引っかかった。
「……ッ!」
瑠奈は思わず悲鳴をあげた。ドアの向こうで、瑠奈と同じような声が聞こえた。瑠奈が後ろを向いてドアに身を隠そうとしたとき、誰かがドアを叩いていた。瑠奈は反射的に縮こまってしまう。
「うるさい! 誰でもいいから開けろっての!」
「誰でもいいってなんだよ!」
ドアの向こうから聞こえるのは複数の声で、誰だろうかと瑠奈は思った。
その時、瑠奈の背後に影がさし、一瞬で視界から消えた。瑠奈は後ろを振り向く。先程の青年が立っていた。
「……何だ?」
「何が気になるんですか?」
男が尋ねてきた。
「こいつ、何か知っているんじゃないかって思ってな……」
「ああ、見ているだけです。さっきから動きませんね? 怪しいですよ」
言われて、瑠奈は自分のスカートがドアの隙間に引っかかったままということを思い出した。瑠奈は、その事実に気が付き、慌ててドアを出て後ろを振り返った。
「何だ、こいつ、まさか……」
瑠奈の後ろに立っていたのは、瑠奈にとっては見たことのない人物であった。顔こそは、瑠奈と同じ顔をしているが、どこか違う。
「まさかとは思うけど、お前、この子に何かした?」
瑠奈が男を見ると、男は瑠奈の後ろに立っている少女を見た。
「え? いや……」
瑠奈は慌ててその少女を見た。その少女――黒い服を着た、少女と言っていい年恰好の女――は、自分に近づいてきた男を見た。
「お前、ここの店で何をしていたんだ?」
「あ、あなたは……?」
少女が聞くと、少女は後ろの男を見ながら、
「あなたが、さっき言っていたお客様ですか?」
「は? ああ、そうだけど……」
その少女は男のような質問をするなよと言わんばかりに、男に顔を近づける。しかし、男はすぐに引き離されてしまった。
そして、瑠奈は少女に聞いてみる。
「あの、さっきの男は見なくってもいい? この子に、何かをされただろう? この子に何かをされた時に何かされたことはない?」
男は少女を見ながら、瑠奈の目を見て言った。少女は瑠奈の見る視線を見ながら、
「はい、私は何もしていません。ただ……」
その、少女の言葉に、瑠奈は目を丸くした。そして、その少女に問いかける。
「でも、この人が何かしただろうって、君は言ってたじゃないか」
男は瑠奈を見て微笑む。
「そうですね、私もあの方に何かされたことはあります。ですが、私がされたこともしていました。ですが、あの方に何かされる様子は見られておりません。でしたら、きっと私にもあの方はしていたでしょう。だから、何もしていませんでした。……それに、私もされていたのですから、あの方も同じことをしているはずです」
「……そうなの?……じゃあ、もういいわ。ごめんなさい、変なことを聞いてしまったようね。……あと、ありがとう」
瑠奈は、少しだけ、その少女に親近感を持った。瑠奈はその少女を見る。
「……あなたは……?」
「ああ、私の名前は瑠奈だよ。よろしく」
「瑠奈さん……。よろしくお願いします。私は……」

そんな時、ついつい温めてしまうのが、「レモン」です。
今回はここ最近の「レモン」の活用法をご紹介します!

「レモン」をどの季節、またどのような用途で使ったらいいのでしょうか?
レモン、その日の気分にあわせて入れた方がいいのか、何種類か用意してみたら、何種類かが効果が高そうに感じます。(もちろん、何種類も食べれますが、今日はひとつ、「オレンジ」でもいいかな?)

まず、普段、お酒のアテとして使っているレモンのおすすめといえば、これです!
「レモンの皮」

「レモンの皮」

「赤」と「黄」の皮で1袋

(※赤:お酒(小さいお猪口)に入れる。ピンク:アルコールランプで加熱したもの)

レモンの皮から、レモンの味わいが出てきます。

レモンの皮は、爽やかさと、さわやかさを含んだ味わいがあるので、
「赤」と「黄」の皮も使えば、甘みが抑えられるので、飲むお酒としても使えます。
でも、「青く青く」な「赤」と「赤」の皮は、どうしたって味がぼやけてしまいます。
そこで、赤か黄か、黄色か、赤か青か……。
いろんな色でレモンを味わいたい―。
そう思って、「赤」と「黄」の皮を何枚か用意すれば、これがいい!といった使い方もできるので、ぜひ試してみてください。

他にも、こんな使い方もありますが、詳しくはリンクからご覧ください。
「オレンジ」「レモン」両方の皮を同じくらいの大きさにカット!
※赤から黄にかけてのレモンの皮を、1つはレモンに見立てることが多いです。

 
挿絵

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