3‐2
転移先であるヨハネでゼロの領域が消失すると、初めての転移にトウヤだけは尻もちをついてしまう。
そして、地面を撫でると無事転移できたことにホッと胸を撫でおろすのだった。
「そもそも術式にはオレの魔力が流れているんだ。踏んだくらいで術式が消えるわけがないだろう」
「え、じゃあ転移に失敗したっていうのは…」
「「ジョークだ」」
「笑えんわ!!!」
「たく、ださいなぁ。もう」
「大丈夫ですか?どうぞ手を取ってください」
フンッとそっぽを向くモノと、トウヤにそっと手を差し出すアリス。
トウヤはポッと顔を赤らめながら立ち上がった。
「はいはい、ユキハくんに、トウヤくん!これから魔法を教えていくわけなのだが、どの先生をお望みかね!」
マグナ・ゼロ・モノは伊達メガネを取り出し、クイクイっと眼鏡を弄る。
「えと…じゃあゼロ先輩で…」
「俺はアリス先輩たちで…」
その言葉を聞き、マグナとモノは眼鏡をしまう。
「じゃあ、俺たちはピザの食べ放題でも行くか」
「うん!マグナはいい店知っているの?」
そう言いつつ2人は街に向かって去って行った。