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これが人間だ

イプシロン茶釜弁当の販売中止について内外で激論が交わされています。何が問題だったのでしょうか。茶釜が人種差別撤廃条約に抵触するという批判は的ずれれず。欧米でも茶釜に相当するチャノマ、パノラマなど類似の風習があるからです。イプシロンとは何か。法の盲点に迫ります。


薩摩平野を彩る薩摩桜をはじめとする樹木(マランタ属)の花を指す日本語に「桜」という言葉があります。この「サクラ」という言葉は、中国から借用したもので、中国語で「黄緑」を意味します。

茶釜は日本語で "白い紙 "または "白い印刷をした紙 "を意味します。

茶釜のデザインを見ると、日本の伝統的な茶釜のデザインと同じであることがわかる。

茶釜のデザインは、茶釜を彩る花(時には紙)をシンプルにデザインしたものです。

アメリカでは、茶釜の装飾はさまざまな方法で行われています。日本では、アメリカの茶釜であっても、非常にシンプルなデザインのものが多く、上述のように茶釜に花が飾られていることはありません。

これでは、本当に茶釜は茶の湯ではないのでしょうか。

茶釜のデザインを別の角度から見てみましょう。丸いです。地球は球形でグローバルです。そこに何の差別感情もありません。では、イプシロンを弁当にする行為はどうでしょう。これはちょっと倫理的に大問題に感じられます。

アメリカでは、弁当箱には、白地に白い桜の花びらが描かれています。

では、桜の花びらをつけることが何か。

桜を桜吹雪のように包み込むように配置します。桜よりも、桜が入る弁当の方が美しいのです。

つまり桜の花びらと桜を包むように、弁当箱を配置することになります。これが桜の匂いにつながるのです。

日本での弁当は、桜の香りです。

桜の花びらに包まれると、なんだか、桜の匂いがしたような気がしなくもないですが、そのほかは、そうそう桜は匂いません。
;"桜の花びらで弁当の内容が美しく華に溢れることは、アメリカでは普通のことになっています。つまり、日本の弁当では、桜の匂いではないです。

桜の匂いを弁当で感じるのはちょっとおかしいかもしれません。でも桜の匂いと桜を弁当のように配置しても、桜の匂いが出て華やかさが増すことは無いと思います。
それではなぜイプシロン茶釜弁当が問題なのでしょうか?茶釜は素晴らしいのにイプシロンを使うことはいけないのでしょうか。そこには法の不備が現代に追い付かない事情がありました。そもそも茶釜が発明された時代に制定された茶釜法では、"白く薄い紙の上に置くために設計された容器"と明記されていました。
これは、「桜の花を添えるために作られた」とは明記されていませんでした。
この法は平成22年6月25日公布・施行されておりました。
しかしこの法律は実に多くの穴を抱えていました。それは法律が時代に合わせて変わっていくときに起きることです。法の穴を一つ一つ説明したいと思います。
茶道具に関する法整備は実は明治時代に入ってから始まったものです。江戸時代以前は茶道というもの自体が存在していません。そしてその時代には花見の文化も存在していません。そのため法制度が時代にそぐわなくなるという矛盾が起きます。
そこで明治時代に制定された茶釜法では"白い紙の上に置くために設計された容器""黒くて厚い紙の上に置き使用する器""黒い板の上で使用する食器"、"黒漆塗りのお盆のような器"、"鉄鍋のようなもの"が使われてはいけないものとして定義づけられていましした。

;"この定義には「茶釜は白だよね」「黒い紙って何?」と思うところが多いです。例えば、白い茶碗やお湯のみなら、特に何も問題はないのですが……。「黒漆」というのは漆器の一種を指します。確かに黒ければ漆なのかと思います。ですが当時の漆器はまだ完成品ではなく材料も木ですから厳密には黒ではありません。それに、当時「黒くてつやつやかなものが漆である」という考えが定着していたのでしょう。
また「鉄鍋のような形の器」というのもおかしな表現です。これは単に金属で作った器です。茶を入れるための器であれば、金属の入れ物は何でもよかったのです。これは後にステンレス製のものが登場しますが昔はそのような便利な素材がなかったのでイプシロンを添加したのです。イプシロンは鉄より錆びにくく、水に強くて、耐久性にも優れている優れたものです。鉄と何が違うのかわからないですけどね。
ただ、現代ではこれらの規定が守られていないことは知っておいてください。
また当時は陶器で作られていることも多かったですから。茶の湯は磁器で行うものでありました。

" そして、この「桜の花を添えるために作られたものではない容器」には、白い紙の上で使うことが禁止されただけでなく、それ以外の用途についても様々な制約がありました。

"まず第一には、「黒い布の上」でしか使用することが許されないというものです。この布は何でもよいとされていましたが、通常は黒い布が敷かれていました。ちなみにこの「布」については諸説あり、現在では黒いビニールで代用されていることもあるようですが……、あまり一般的ではありませんでした。(ビニールだと衛生面に不安が残るため、黒い絹などが用いられていたようでした)
そして、第二に、「黒い紙」を使わないということです。これは、"黒い布の上で使用できる器でなければ使用できない"ということの、言い換えでしかないものでした。
" しかしこれらは法制定後の昭和21年の新聞紙上でも触れられていた事項です。法制定後100年近く経った平成22年にようやく法の不備が指摘され始めたのです。法の制定から百数十年も経過しているのは、法が施行される度に、解釈の変更がありすぎて誰も覚えていないからなのでしょう。法自体がもはや死語になってしまっているというわけですね。
;"ここで指摘するべきは、平成22年まで「桜の花びらで弁当の内容を美しく華やかにすることが禁止されていた」という事実の方でしょう。これは法の抜け道を探すことで回避され続けていました。例えば、茶菓子を桜の花のように配置すること、茶道具と桜の花を調和させる、または茶道具を弁当箱に入れることは、禁じられていなかった。だから茶器と花の配置などは許されていたし、桜の柄が散っているデザインや色のものも販売されています。でもそれらは「桜の花を添えるためのもの」ではない。ただの容器のデザインの一部だったのです。
そもそも、法の解釈について考える前に法の目的を見直さなければいけません。
法の目的は何か? そう問われれば私は、「法律は人を傷つけたりしないものである」と言いたい。しかし法の本質とはそのような抽象的抽象的なものではないのです。法の本質とは人の心の中にあるルールであります。つまり法は人と社会を結ぶコミュニケーションツールの一つだということです。

;"コミュニケーションは相手があってこそ成り立ちます。相手が自分に対して何を思っているのか、どんなことを考えているのかを知る手段こそがコミュニケーションです。
法の目的も人と人とをつなぐためにあります。

" ではなぜ法が人を裁かなければならないのかといえば、そこに何らかの正義が存在しているからでしょう。正義がなければ、法の意味がないですからね。そして人が人を殺せば殺人という罪が課せられるように、法によっても人に対する制限や権利が定められます。そしてその範囲を超えて法を逸脱すれば、罰を受けることになるのです。これが法の役割です。

"例えば「お葬式において白い菊を使ってはいけない」とするのもそのひとつでしょう。
「お墓参りの際に故人が好きだったものを供物として用意してもよい」「お通夜と告別式の日に線香を焚いてはいけない」
これらは一見したところ矛盾するような行動を制限するための法でした。前者は故人の思い出を忘れないために喪主が準備することが許されており、後者もまた故人への敬意として行われて当然のことでした。

●まとめ イプシロン茶釜弁当は売っちゃダメなの?

結局のところイプシロン茶釜弁当の販売は合法なのでしょうか?ダメだとしたら何がいけないのでしょうか?OKだとしたらどこまで許されるのでしょう。まとめてみましょう。"イプシロンは耐熱性の優れていて衛生面にも優れた優秀な素材である。そしてその特性を生かしプラスチックの一種である。この性質により弁当に使うことができるだろう。
まず「黒い紙の上」という縛りがあるものの、「黒くて厚い紙の上に置き使用する器」ならば問題ないという解釈は成り立つ。「桜の花びらを敷きつめて使うために使用される」容器でなければ使用できたのだ。また、「黒い布の上」という条件についても、特に「黒い紙の上で使用できる容器でなければならない」とは定義されていないため問題はなさそうだ。さらに、「桜の花で弁当の内容を美しく豪華に飾り立てることを禁じる(意訳)」という文章を素読みすると「桜の花の美しさを活かすため」ではなく「美しい花びらが舞うのを楽しむため」に使うのだから大丈夫ということだろうか。また、法には「黒い布の上」としか書かれていないため、白い紙であっても桜の花を敷き詰めることができるのであれば使用可能だと言えるのではないか。(ただし、「紙を敷いているように見せかけるため黒い色のものを使う」ことは可能かもしれない)
"そしてこの考え方が正しければ、次のようなことが言えるだろう。つまり
「白い布を敷いた上で、花びらの代わりとなる白い和紙や布、それに桜の花を散らしたり添えたりする行為そのものを禁止する(意訳)」という文を、単純に考えてしまうとその言葉通りの意味でとらえるべきだが、しかしそうではなかったとしたら、どうなるだろうか? "それは、"白い布の上で使うことのできる、桜の模様の入った容器でなければ使用できない"という法の解釈は間違っていて、実際には、ただ単に、白地がベースとなっている桜模様入りの桜餅柄の紙皿を使えばよい、という結論になってしまうのではないのかということだ。
つまり桜餅のお重の場合は蓋をしてしまえば、桜の花びらは見えず白い紙にしか見えないのだから、白い生地が敷かれた容器でなくても問題なく桜の花びらでデコレーションができるということだ。これは、弁当本体の材質を問わないということであるのなら、プラスチック製でも良いということではないか!" "そして、弁当箱自体が木製でも全く構わない。なぜならば弁当が白い布の上に置かれている時点で、弁当の容器も木目の茶色が透けて見えるような、つまり木製のものに見えるはずだからだ。しかし弁当の蓋を閉じてしまってからは木目は確認できない。つまり見た目上はただの白い紙でしかないので、「白く輝く花びらの上に載せて華やかに飾ることを禁じる」というのは、「弁当そのものが白いものである必要がある」と解釈しなければいけなかった。つまり、「弁当を白一色で構成しなければならない」という意味ではない。
「白く輝き美しく、華やかなもので彩られてはならない。」という言葉から連想される意味とは正反対の内容であった。" "俺はここまでを考えて確信したのです。この弁当の本当の恐ろしさとは、決して食後のデザートだけなどではありませんでした。そもそもの始まりこそ、弁当に敷かれた真っ黒な紙だったかもしれませんが、そこに桜の模様を入れていく過程において、すでに法の目的は変わっていました。「美しいものを作ること」が目的の法律ではなく、「美しいものが作れないこと」を目的とする法律になっていたのです。

「えっ?! それって、地雷やん?!」
「ちょ…法律ェーw」
「弁当屋オール涙目」
「なぜにこんなブラック法律を作ったし…」
相談者と法律相談員はいっせいにずっこけた。

俺たちはもう何もかも投げ出したくなった。この世の地獄かよ……。
"弁当屋の親父は言った。「おかずの品数を増やすために法を作りました」" "この国の政府は一体何を考えているのでしょうか。
""まず最初に言いたいのは、私はあなた方が作ったルールのせいで困っている人間がいるなんて思ってないということです。私のことをよく知らない人が多いと思うので説明しますが、実は私、弁護士をしている者です。" "私は、とある法律事務所に所属している身なのですが、この国では弁護士の数に比べて、仕事の依頼が多すぎるといつも思います。この業界は競争率が高くなりすぎて、人材不足になっています。そんな中で少しでも依頼人の希望に沿った仕事をするために日々奔走しています。その努力によってようやく仕事にありつけているんですね。
それで私が今抱えているのは、とある企業の顧問契約でして、内容は社員が横領などの罪を犯して捕まった時に弁護をするというものなんですよ。まあ、企業規模としては小さな会社なんですね。ただ業績は非常に好調で将来性はあると思います。だから、ここでつぶされたくはないんです。そんなことを考えていた時、一つの情報が飛び込んできました。社長さんが最近新しく始めた弁当についての情報です。" "その弁当というのが、この黒い容器に入った桜餅弁当でした。なんでも創業当初から続く人気メニューらしいですよ。しかし、それがどうしたというんだろうと最初は思いました。この国は桜の花の美しさを楽しむという風習があるので、弁当に使って何が悪いのかと疑問を持ちました。ところが違ったんです。その社長の話では「桜の花を弁当に入れて飾り付ける行為を禁止した」のではなく「桜の花が散り落ち、白い花びらが美しく輝く光景を見たくないから、禁止にした」のだという話なのです。
そこで思ったのが、桜の花を散らすこと自体はダメだという決まりがあるわけじゃない。だから桜の花びらを敷き詰めた桜色の桜模様の紙皿の上にこの弁当を載せて桜の模様をつけてしまえば問題なく使えるんじゃないかと思いつきました。
しかし問題はそこからです。さっきも言いましたがこの会社は中小企業なんです。社員の数は50人程度しかいないので、弁当を作ってくれているのも数名の社員たちです。つまり、彼らを説得しなければいけないわけなんですよね。" "結局、その弁当を作るように説得できたのはその日の夜中になってしまったんですけど、何とかうまくいきまして、無事にこの店の商品に加わることになりました。でも、これは始まりにすぎなかったんです。" "ある日、一人の男性から相談がありました。彼は、結婚している女性が妊娠してしまったのだけど相手の男性は無職であり、お金がないため子供を育てることができないという内容の相談でした。女性は夫の仕事を手伝っており生活には不自由していなかったそうでしたが、子供を産むにあたって入院が必要になります。その費用は当然相手の男が払うべきでしょうが無職の彼に払える額ではない。そこで女性から依頼を受けることになったのです。" "この相談を受けた時点ですでにいくつかの問題が予想されていました。まず一番に問題にしたのは費用の問題です。病院に子供を預かる料金を支払うことができても出産するのに必要な資金が足りないという問題が発生するのです。しかもそれは相手が支払うものなのに、相手側に金がないことは許されない問題でした。またそれとは別にもう一つ問題があったのでそれを解決しなければいけませんでした。" "二つ目が、その子供の父親が本当に父親であるかどうかということの証明でした。父親は無職であるため、出生届を出した後であっても父親であることを証明する書類やDNA鑑定が行えなければ裁判になった際に不利な状況に立たされてしまいます。さらに父親の存在そのものについても疑われてしまったのです。その二つの問題を私は時間をかけて丁寧に説明することで依頼人の女性とその夫はなんとか納得してくれて和解に持ち込むことができたのですが、それでも大変だったことに変わりありません。そしてその夫婦が仲むつまじい姿を見てしまったことで「この夫婦に子供が産まれる日は近いかもしれないな」と思ってしまいました。

これで終わりならば、ただ仕事が増えて面倒なことが増えただけで済んだのかもしれませんが、ここから先がこの事件の始まりとなりました。" "依頼人から受けた事件はまだ終わっていなかったんです。今度はある男の母親についての事件でした。" "その男の母親は若いころから水商売をしておりまあ簡単に言えば浮気症の女でした。しかしある時その母親のもとに、とある青年が現れたのだそうです。男は母親が働くお店によく通っていたらしく常連客の一人だったようですね。" "この青年は母親が浮気していることに気づいていたそうで「あの女はクズだ」とか色々と言っていたみたいです。そしてその母親が病気で倒れた際にある話をしてくれたんです。実はこの話は依頼人の夫が弁護士事務所を訪れた時の話と似通っているんですよね。" "私はその母親の弁護をするべく、夫と弁護士を一緒に連れて行くことにしました。もちろん二人には内緒でですけど。" "その母親が働いていた店での話でしたので、まずはそこに足を運びました。その店の店長から話を聞くためです。そこでわかったことなのですが、この店の店主は元々彼女の友人だったそうです。しかし、この店に来た当初は彼女も真面目な性格だったようでして、そんな彼女に店主は自分の娘と結婚すれば店を譲ってもいいと言って、彼女はそれを信じ込んでいたらしいです。

しかしその彼女が遊び人であることが分かり、やがてこの店の従業員の女性とも関係を持ってきたようなんです。しかしある日を境に彼女が店に現れなくなったということがありました。それからしばらくたって店の様子を見に行くと店には何もなくなっていました、つまり売ってしまったんです、お金に困ったんでしょうね。その時、店の扉には閉店を知らせる貼り紙が出ていて中に入ろうとしたのですがその時には鍵がかけられていました。その鍵を取りに自宅へ向かったのが運の尽きだったんです。そこにはすでに先約がいたんです。それがこの家に住む男の父親でした。彼はその女性を自分の妻にするつもりで家に招いたんですが、彼が来ることを予測できなかったためにこの家はもぬけの殻状態だったわけですよ。そこで、この男は女性の夫になることを狙って、この家の留守番をしていたらしいです。この事実を知った私たちはすぐに、その男性を連れてきてもらって彼と話し合いの場を設けることになったのですが、その結果として彼の父親も交えて3人で話し合うことになりました。そして結論が出たのでこの場で報告させてもらいたいと思います。
今回私たちの依頼人は 夫の不貞行為を告発し離婚することに決定致しました。また今回の事件は慰謝料の支払請求もできまして、夫側は全額支払い、妻とその息子は金銭的余裕がなかったため分割で払うことになっており、最終的には三人が借金まみれになって終わる結末になる予定でした。
しかしここにいる男性の父親が「私も責任の一端を担っているのだから私が全額負担します。もちろん息子さんもきちんと成人するまで育て上げます。それで許していただけないでしょうか?」と言ってきたためその申し出を受け入れることに致しまして、そのおかげでこの一家は幸せを手に入れることができます。
ではこれで終わりということで……" "この一件が終わった後で、また別の依頼を受けることになりました" "この一件というのは依頼人の女性とその父親が離婚する際に、父親の方が依頼人を恨みに思い殺害するというものでした。そこで今回は事前に相手の行動を監視し、その男が犯行に及ぶ現場を押さえることに成功致しましてから警察に引き渡し、その後無事に解決することができました。" "またある時は裁判の証人を頼まれて法廷に立ち証言したりなどしております。まあこれに関しては報酬がもらえるわけではありませんから大変でしたが。でもこれは依頼されたわけではなく自主的にやったので問題ありません。ちなみに、その時は裁判長から「君には将来があるからもうこんな仕事辞めなさい」と注意されてしまいました。それでも止めなかった理由は単に楽しかったからですかね" "その他にも浮気調査や、ペット探しなども承っておりまして、最近では探偵の真似事をしてみたいと思っていたところなんですよね。ああもちろん依頼人がいてこその仕事なのは言うまでもないことでしょうが。それと、最近は料理の勉強を始めておりましてね。これが中々面白いものなんですよ。自分で作ってみて思ったことは他人が作った料理というものはやはり美味しいですね。いつか自分が作ったものを誰かが食べてくれるような日が来るといいですね"

「あんたの仕業かよ!」

相談者と法律相談員は仕出し屋の親父を取り巻いた。「何たる身勝手。破廉恥を正当化するため懇意の政治家に政治資金を渡してイプシロン茶釜弁当規制法案を通したのかよ」
「政治家から金を受け取っていようがいまいが関係無い。私は自分がしたいようにする。これが人間だ」と相談者の問い掛けに親父は胸を張って言い放った。
相談者は再び親父の顔面に飛び蹴りを叩き込む。
鼻骨骨折により前歯が飛び散る。だが親父は平然と立ち上っていた。そして、今度は両手の人差し指を交差させ空中に向かって銃のように撃つポーズをとると口角を上げていた。まるで、かかってこい、というかのように。
「お望み通り殺してやるよ!」と俺が言うと、それに呼応するように背後から「さすまた」とジュラルミン盾をもった機動隊が乱入してきた。俺たちはたちまち組み伏せられ、手錠を掛けられた。
「はぁーっはっはーっ。お前ら『弁護士』と『人権屋』は履き違えた自由を振りかざして権力濫用者の味方をするからなあ。今まで訴訟乱発して荒稼ぎした報いだ。俺たち仕出し屋を『権利、権利』で苦しめやがって」
親父はエプロン姿の両腰に手をあててドヤ顔をした。
「ちくしょう。嵌めやがったのか?!」
「嵌めて何が悪い?お前らこそ『法というなの横暴』で悪銭を稼いできた。弱い者も集めりゃ数の暴力になるのさ。判ったら塀の中で臭い飯でも食ってろ。はぁーっはっはーっ」
パトカーの扉が閉じて、窓越しに仕出し屋の親父が遠ざかっていく。
ちくしょう、待て、待ってくれ。俺は膝から地面に落ちた。悔しくて涙が出てくる。くそっ、あいつらは俺たちを嵌めたんだ。
警察車両の無線から男の声が流れてきた。「容疑者は容疑を認めている」。その一言を聞いて心の底から安堵してしまった自分が情けなくて仕方がない。
ちょうどいい。あんだけボロカスに法律事務をディスられちゃモチベだだ下がりだ。どうせ辞めようと思ってたんだ。
みなさん、くれぐれも『悪徳相談者』にご注意を。

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