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1話 転生の約束

それは2021年12月15日のことだった。

空一面の星空、なんたら流星群が見える夜

30歳独任、冴えないサラリーマンの僕は星空を眺めていた。。。

眺めていたというより、道端でカツアゲされ
ぶっ倒れていた。

30歳にもなって、カツアゲされるなんて、奪われた金もコンビニで買おうとした、おでんの代金500円。。。

クソガキども、いてて、背負い投げされたせいか、起き上がれない。

「ちょうどいいや、なんたら流星群でも見るか」

僕は星空を眺めていた。風は冷たくこのまま凍死かな、、、

過去のヤンキー時代武勇伝もあるが17歳以降、人生は急降下。今じゃ殴られる側だ。
何故かって、右手が利き腕なんだけど、17歳の時に抗争で怪我をしてほとんど動かなくなってしまった。

いわゆる障害者というレッテルが貼られている。
おかげで仕事も女も上手くいかない。人生終わった。

真冬のアスファルト、流石に冷えるなぁ。

✨💨

「あっ流れ星だ、願い事でもするか」

「宝くじがあたりますように。。。」

「シグナルクローバーのヒナちゃんとデートしたい。」

「紅白に出演したい。」

流れ星はいっこうに消える気配がない。

「あれ?流れ星ってこんな長かったっけ?」

流れ星は急旋回し、僕の方に向かってくる。
どんどん迫ってくる。

「ヒュー~ピタッ」僕の目の前で急ブレーキ!💫

光の球の中に、綺麗なお姉さんが見える。

「あなた!いいかもしれない、グッドチョイスね」

「はい?」

「今新しい世界をつくっているところで、各世界から移住者を募集しているのよ、あなたを移住させます!興味あります?」

「はぁ、今の人生よりましなら興味あります」僕

「今の世界に満足してないのであれば絶対おすすめよ」

「あなたは神様ですか?」

「あなたの世界からしてみると神と言っても過言ではないわね」

「それでは、また時がきたらご案内します。」

綺麗なお姉さんは星空へと消えていった。


夢か。。幻か。。。
いや夢ではない、腰も痛くないし傷が癒えていた。

「はっ」しまった。肝心な事を聞くのを忘れていた。

「いつ転生するんだ。。。」

僕は起き上がり、おでんも買えず手ぶらでうちへ向かう。

オンボロアパートの2階の一室

「あーん、いゃ~ん」

また隣のニートがAVを大音量で聴いてやがる。
立て付けのわるい扉を開けて部屋に入るが
特に同居してる奴もいないので真っ暗だ。

部屋についてパソコンの電源をいれ
さっきの出来事を呟いてみた。


「うらやましい!どこで言われたの?」

「夢でもみてたんじゃない」

「俺も転生したい!」

「殴られた後遺症だな」

こんな回答ばかりしか返ってこない。

「備えあれば憂無し、転生にむけて準備が必要かと思います。」

んっこれはまともな回答だ、アカウントはDさんという方からだ。DMしてみよう

「Dさん、転生への準備とはどんなことでしょうか?」

「こんばんは!Dと言います。もし僕だったら、あっちの世界で活躍できる、知恵や知識を備えると思います。」

「知恵ですか?どんな事をしたらよいと思いますか?」

「どんなキャラクターでも、やはり戦術や武術、生きる知識、こっちの世界でのテクノロジーを理解しておくと、新しい世界で役に立つかと思います。運命の時までに自分を磨き供えるのです!」

「たしかにおっしゃる通り、転生したとしても、今までの経験や知識とかが活かされる気がしないです。」

Dさんは陰ながらサポートをしてくれると約束してくれた。

世の中いい人もいるもんだ。

おでんも食えず空腹だ、またカツアゲされたら元の子もないからこのまま寝よう。

ー翌日の朝ー

今日は日曜日、ニューワルドか。。。
僕は押し入れの中からアルバムを出してみた。

生まれてから17歳までは楽しかった思い出がある。家族は両親と妹がいる。20歳で家を出てからほとんど会うこともない。
腕が動かなくなってしばらくは家族もサポートしてくれていたが、そんな家族の苦労も
僕にとっては苦痛だった。

大好きだったバイクにも乗れない。
障害というレッテルを手にした僕は家族も友人も当時付き合っていた彼女でさえも距離を置くようになり、這い上がる術を無くしていった。

アルバムが17歳の頃のページに差し掛かると
自然に涙がこぼれ落ちる。
こんなはずじゃなかった。。。


「ファントム」湘南地区最強と言われていた。不良グループだ。僕も当時はそのメンバーだった。

総長のタツシ
四天王の赤毛のアザム
狂乱のレム
傲慢のエム
剛勇のサム
そして総指揮官の僕だ。

そして当時、僕の彼女だったツグミ。



-13年前 17歳ー

「風間くん、またケンカしにいくの?😤」

「俺は手を出すわけじゃない指揮するだけだ😅」

「ケンカしないって約束したでしょ?😤」

「はい」

俺は横浜、町田、湘南地区の縄張り争いの
真っ只中だった、数で引けをとる湘南地区は戦略家の俺を必要としていた。


町田相模原エリアが「ビッグバン」
ここを仕切っていたのがひとつ年下のリキトというやつだ。
コイツは16歳ながらプロレスラーみたいな体格で怪力ゴリラだ。

横浜エリアは「紅蓮(ぐれん)」
女総長のツバキ、こいつは強さ美貌と悪知恵で女帝へとのし上がっていった。

そして俺のいる湘南は「ファントム」と言われている。なぜファントムかというと総長がファントムというわけだ。誰にも見つからず、姿をあらわさない最強の男だ。

紅蓮もビックバンも毎日のようにファントムの総長のタツシの首を必死に探している。

そんな日々の抗争に明け暮れていた俺に彼女のツグミも呆れていた。

13年前の12月24日は忘れもしない一日だった。

ツグミの誕生日がクリスマスイブの12月24日だった。

「もしもし風間くん17時に江の島の駅で待ち合わせ絶対遅れないでね」

「あぁ今日はちゃんと予定開けてあるから大丈夫」

ツグミから電話があり、俺は以前から予約してあった、海岸近くのアクセサリーショップまでバイクで向かっていた。

ツグミは裕福な家庭で俺と違い優等生。
髪も黒髪でメガネかけていてパッと見、目立つような外見ではない。

あいつとの出会いは
学校の廊下で馬鹿者どもの抗争があった時だった。
5人くらいの男が乱闘騒ぎを起こしていた。

チャムがなり授業が終わって
理科室から数人の生徒が出てきてた。

乱闘に巻き込まれ数人が押し倒されてかけていた。1人の女子生徒のメガネが宙を舞った。

そこに偶然居合わせた俺がナイスキャッチ。
その時、アイツの素顔を初めて見た。

「かわいぃ」俺

「えっ?メガネどこ?」

「どなたかメガネ知りませんか?」

俺はメガネを持っていることも忘れその子の顔をマジマジみた。
うっすらブラウンの綺麗な瞳。

「名前は?」俺

「はい?」

「名前教えてくれたら、メガネ返す」俺

「何言ってるんですか?」

俺は名前を聞かず、メガネをかけてあげた。

「。。。ありがとぅございます」

「メガネないと何もみえないのか?」俺

「はい」

俺は、すかさずメガネをまた取り上げた。

「何するんですか!返してください」

「彼氏は?」

「何言ってるんですか?」

「彼氏はいるのか?」

「いないです、メガネ返してください」

俺はまたメガネをかけてあげた。

「メガネが飛んだのを無事に拾ったんだから、なんかお礼しろよ」

「えっ拾ってなんて頼んでませんよ」

それからだ、毎日、3つ先の教室に乗り込み
ツグミにアプローチした。

昼の休憩時も授業中も、ツグミは無視したり
目を逸らしていたけど、嫌がってはなかった。

話すのも俺が一方的、ツグミは頷いたり首を振るだけ、それでもよかった。

金髪のロン毛の俺が隣にいて周りの奴らからは吊り合わない2人が珍しく見えていたんだろう、かなり目立っていた。
俺はいつものようにたわいもない話をしていた。

「でさぁうちのかぁちゃんが」

「風間くんのお家は楽しそうだね。。。」

ツグミがやっと反応した。
ツグミは下を向きバックをつよく抱き抱えこう言った。

「うちは仮面夫婦なんだ、お父さんも家にはほとんど帰って来ないし、中学生になってからは家族揃って食事もしたことない」

ツグミは寂しさを絞り出すように家族の現状を俺に伝えた。

俺は隣で押していたバイクを止めた。

「バイク乗せてやるよ」

半ば強引にメットを被らせ134号を流し始めた。

「どうだ?気持ちいだろ」

「えっ?何?」

周りの雑音で会話が掻きせされてしまうが、
ツグミのしっかりとしがみつく細く白い腕が俺への警戒心が解かれていくのを感じていた。

江の島の入り口でバイクを止め黄昏時の海岸を眺める。

「風間くんは悪い人じゃないって思ってる」

「ただ私、こんな性格だから男の人とか慣れてなくて」

「慣れてるより慣れていない方が俺にとっては好都合」

「まぁ気晴らししたい時はいつでも乗せてやるよ」

「ありがとう」

それからは、毎日ツグミと色々な話をしたり
やっと会話ができるような関係にまでなった。

ツグミといる時は三つ巴の抗争とかも忘れてしまうほど俺には新鮮な時間だった。

ツグミとの時間が増えるのに比例してビックバンと紅蓮の湘南への侵攻も深くなり事態は緊迫化していた。

ファントムの幹部会が開かれる事になり、それに出席せざるを得ない状況になっていた。


深夜、湘南の海岸に幹部達が集合する。

さっきまで湘南の海岸沿いを爆音が響いたのが嘘のように静けさが広がる。
他の奴らは散っていって5人が海岸に残る。

ゴーストの幹部は5人と総長のタツシ、俺、四天王で構成されているがタツシは幹部会にはこない。

俺たちのみでの会議だ。

総勢150人を5人でまとめているだけあって皆選りすぐりの奴らだ。

話を切り出したのは四天王のひとりアザムだ。

「風間、お前がサボってるせいで鎌倉あたりは紅蓮の奴らが、かなりうろついていて襲撃含め毎週被害が出てる、いい加減ガリ勉女と距離をおいてくんねぇか?」アザム

「藤沢の駅周辺もこないだビックバンの奴らが、何やら商売はじめちまってるっていう噂だ」レム

「何か?俺がいないとお前らなにもできねぇのか?」俺

「そうじゃねぇ、ここまででかくなっちまったんだから、仕切るやつが必要なんだょ」サム

「自分1人だったらどうにでもなるが、下のもんを守るとなれば策は必要だ」エム

ゴーストが出来てからこの四天王を駒のように配置して作戦をたて有利に立たせるのは俺の役目だった。

「でタツシの考えは?」アザム

「アイツに考えなんてない、来たら潰すそれだけだ。」俺

「わかった、ツグミとは、ほどほどにして前のように指示をだす。」俺

「まずは鎌倉を奪還する、アザムとエム、レムの部隊に120人つけて明日の夜134号を流して由比ヶ浜の手前で止まり紅蓮の奴らを引きつけろ。

残りはサムお前が30人を引き連れ一旦逗子でいって由比ヶ浜まで戻ってこい。」俺

紅蓮は300人くらいの大規模な族だが
頭上に同等のビックバンがいるとなると鎌倉での数では同じくらいと予測した。
あとはあの女狐のツバキがどう出てくるかが
鍵だ。


「お前はどこにいる?」アザム

「俺はタツシと衣張山から全体を見て指示を出す」俺

幹部会はなんとか、揉めることなく事なきを得た。

明日の鎌倉抗争で紅蓮にダメージを与えれば
しばらくは平和を保てるはず。

-翌日 12月24日-

アクセサリーショップを後にしツグミに連絡をいれた。

「もしもし、俺だけど今から迎えにいく」

「もうすぐ江の島に着くからまってるね」

せっかくの誕生日が台無しだ、なんとかツグミに勘付かれないようにこの抗争とツグミの誕生日を同時侵攻しなきゃいけねぇ。

「ごめん、まったか?」

「大丈夫だょ、こうやって改札を行き来してる人を見てた。
今日イヴでしょ、みんな家族のもと、恋人のもとへ、ひとりぼっちの人もいるけど。。。今年は私、風間くんと過ごせるから。。。」

俺はメットをツグミの頭に乗せた。

「お前はよくしゃべるようになったな」

「そうかなぁ」

「いやいや、出会った頃なんて構ってくれなかったし」

俺はツグミのメガネを外した。

「やっぱりこっちがいい」

「メガネ返して💦何もみえないよ」

時刻は17時過ぎ、ゴーストが動き出すのは21時で指示してある。

20時過ぎには衣張山に登らないと指揮できない。


夕暮れの134号線、嵐の前の静けさ。
ツグミを乗せ逗子方面を走る。
🏍💨
幸せとはこういうことか。


左手は江ノ電が並走していく
🚃
🏍💨
右手は稲村ヶ崎、いつもどおり俺は無言で走る。

ツグミに会うまでは、連んで走るのが生き甲斐で、仲間を守るため、このエリアを守るために毎日過ごしていたが、今正直、どうでも良くなっちまった。潮時を感じていた。

今日の戦いが最後だ、不良生活からもおさらばだ。ツグミと同じ道をいく。

「風間くんどこいくの?」

「この山の展望台だ」

ツグミの手をとりハイキングコースをゆっくり上がっていく。

「真っ暗で怖くないの?」

「あぁ俺そういうの大丈夫」

「私は暗いのとか苦手。。幽霊とかいないかな🥲」

ペンライトを頼りに登っていく。

「うわぁ凄い綺麗😄」

さっきまでの怖さが吹き飛ぶような
湘南の海岸線を一望できる展望台に到着した。

時刻は20時。

「クリスマスなのにこんな所しか連れて来れなくてごめんな」

「私は風間くんといっしょならどこでもいいよ💕」

俺はポケットの中を探り小さいけど
精一杯の思いを詰め込んだ箱をツグミに差し出す。

「何?」

「何ってあれだよ」俺

「プレゼント?」

「いいから開けてみろ」俺

ツグミはかじかむ手で箱を開けた。
中からはピアスとネックレスが

「ありがとう、ふたつもいいの?」

「誕生日とクリスマスの分だ、どっちがどっちとかはねえ」俺

「つけてくれる?」

「あぁ」俺はネックレスを手に取り
ツグミは髪をかき上げる。

「ゴッくん!」俺は思わず唾を飲み込んだ。

「ん?」

「こっ。。これでいいか?」俺

「うん!ありがとう」

ツグミは涙ぐみながら鞄をさぐる。

「私も風間くんにプレゼント💕」

カバンの中からは手で編んだであろうマフラーが出てきた。

「ありがとう。。」俺

「ん?なんか元気ないけど」

「いや、プレゼントなんかもらったことなかったから、回路がショートした」俺

ツグミは僕の首にマフラーを巻き付け余った部分を自分に巻き付けた。

「こういう事もできるように長めに作ってみた。。」ツグミ

しばらく、無言でツグミと鎌倉の夜景を眺める。

「あのさぁもう付き合って結構たつよなぁ💦」俺

「そうだっけ?半年くらい?」

「あの、その、」俺は照れを隠しながら
次の一歩を踏み出そうとしていた。

「ぶっ」
ツグミが両手で俺の頬に手を当てた。

「いいよ、風間くんとなら」

いいよ?いいよって何処までいいのか?
チューってこと?
取り敢えずチューしてその後は流れに任せるか。

ツグミはそのままの体制で俺を見つめる。

「風間くん目を閉じてください」ツグミ

「はい」俺は目を閉じ、その瞬間をまった。💋

「プルルルルる」📱

俺とツグミは音のする方を見る、俺のポケットだ。

「電話だよ」ツグミ

「あぁ💦」俺

「もしもし」俺

「準備は出来たぜ」アザムからの電話だ。

俺はツグミから少し離れ会話を続けた。

「この音と光伝わるか?」アザム

🏍🏍🏍🏍🏍🏍🏍🏍🏍

由比ヶ浜あたりから、冬の冷たい空気を伝ってバイクの大合唱が聞こえる。

それに反応してか逗子方面からも大合唱が。
紅蓮の奴らだ。

🏍🏍🏍🏍🏍🏍🏍🏍🏍🏍🏍

「あぁ、よく見えるぜ、サムの小隊はもう逗子か?」

「あぁマリーナの脇で待機してる。」アザム

「いま紅蓮の奴らがゆっくりと由比ヶ浜方面に向かっている。数ではちょっと引けを取るくらいだ。」

「この後はどうする、そのまま由比ヶ浜で激突しろ、サムにはまだ待機させておけ」

「わかった」

俺の計算が正しければ、必ず勝てる。

「風間くん?どうしたの?」

「いやなんでもない」

せっかくのいい雰囲気だったのにアザムの電話でぶち壊しだ。

「もうちょっと夜景見てていいか?」🌃

「いいよ」ツグミは俺の腕にしがみつき肩を寄せてきた。💕💕

バイクの音が激しさを増してきた、こんな離れた場所でも乾燥した空気を伝ってビリビリしやがる。



-由比ヶ浜-

「おらぁ、タツシはどこだ」ツバキ

「うちらの大将は女ごとき相手にしねーよブス」アザム

アザムを中心にレムとエムの部隊が左右に陣取り。背水の陣で紅蓮の突撃を受け止める。

「おら、赤毛まずはお前からだ」ツバキ

中央でアザムとツバキの部隊が激突する。
アザムは四天王の中でも1番対人戦の実力、経験を持っている。

とは言っても女帝ツバキも300人をまとめているだけあって、やっかいな奴だ。

見たところ、紅蓮の鎌倉進軍は200とみて120のゴーストに対して倍近い人数だ。

源頼朝がなぜ、鎌倉に幕府をつくったか。
この地形こそが攻めづらい地形になっている、部隊が多ければ多いほど、動きが鈍くなる。

俺は左翼のエムに電話した。

「エム?聞こえるか?」

「こっちはお祭り、最高のイヴだぜ、🎄どうした」エム

「中央のアザムたちのところに煙幕をだせ」

「了解!」

「もう少しで楽になるから持ち堪えろ」俺

エムは煙幕を投げ中央部分は全く状況が見えなくなった。

続いて逗子で待機している、サムに電話する。

「待ちくたびれて寒いんだけど。。。🥶🥶🥶」サム

「今、由比ヶ浜は120対200で乱闘中だ、由比ヶ浜方面に向かって衣張山の麓でバイクで壁を作って山に上がってこい。」

「了解!」サム

四天王は俺を信頼している、俺の作戦に間違いがないからだ。

「さっきから電話して忙しいの?」ツグミ

「いやぁ、お友達が女の子を口説いてる最中みたいで、アドバイスしてた。。」俺

「そうなんだ、お友達も素敵なイヴになるといいね。」ツグミ


その頃由比ヶ浜ではエムが煙幕を撒き散らし
アザムとツバキが激突してるエリアは視界ゼロ状態。


あまりの煙で紅蓮の奴らは徐々に後退していく。

「ちかれ○んぽやろう、煙幕なんて小細工しやがって。😤」ツバキ

ファントムのメンバーは指示通り攻めにはいかず守備を固める。

抗争から30分たった時、八幡宮の参道方面からサイレンがなり始める。
🚓🚓🚓🚓🚓🚓🚓🚓💨💨💨

由比ヶ浜のT字の交差点の奥まで攻め入っていた紅蓮の横っつらに警察どもが割って入ってくる。

の200人の部隊は真っ二つに分断され、後方の奴らは逗子方面に後退する。

先頭の部隊はファントムと警察に挟まれるようになり。身動きができない。

紅蓮を煙幕で後退させたのは意味があり

レムが車線を跨ぐようにバリケード立てる。

🚧🚧🚧🚧🚧🚧🚧🚧🚧🚧🚧🚧🚧🚧
🏍🏍🏍🏍🏍🏍🏍

「これでバイクではこっちに逃げれね」レム

ファントムのグループは一度、後退し北上して大仏殿の方から八幡宮の目の前を目指す。
🏍💨

紅蓮の100人くらいの部隊はバチケードと警察に挟まれ万事きゅうす。

🚧🚧🚧🚧🚧
🏍🏍🏍🏍
🚓🚓🚓🚓🚓

一方なんとか後退した紅蓮はツバキを筆頭に逗子方面を目指す。
🏍💨

アザムから連絡がくる。

「風間、紅蓮の半分は警察どもが始末してくれた。俺たちはほぼ無傷で大仏殿経由で八幡宮を目指している」アザム

「作戦通りだ、ここからが大詰めだ恐らく今回の抗争はかぎつけビックバンの奴らも漁夫の利でせめてくるはずだ」

「次の抗争地点はどこだ?」

「紅蓮の奴らとビックバンの奴らを先に抗争させる必要がある。俺とサムの部隊はこの衣張山で落武者掃除になると思います。また指示を出すから静かに八幡宮で待て。」

「了解」アザム

「総長、🚧バリケードだ」
紅蓮の100人部隊はサムが仕掛けた逗子のバリケードで北上せざる得ない状態だ。

「北上して朝比奈で残りの部隊と合流して立て直す」ツバキ
🏍💨

紅蓮は衣張山の右側面の道路を北上して鎌倉霊園方面を目指す。

しかし衣張山の北側に到達する直前、前方から爆音が聞こえてくる。

「うちの部隊にしては早すぎないか?朝比奈の部隊に連絡しろ」ツバキ

朝比奈の部隊とは連絡が取れず紅蓮の100人部隊はエンジンをきり防御体制をとる。

「ブワンブワンブワん」
🏍🏍🏍🏍🏍🏍

「総長、朝比奈の部隊です」

先頭の車両がツバキに近づく。

「総長、奇襲ですビックバンの奴らが300人部隊で奇襲してきました💦」

「なんだと、あのリキトめ😤」

紅蓮のメンバーは200人そしてビックバンは300人

衣張山の北側から八幡宮に抜ける回避できる道はあるが時すでに遅し衣張山の右側面で
ビックバンと紅蓮の抗争は避けれない状態だ。

「防御体制をとれ、300人だろうが関係ねえ紅蓮が最強だ、ここでビックバンをぶっ潰す。🤜」

警察も流石に100人をしょっぴくとなると
今回の抗争には人手が足りなすぎる。
この抗争に邪魔は入らない。

「アザム、やっぱりビックバンさんが参戦してきやがった、紅蓮200のビックバン300と山の右側面で抗争が起きる。合図したらビックバンをケツから攻めろ。」

「了解、楽しくなりそうだぜ🤟」

ー衣張山側面ー

「ようツバキ、こうやって会うのも久しぶりじゃのう」リキト

「リキト坊ちゃん、あそこ毛生えてきたか?」ツバキ

「俺の女になったら、今回は見逃してやるが、断るんだったら、力づくで犯すぞ」

「皮剥けたら考えてやってもいいがゴリラツラ🦍はしゅみじゃねえよ」

2人の挨拶を皮切りに500台の爆音が響きわたる。そして静寂にもどる。

皆バイクからおり、その時を待つ。

「いくぞおおおおおお」

「うぉおおおお」

紅蓮とビックバンの抗争が始まった。

💥💥💥💥💥💥💥💥⚔️⚔️⚔️⚔️⚔️




紅蓮とビックバンの抗争はかなり激しい。
💥⚔️💥⚔️💥⚔️

山頂にいる俺たちの元へも怒号や悲鳴が聞こえてくる。

「なんか下の方さわがしいね😅」

「この辺り猿とかいるからなぁ💦」

「だったらいいけど、幽霊だったらどうしよう🥲」

「そうだツグミ花火やろうぜ🎆」

「大丈夫?火事になるよ」

俺は特大の花火に火をつけ上空に向ける。

🎆そんな馬鹿でかくはないがいい感じで上がった。
🎆🎇続けて2発、3発あげる。

「ドン💥 ドン💥 ドン💥」

「うわぁ綺麗❗️」

「ん?どうした?」

「うれしくて、、、、🥲」

「泣くなよ」
これが突撃の合図だとバレたら。。。💦

ブワンブワン🏍🏍🏍🏍💨

八満宮のほうから爆音が聞こえてくる。

うちの部隊の突撃が始まる。

紅蓮の軍もビックバンもかなり消耗してきて
まともなのは半数以下になってきた。

アザムの部隊が到着してビックバンにケツから奇襲が始まる。

「オラオラ!」💥💥💥💥

形的には紅蓮の100 ビックバン200 ゴースト120。紅蓮とファントムでビックバンを挟み撃ちような陣形になっている。

体力も限界になっている兵隊たちはたまらず、逃げようとするが止めていたバイクが邪魔で逃げ道がなく側面の衣張山の中へ逃げていく。

「誰がにげていっていた😤」ツバキ

どう考えても無傷のファントムが有利なのは明白でどんどん、押し込んでいく。

その頃山頂では。

「かざまっち」
サムの部隊が山頂まできていた。

「こんばんわ」ツグミ

「花火が綺麗だから上がって来ちゃった」サム

「山猿どもはどうだ?」俺

「山猿?あぁ山に逃げ込んできてる」サム

「散開して仕留めろ」俺

「OK!」サム

「ツグミお猿さんたちが悪さしてるみただから、お仕置きしてくるからちょっとまってってくれ」俺

「わかった。。。すぐ戻ってきて怖いから」

「2人ここに残していくから大丈夫だ」

「サム先にいけすぐにタツシと合流して向かう」俺

「OK」サム

サムと部隊は散開して落武者退治に向かった。

俺は縛っていた髪を下ろし、墨で目の周りを黒く塗る。

ビックバンの落武者が5人上がってくる。

「おっとまちな、お前らは俺がぶちのめす」俺

「誰だてめぇ」

「こいつ、金髪の乱れ髪に黒のアイメイク。。。」

「ファントムのた。。タツシだぁあああ💦」

「逃げろ!殺されるぞ」

逃げ惑う、奴らをとっ捕まえ次から次へと葬り去る。

そうだ、俺がファントムの総長タツシだ。

俺の正体を知っているのはアザムだけだ。
全ては、結成当時からの策略だ。

どんなに総長を探しても見つからない。
見つからないからどんな抗争があっても頭をやれないから手応えもない。

それが狙いだ。山に上がってくる奴らを片っ端からのしていく。
 🤜💥🤜💥

なんか下で派手にやりあってる奴がいるな。

「きたねぇ真似ばかりしやがって」ツバキ

「戦いにきたねもクソもねぇビッチが」アザム

アザムとツバキがやり合っている。

レムとエムはざこ処理か、リキトの姿がねえ。

アザムと周りの自軍の数から行って加勢する必要はなさそうだ。

「あざむ、リキトを探しにいく、ツバキは生捕りにして縛っておけ」俺

「かざ。。。タツシ、まかせろ」

「タツシだと、どこだ?」ツバキ

「よそ見してんじゃねえよ、ビッチ」

🤜💥

俺はリキトを捜索するがなかなか見当たらない。
あのやろうどこに行きやがった。

その時だった、山頂から悲鳴が。

「きゃあああああああ」

まさか。。。ツグミ
俺としたことが、、、俺は山を全力で這い上がっていく。

「うぉおおおおおおおお」


嫌な予感がする。俺は力の限り全速力で頂上を目指す。

やはり予感どおりツグミはリキト達に捕まっていた。

「誰だお前は?」リキト

「女から手を離せ」俺

「風間くん。。。。?」ツグミ

「風間だと。。いつも指揮ばっかりとって表に出てこない腰抜けか」リキト

「ツグミいま助けてやる」

「状況みていっているのか?」リキト

「リキトお前もボスなら人質なんて取らず、タイマンはれよ」

「この女逃すな、後でたっぷり楽しもうぜ」リキト

リキトは部下にツグミを渡しこっちにくる。


マジマジみるとやべーくらいの体格だ。

「こねぇならこっちからいくぜ」りきと

リキトが向かってくる、掴まれたりしなければこっちが有利だ。

大ぶりの右フックをかわしアッパーとみせかけ膝の内側に蹴りを加える。

🦵💥バキ

腰が落ちたところそのまま、右フックをこめかみにぶち当てる。

🤜💥ドン

「てめぇ、ちょろちょろしやがって🔥」

リキトの猛烈なタックルが接近してくる。
なんだこのリーチは逃げれねぇ

リキトの腕が腰に巻きつき、締め上げてくる。

💪メキメキ 💪メキメキ

「うぉおおお」
まずいこのままだと肋骨が折れる。

肘でリキトの頭を連打する。
ドカ💥ドカ💥ドカ💥ドカ💥

「そんなの気かねぇなぁ」💪

さらに締め上げてくる。

💪メキ 💪メキ 💪メキ 😱ボギ

俺はリキトの耳の後ろに思いっきし正拳突きをぶち込む。🤜💥

「うわぁ」
あまりの痛みにリキトも腕を外した。

左手で目隠ししてアッパーをぶち込む

🤜💥ドン

リキトが膝をついたところで、回し蹴り🦵💥、さらに踵おとし。🦵💥

リキトはぶっ倒れた。

「はぁはぁはぁ💦」

俺はツグミの元へ向かう。

「待て、まだ終わってねぇ」リキトがゆっくり立ち上がる。

「いゃあああいあやああああ」ツグミ

地鳴りがあたり一面響わたる。

ゴオゴオゴゴゴ

ツグミが狂ったように叫びだす。
あまりの狂乱ぶりにリキトの部下もツグミから離れた。

「ツグミ?」

ツグミの顔はあのツグミではなかった。
獣と表現してもおかしくない。

目は吊り上がり、口からは唾液が滴り落ちる。四つん這いで構える。

ツグミが近くにいた、リキトの部下を次々と吹き飛ばす。

ドン💥  ドン💥

「がるるる」

「なんなんだあの女は?」リキト

「俺にもわかんねぇ」

ツバキがリキトに飛びかかり、太ももに噛み付く。

「ガブっ🩸」

俺は力づくでツグミを引き離すか離れない。
近くにあった木の棒でツグミの口をなんとか開け引き離す。

「うわぁああああ」
リキトの太ももから大量の血が流れる。
🩸🩸🩸

「俺を見ろ、ツグミ、」

俺は髪をかきあげ束ねる。

ツグミは俺に襲い掛かり右腕でガードをするが、ツグミの鋭い牙が腕にめり込む。💥

「ツグミ、俺だ、風間だ」

俺は何故か涙を流していた。
俺の涙がツグミの頬を伝い噛みついている口元へ、噛み付いた顎の力が引いてくる。

ツグミはそのまま気を失うように倒れた。
俺はツグミを抱き抱える、息もしているし、脈もある。

そっとツグミを横にする。

俺はリキトの元へ

「何してんだ、、、あんたも腕からかなりの出血があるぞ」リキト

「だまってろ、くそ右腕がうごかねぇ」

俺は動けそうな部下を呼んでリキトの手当てをさせた。

「おーぃ」

アザムやサムが上がって来た。

「何があった」アザム

「後で話すが手当が先だ、リキトは自力じゃ降りれない、みんなで担いでいくぞ。」

「それからツグミが気を失ってる、ツグミも担いで山を降りる」

「おぃ風間、お前の女、口に血が🩸」アザム

「ツグミの血じゃない、早く運べ」

俺たちは怪我人を担ぎ山を降りた。

下は下でひどいもんだ、どこの部隊も疲れ切って座り込んでる。

激戦があったあたりに人だかりがある。

ツバキだ、縛り上げられ、服が乱れ、肌が露出してる。

「お前ら、何やってんだ、俺は縛り上げろと言っただけだ。」俺

ツバキの元へ行き上着を肩にかけ肌を隠す。

「これは戦争だよ、あんた馬鹿じゃない」ツバキ

「何言ってんだ、周りを見てみろ、戦争は終わりだ。」俺


足を引きづりながら、リキトが来る。

「ツバキ、俺たちの負けだ、こいつの頭脳にはかなわねぇ」リキト

「俺たちも何のためにこんなことしてんのか、個人的な恨みも特にないだろ?」俺

「そう言われてみれば、そうだな、俺はツバキに興味あるけどな」リキト

「気色悪い、あんたみたいなゴリラはごめんだよ」ツバキ

「今すぐとは言わねえ、エリアごとに規約を作って和解しねぇか」俺

「あぁ、俺はもうあんたとはやりたくねぇ」リキト

「ツバキはどうだ?」

「一人で戦争してもつまんねぇしなぁ」ツバキ

「同盟組んで、東京でも攻めようぜ」俺

一夜にして3つのエリアは同盟という形で幕を閉じた。

俺はその後も右腕でが思うように動かなくなり、ツグミとや仲間とも距離を置くようになっちまった。

もちろん、ツグミに逢えないのはこの腕のせいだ、あいつが噛みついた自覚があるなら
この腕を見てどう思う。
自分のした事を責め続けるだろう。

それから10年かかって軽いものを握ったり
持ったりすることはできるようにリハビリをしたが、そこまでが限界だった。

俺は俺と呼ばなくなり、人格までも変わってしまって、今じゃ半グレにカツアゲされるくらい、落ちてしまった。

こんな世界から早くおさらばしたいというのは本音だ。

押し入れにアルバムを戻して僕は久しぶりに涙を流した。


🌟次回予告
電車で奇怪な現象に遭遇する。
動かない右腕に変化が。。。


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