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第11話 エルフな勇者さまの苦悩?(1)

 うう、ううう、こ、こいつか、こいつ……。

 こいつなのか……?

 勇者である私エルの純情、乙女、純血を破壊、奪った者──。憎き男……。


 そう、寝ているこの男、魔王の奴を、このまま殺害──。奴の身体をバラバラに引き裂いて、荒々しい獣達の餌としてくれてやる。くれてやっても私の気が収まらぬ程の憎き敵である私の夫である魔王……。魔王、ッて、て!

 あ、貴女何を考えている。考えているの、エル! エルは⁉


 貴女の目の前、真下……。


「スウ、スウ」、「グウ、グウ」と、寝息……。


「むにゃ、むにゃ、宇宙人さん……。好きだ。好きだ……。愛している。愛してしまいました……」

 と寝言を漏らす。漏らす、ッて! 何? このひと? 私以外の女の名前を呼んだ! 呼んだのだ!

 だから歯痒い! 歯痒いよ! 私という妃、妻がいるにも関わらず、この男は……ではなく。

 この男、男じゃない。魔王! 魔王! は貴女の敵でしょうに。敵……。


 それにエル? この男、魔王は? 貴女の大事な……。将来の彼、主、夫になる男性(ひと)の為にと大事に保管、除けて置いた。乙女と純血を、貴女の隙を見て,
『パクン!』


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