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12話〜町長と支配人の真の顔{改}

 ノエルが行った事を確認するとアリスティアが、

「いいのかシャナ。ノエル様まで、こんな事に巻き込んでしまって」

「大丈夫だと思いますが、それよりアリスティア。明日、私たちはどうしましょう?」

「そうだなぁ。参加という方向でいいと思う。だがノエル様が、本当に証拠を見つけてきてくれるという保証もない」

 アリスティアは腕を組みながら、

「もし証拠を見つけたとしても、その後どうするかだが……」

 アリスティアは考えた後、

「考えても仕方ないか。あっ、そうそう。街の外の森の中に空家があり、そこで革命派のリーダーと会う約束をしている。明日の朝、そこにきて欲しい!」

「早朝ですね。分かりました」

「それに、舞台の仕掛けの方が終わったみたいだしな。そろそろ退散する。ノエル様にも、この事を伝えておいてくれないか」

「分かりました。では、お気をつけて」

 アリスティアはふと思い出したように、

「あっ、そうだ!ノエル様がもし、証拠を見つけられなくてしょげていても、問題ないと言っておいてくれ」

 アリスティアはそう言い去って行った。

「ふふ、ノエル様が聞いたら、何て言うのかなぁ」

 シャナは微笑しながら宿屋に戻っていった。



 その頃ノエルは町長の家に忍びこんでいた。

(とりあえず、忍び込んでみたけどにゃ?証拠をみつけるには、んー……探査のスキルが1番いいのかにゃ?)

 ノエルは考えた後、小声で、

 《盗賊の千里眼!!》

(とりあえずは、このまま気づかれないように……)



 家の中を探っていると奥の部屋からリスタルクとマルクスの声が聞こえてきた。

「……それにしてもマルクス。今年も楽しめそうだな」

「そうですね。去年、優勝したあの女は、なかなか楽しませてくれましたからね」

「確かにあの女は、なかなかいい声と、なんともいえぬ脚線美だった。ステージだけでなくこの私の前でも、泣きながら最後まで楽しませてくれたよ」

 リスタルクは窓の外をみて、

「今年は、今の所あのシャナという女が本命といった感じだな。まぁ、あのノエルとかいうのは、おまけというところか」

「確かにそうですね。明日が楽しみです……」

(えっと、これって……シャナにゃんが危にゃいのでは?って、その前ににゃんで私がおまけにゃんだにゃ〜!?)

 そう思いながらその場を離れ、家の中を探して歩いていると、廊下の奥の床が光っていた。

(これは……千里眼を使って正解だったにゃ!)

 光っている床を調べてみた。

(床の下に隠し通路があるみたいだにゃ)

 床を動かしてみると階段があり、そこから下に降りた。

(ん〜、暗くてよく見えにゃい。とりあえず……)

 《蛍の残火!!》

 小声で言うと左手が光り出し、ノエルはそのまま歩き出した。

(にゃんか、ジメジメしてて気味が悪いにゃ。にゃにも出ませんように……)

 そう思いながら歩いていると、目の前は行き止まりで腐敗した臭いが漂っていて、更に見たくないものがそこにあった。

(……これって嘘でしょ!にゃんで?こんな所に死体が。それも死んでかにゃり日が経ってるみたいだし……)

 ノエルは恐る恐る覗き込んだ。

(ん?よく見ると女の人みたいだけど。まさか、さっき言っていた人にゃの?そうにゃると明日、優勝したら最悪、最終的にはこうにゃると……)

 そう思いながら顔が段々と青ざめていった。

(あはは、って言うか笑えにゃい)

 そして。ノエルは長居をするのはまずいと思い、この場を去り宿屋に戻った。

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