盾持ち令嬢の英雄譚 (外部サイトで読む

Narrative Works

 その世界は、剣と魔法のファンタジーなよくある異世界。
 よくある物語でよく舞台になるような、ごく普通の異世界。
 ただほんの少し違うところがあるとすれば――そこがとある『悪役令嬢モノ』と呼ばれる作品に酷似した世界であること。
 そして、物語の三百年以上も前に――現代日本の地球から転生者が現れてしまったこと。

 何の因果か、転生者は悪役令嬢の物語とは何の関係も無い時代、何の関係もない場所で、神様からもらったチート能力を使って活躍し、伝説の英雄として語り継がれるようになりました。
 そうして――時は三百年後、物語が始まる年の十二年前。
 悪役令嬢『アーデルハイト=レイヴンロアー』が出会うはずだった物語。
 それは英雄とお姫様が結ばれる、ごく普通の物語のはずだった。
 けれど小さな歯車が狂い、彼女が読んだのは『黒き盾の英雄』の物語であった。

 小さな小さな、本当に些細な歯車が狂ってしまったせいで、その後の彼女が、そして世界の命運が大きく変わってしまうとは、この時は誰一人として、そう、例え神様だって知る由もなかった。

  • 重要なフレーズ

    重要なフレーズ

    アーデルハイト
    レイヴンロアー
    命運
    歯車
    悪役令嬢
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    英雄譚
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    地球
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